第70回(2012.11.13) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その70
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」
―ビジネスの基本に戻ろう(8)―
−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― 12年04月

「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(2)― 12年05月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(3)― 12年06月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(4)― 12年07月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(5)― 12年08月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(6)― 12年09月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(7)― 12年10月


A.今月はITシステムの話をしよう(2)
 先月はBさん、Cさんで議論があって面白かった。ITは経営で言えば会社の生死の決める重要なテーマだから議論が出るのは当たり前だ。問題なのはIT技術の進展の速度が早すぎることだな。だが人間の生活はそれほど早くは変えられないため人々によって問題の捉え方が違うわけだ。ところがまた、インターネットという仕組みが社会に投入されビジネスの世界が大きく変わってしまった。経済はグローバルで動いているが、国という枠の中で制御され、ある程度の常識が通用していたが、今は情報が国という規制の枠の外で動き始めた。Cさん、何かが大きく変わったよね。簡単に読者に話してくれないか。

C.わかりました。大きく変わったのは、多くの人々が今まで手に入らない情報が手に入るようになりました。簡単に言いますと、どこの店の商品は安いと知り合いメールすると、知り合いは、また知り合いにメールするため、この口コミメールが活発になりました。その結果価格決定権を持っていたメーカーが極端に弱い立場になりました。普段は気がつかないのですが、社会は昔から情報を握っていたものが権力者になります。従来の役所は情報を持たない国民に都合のいい「ウソ」をついてきました。「ウソ」をつける権利がなくなって、政府、政治家、役人の権限が非常に小さくなりました。

A.この説明はわかりやすい。なぜ、家電が急激に値下げするようになったかわかりやすいね。その外に重要なことはあるかね。

C.国が資本家を規制できなくなったことです。米国の金持ちは千載一遇のチャンスとアジアで質の良くない金儲けをしました。しかし、これは世界中から非難を浴び、資本主義の継続的発展のため自主規制をするようになりました。その代わりに規制のないグローバル社会という経済圏をつくり出し、新興国の経済発展に向けた動きを促進しました。それが今日のアジア経済の繁栄です。その意味でグローバルを視野に入れた経済発展を考えない国は自滅するだろうということです。
A.ありがとう。わかりやすく有用なお話でした。
 この話からわかるようにインターネットがビジネスに大きな影響を与えるようになり、世界中の企業はビジネスチャンスと受け止め、素早い動きをするようになった。しかし、これとは別に今の生活で何が悪いのと考える人も大勢いる。先月はBさんが日本の企業の現状を説明してくれた。Cさんはそれでは折角のIT投資が効果を出せず、グローバル競争に勝てないではないかという疑問を投げかけた。

B.言われて見るとそのとおりですが、私は単に日本の現状をお話ししたまでです。

A.そこで今月はBさん,Cさんの議論の決着をつけるのではなく。本年の8月に出版された「競争に勝つ条件」―日本の産業成長にICT(情報通信技術)はいかに貢献したか?を参照してICT産業発展の歴史を私が説明するから、皆さんは説明を参照し、日本の将来をどのように取り扱うか考えてみて欲しい。
 
1.第1期のICT化(1960〜80年中頃):業務の効率化の時代
 大型コンピュータが開発されたICTの黎明期は専ら人間がやっていた作業を自動化することで効率化を図った。最初は工場の自動化であった。次は設計のコンピュータ化でCADが導入され、続いてシュミレーション技術の発達で試作品を作る数を減らすなど開発期間の短縮、コストの削減に貢献した。3次元CADが登場すると試作品を作らずに生産が可能になった。次いで業務の自動化が金融業界で導入され、業務を正確かつ、迅速に行えるようになった。
 70年代後半にはICTの活用が更に拡大し、事務部門の自動化が行われ、多くのOA機器
が開発されいわゆる「OA革命」が実現した。

2.第2期ICT化(1980年中頃〜現在):業務の最適化25年
 1期に見せたICT化は流通業界ではPOS(販売時点情報管理)システム、銀行業界の第1次オンラインシステムが、それぞれの業界で業務改革を巻き起こした。製造業においてはCAD/CAMシステムでICTが業務改革を引き起こした。
しかし、第2期のICT化はそれほど華々しいものではなく、業務の最適化が主流となった。1期における自動化は「職場の各部署でそれぞれ作りあげた業務プロセス」にしたがって進められたが、業務の最適化は「業務の各プロセスのつなぎ目に見られる在庫、生産と出荷間の調整在庫等を『見える化』することで極力無駄を削除する」という効果をもたらした。この業務の「見える化」運動は類似の部品の共通化、モジュラー部品の製作、類似の業務の同一化、標準化、業務のモジュール化等の手法を展開させ、コスト削減に寄与した。ここではまた、製品のQCD(品質の向上、コスト削減、納期短縮)改革に貢献した。

A.この本で強調していたことは、経営者自ら率先してICTの活用方法を考えることが命題だといている。さて、Bさん、Cさん先月の議論を続けるかね。

C.結構ですが、国外でICTがどのように展開したか、先に説明してくれませんか。

A.わかった。米国その他の状況を来月説明しよう。

以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)   (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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