第155回(2019.12.18) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その155
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(69)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(57)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.Iさん、今月はどんな話をしてくれるかな。

I.今月は契約という話です。
(1)契約に関する欧米流の仕来り:契約の概念は【はじめに言葉ありけり】
1)『ヨハネによる福音書』:「はじめに言(言葉)ありけり、言は神とともにあり、言は神なりき。この言は大切に神とともに在り、万の物これによって成り、成りたる物に一つとして之によらで成りたるはなし、之に生命あり、この生命は人の光なり、光は暗黒に照る。而して暗黒は之を悟らざりき」。欧米の契約の基本は聖書より出ている。

2)ユダヤ人とはユダヤの神エホバと契約した人間をいう。ユダヤの神エホバは嫉妬深い。ユダヤが栄えたとき、多くのユダヤの民が征服した異邦人の美女を娶り、神をないがしろにした。このためユダヤの民はエジプトに追放された。神はこころを改めた民を預言者モーゼに引き渡し、彼らに十戒をさずけ祖国へ戻した。私はユダヤの神は義理堅いと感じている。現在の世界の富の60%はユダヤが抑えており、グローバリゼーションが進むとエホバは更に大きな富を契約者に授け、大神様になるだろう。

3)欧米の契約の概念は神との約束で成り立っている。そのため厳密に約束を破れない仕組みとなっている。契約者双方は立場が平等であることも厳守している。

(2)契約に関する日本人の観念:【日本的ムラ社会に特有な契約の習慣】
1)日本全土を占めている【日本的ムラ社会に特有な契約の習慣】がある。エホバの神と違って日本の神は嫉妬深くない。島国日本の神様は多くの太陽光と多くの雨を国土に授けてきた。国民にスキがあると、台風・洪水・地震という被害を与える。しかし日本人は大きな苦労を強いられるが、被害者は自分への被害は100年に一度程度で、99年間は生活を助けるエネルギーを神から受けていると感じており、暴動を起こすようなことをしない。例外はあるが津波の被害者も、3年辛抱すると生活が回復できると信じている。このため、日本国民はホンネとして相互支援に情熱を持つことで心を豊かにしている。

2)日本では【日本的ムラ社会に特有な契約の習慣】がある。IT経営実施の現場ではITソフト導入の契約がある。最初2という量的な契約がなされ、作業が進んでいった。この段階になると自社の経営の在り方と、お手本とした米国のIT経営ソフトの間に相違が発見され、当初からやり直すことになる。そこで受注者は再度一から出直すため、先の2と今度の2が重なって4の手間がかかることになる。しかし、日本企業の発注者は日頃の恩顧に免じて、無償で再設計せよと命じる。弱小IT企業は顧客のわがままを受け入れる。このような不平等さは欧米では絶対にありえない。契約は神の前で誓った約束事として両者平等に扱われるからである。ところが日本の神様は都合が悪くなると雲隠れしてしまう。しかし受注者に実力があると、納期上の都合で、2プラスα程度の変更にして欲しい。若し、不十分なら再度手直しをすると約束し、実施させてもらう。すると多くの場合、2プラスαで様子を見ると、そのままで変更しないことが多いそうである。契約の尊重という概念は日本にないのが残念である。

3)日本の官庁は余った予算を次年度に繰り越すことはできない仕組みとなっている。繰越できると現場は過剰に見積もってくる。次年度に使えるからである。予算執行では安全のため、数パーセント予備費を残す習慣がある。予算の消化状況を見て、秋口から次のテーマを決め、業者に数名作業を実施させる。2月ぐらいで発注可能が確定すると、作業者を多く投入し、年度末に作品を完成させる。通常は秋口から先行させた人件費を盛り込んで決済することで年度予算すべてが完了することになる。ところが厳しい会計監査官がいると、このプロジェクトは2月からのスタートなのに秋口からの人件費が含まれていると指摘され、問題が発生する。この場合は2月以降の人件費だけが認められ、監査が終了する。

ところがさる防衛プロジェクトで運悪く、過剰人件費が含まれていることが見つかった。業者が謝罪し、大企業の社長が辞職した。この会社の経営者は名代の名経営者で企業の繁栄に大きく貢献してきたが、それ以降の経営者は力不足で、競争相手に大きな差をつけられてしまった事例がある。この企業は官の担当者から要求されて実行したから、契約違反は企業ではなく官である。しかし日本では官に責任をおわせると、会社が潰れるから企業の泣き寝入りになる。

A.まだ事例がありそうだな。

I.来月号で欧米企業との契約についての事例をお話しします。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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