第61回(2012.02.10) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その61
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(4)―
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換

「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)―緊急時の対策― −11年09月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(7)―緊急時の対策― −11年10月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)― −11年11月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(2)― −11年12月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(3)― −12年01月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(4)―


A.先月号の君の話は面白かった。だが、君の話に少し追加した話がしたい。なにしろ緊急を要する話だからね。

B.それは、何ですか。

A.君も知っているように、財務省は声を上げて増税を求めている。その大きな理由は世界一の借金国日本だからだ。テレビの討論では賛否激論を戦わしている。賛成派は「日本は程なくギリシャになってしまう」という論理を展開している。元気のよい外人が、増税しないと社会保険制度が維持できなくなり、年金ももらえなくなり、国民の貯金を返済できなくなると言っている。

B.先生、反対派は「増税政策は今のデフレを更に助長して経済は疲弊し、失業問題が大きな問題になる」と言っていますが。

A.反対派は増税ではなく、増収を図れと主張しているね。しかし、今までも民間企業は景気の拡大に向けて努力しているが、広がっていない。反対に多くの企業は円高を期に日本脱出を狙っているが、どのように思うかね。

B.企業が日本を離れれば国内経済は益々疲弊するのではありませんか。

A.一方賛成派の主張は家にカネがないときは節約しなければならないと言っている。国の話と個人の話を混同すると経済はマイナスに働くから困ってしまう。感情論では経済は動かせない。実は今までも景気政策を何回実行しているが、失敗ばかりしてるんだ。社会保障のための資金だと何回も云ってきたが、集めた資金はハコモノや政府関連の団体経由で既得権益者に流れ込んでいる。そのために付加価値を高める仕事をしてこなかったつけが今日を生んでしまった。

B.賛成、反対どれをとっても簡単ではないと言うことですね。

A.実は最大の難問は日本の官僚機構なんだな。世界で類を見ないBM(ビジネス・モデル)をつくり上げた。

B.立派なBMで世界制覇したいですね。

A.残念ながら、日本でしか通用しないが、確実に金儲けができるBMだ。
 発明の第一は3権分立を「和をもって尊しとなす」に従い、表面的はともかく実質的は3権統合を果している。これにマスコミが相乗りし、4権一体となって官僚機構を支えている。民主党政権になっても、逆に天下り関連ビジネスの成長率が高いことが確認されている。国の資金が国会で承認されて流れていくので天下りは国会で承認された正当性がある。
 発明の第二は反体制勢力の有力候補に対するわずかな落ち度を摘発し、政治的生命を合法的に葬る手法をここ数年で確立した。選挙前に有力候補を起訴すると検察がもらすと、マスコミは書きたてるので、裁判なしに実質的に国民に有罪感を植えつけることで目的を達することが可能となった。
 発明の第三は軽い規制で天下り関連ビジネスを保護できる。

B.大変な発明ですね。これでは官僚にならないと日本では幸せにはなりませんね。

A.さて、問題はそこだ。この現実が官僚にとって幸せと彼らは本当に考えているのだろうか。有能な官僚は天下りしたことで、「俺の一生は素晴らしかった」と思うだろうか。
 若い人たちは「天下りを目的」として官僚を目指すだろうか、考えてごらん。

B.云われてみると、官僚になる人たちは、日本をよくする気概で入ったと思います。天下りが目的ではありませんね。

A.ここでもう一度官僚組織を眺めてみよう。官僚が輝いていた時代は各人の権限の範囲が広かった。自由な発想を政策に活かすことができた。今は個人に与えられる業務範囲が細分化され、新しいことを任されても、2年で転任すると、新しい業務が継続されないことが多い。組織が業務改革なしに肥大した結果、機能しなくなっており、優秀な人材を採用しても成果の出ない組織になっている。この組織で運営する限り、増税しても、国を再生する行政はできない。官僚一人一人の努力では解決できないからだ。

B.それでは日本の将来は暗いですね。

A.逆を考えてごらん。マスコミは知恵がないから、悲観論ばかり言うが、この官僚システムでも民間の努力で日本は頑張っている。その上私は官僚組織の中に大きな宝が埋まっている気がしている。今月は紙面の関係で、ここで打ち切るが、3月号では奇抜なアイデアを披露する。君も考えてくれたまえ。

B.わかりました。宝が埋まっているなら、希望を持って考えてみます。

以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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