第105回(2015.10.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その105
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(19)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(7)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.8月号、デビット・アトキンソン氏の観光立国のまとめの話をした。9月号では寺島実郎氏の新・観光立国論を説明してもらった。寺島氏の提案は世界中の優れた観光の事例を紹介しており、アベノミクスとしてどのような新しい提案を出せるか、読者に問いかけていると考えられる。そこで今月は各自何か提案をしてもらえないかと考えた。各位のご意見ありや。

k.初めて発言させていただきます。

1.21世紀のビジネスモデル(BM)は多機能融合型

21世紀のBMを7月号で『21世紀は社会のニーズが複雑化し、単にモノの生産の勝負ではなく、知財(モノ、サービス、施設運用、保守)という広範囲の形での開発競争になる。開発は企画・設計(モノはできていない)というバーチャルの段階で意思決定を行い、実施段階で種々の工夫をしながらリアル化に成功し、投資資金の回収をする。地政学的戦略は【電子・ビジネスモデル(バーチャル→リアル)空間】戦略を採用する』と説明されています。これらの一部をより具体的に説明します。

1.1 GEのジェフ・イメルト会長は「IoTはすべての既成概念を破壊する要素を持っている。アマゾンはウェブ上に設立したバーチャルな本屋であったが、アマゾンの信用度(注文してから配達の時間が短縮される)が高まると、人々は本屋からアマゾンへシフトし、本で成功すると、本以外の取り扱い商品も店舗からアマゾンへとシフトし始めた。製造業も単に製造業の継承だけでは生き残れないかもしれない」と、GE改革3つの切り札を提示した。

@ インダストリアル・インターネット:ソフとで引き出す『ハードの潜在力』
 ・航空会社はGE製のソフトを利用して年間の燃料消費を削減してきたが、更に重要なことは従来捨てていた膨大なデータから、このソフトの開発でハードの持つ潜在的価値を引き出すことを実施し始めた。で理想的な操縦方法を指南し、燃料費削減、その他運用費用

A アドバンスト・マニュファクチャリング:『極小工場』への3Dプリンタの活用
 ・機械やクルマがインターネットに繋がる時代
事例T.航空機エンジンのタービン重量の20%削減
事例2.欧州エアバス社の次世代旅客機「A320neo」などに搭載されるエンジンLEAPで3Dプリンターで造った20個の燃料ノズル搭載。3Dプリンターで溶接回数を1/5に、耐久力を5倍

B ファースト・ワーク:『スタートアップ流で開発を迅速化』:実用最小限の試作品
MVP」(新製品開発を素早く行う新手法
 ・ファースト・ワークでは開発者の思い込みで、顧客にとって価値のないものを製作する過ちを防ぐために、顧客が求める製品を迅速に創り上げることを目指すと述べている。

1.2 インテル副社長 ダグラス・デイビス氏は2020年までのネット接続機器の増加を下  
  記予測している。
@ 一般消費者向け製品 2014年で 22.5億個が2020年には131.7億個に
A 産業分野           13.2億個が       83.2億個
B 自動車分野           1.9億個が      35.1億個
という巨大マーケットが出現する。

1.3 総務省大臣官房企画課長 谷脇康彦氏
日本が遅れている情報通信産業分野では、単にハードとソフトが一体化しているだけでなく、ハードを製造する機器メーカー、ソフトを提供するソフトウエアベンダー、通信サービスを提供する通信事業者、さらに利用者コミュニティなど一体となって価値を高めているデジタルエコシステムを創ることです。この分野で5つのミッシングリンクをあげます。

@ 機器とサービスがつながっていない
A 供給者と利用者がつながっていない
B 国内市場と海外市場がつながっていない
C 情報産業と他産業がつながっていない
D 官と民がつながっていない

上記は従来にない巨大な産業分野が発展的に展開されます。これらの競争は
【電子・ビジネスモデル(バーチャル→リアル)空間】戦略の中で実施されると思いますが、エコシステムを成功させるにはプロデューサーとなる企業、機関は新しいエコシステムを支配するプラットフォームを構築し、参加するメンバーが賛同するプラットフォームとしての共有価値観を提供しなければなりません。これが次回のテーマです。

A.Kさん。解説ありがとう。次回もお願いします。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
 
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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