第142回(2018.11.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その142
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(56)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(44)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月はIさんが今までの沈黙を破って、協議会に挑戦状をたたきつけると言って、その対策を聞いた。現実には、第一次計画、第二次計画の提出は実行されたが、肝心の第三次計画の提出は、幹部の顔色を見てから決めるという話だった。
現実はどうだったのかな。

I.実は公園部会の会議用に、資料は第一次、二次、三次案を用意し、第三次案は成り行きで提出することを考えていました。
ところが会議場に到着すると、公園部会を担当する行政の新任課長が着席されていました。これはまずいと、すでに準備していた行政関係者用の資料を自宅に取りに戻りました。会議場に入ると、事務局長が、すでに卓上に置いた協議会関係者用の書類を担当課長に配布済みでした。

A.それは不幸だったのか、幸運だったのかどちらかな。

I.協議会会長は、今回の会議で来年度の計画(第二次計画)までの説明にとどめるつもりでしたから、幸運でした。

A.結果はどうだったのかな。

I.面白いことに、事務局長は自分の頭の中に新しい提案が不足していたため、この機会に私が提出した新提案を聞きたいという思いがあり、会長の話を無視して、私に説明を要求しました。

A.新任の課長の反応はどうだったのかな。

I.会議が終わり、課長にコメントを求めたところ、「これまでの経緯とその範囲内では成功であったが、しかし、本質的な課題が残されていることもわかり、有意義であった」というお言葉をもらいました。

A.それは大成功だったな。その後の展開はどうなっているかな。

I.ありがとうございます。しかし、第三次計画案は公社の新理事長への説得という課題がありますので、会長はまだ第三次計画路線では動いていません。今月町の選挙がありますので、町長の交代があれば話が変わるからです。

A.それもそうだ。ところでIさんはその年になってなぜ、地域開発という現代的な大変なテーマをとりあげ、しかも、大変困難な試みにトライしているが、理由はなにかな。

I.前職のPMAJ(日本PM協会)時代から、「日本的ムラ社会」の実情とその対応という研究テーマに取り組んできました。地元に戻り、再生協議会に応募し、採用されたことで、地域再生のための「日本的ムラ社」会を肌で感じることができました。私が「日本的ムラ社会」と名付けたのは、欧米での仕事のやり方と大きく異なっているからでした。
@終身雇用制度、A年功序列B「ホンネとタテマエ」の使い分けが日本の組織社会の特徴です。これが高度成長期には有効に機能し、今日の日本を大国にのし上げました。しかし、それ以降は全く機能していないにもかかわらず、高度成長期の組織が温存されています。私はプロジェクトマネジメントを業とする専門家です。 個人の実践力(Conpetency)を重んじています。この概念を示したのは米国国務省(日本では外務省に当たる)です。国務省は優秀な人材確保のため採用試験でIQの高い人材を採用していました。ところがIQの高さと業績の高さが比例しないことがわかりました。学者に依頼してその理由を研究させました。結果として業績をあげる人材は、どこの国に移動しても業績をあげることがわかり、業績とIQは直結しないことが究明されました。そして高業績者の持つ特殊能力をコンピテンシと名付け、その能力の基本要素の研究をしました。

A,IQテストが高くても商売に成功するとは限らないというのは本当だ。もう少し詳しく説明してくれないか。

I.わかりました。第三次計画が俎上に乗るのは来年です。その間にコンピテンシーの説明と、地域開発を選んで実践している理由を紹介します。理由はこれからの日本再生にはこのコンピテンシーが必要だからです。言葉を換えると、「頭で考えた戦略」と、「実践で鍛えた成功のためのタイミング(課題・時・ところ・実践的勝利)」双方が求められているという実践的な勉強法を提供します。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
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第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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