第44回(2010.09.07) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その44
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(9)
〜「How toの時代からWhat toへの転換」
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」  10年01月号       
−「働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!」  10年02月号         
−「アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる」− 10年03月号        
−How to の時代からWhat toへの転換−10年04月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年05月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年06月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年07月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年08月号
−How to の時代からWhat toへの転換−       

A.8月号では、「日本は追い詰められ、その気になると強くなる」という私の話に、追い詰められる前に手を打ちたい。その妙案を出せと、君に要求された。

B.そうです。それは先生に守っていただく公約です。政治家の公約は破っても当たり前と思われていますから、今風に言えばマニフェストです。

A.わかった。わかった。守りますよ。最近はサムソンブームで本屋、テレビで報告されているから、サムスンの強みを皆知るようになった。9月4日に国際P2M学会の2010年秋季研究発表大会があってね、そこで基調講演としてサムスン電子常務(日本人)の方の講演を聴いた。この講演から多くの聴衆は、現在の華やかな実績とそこから生まれる将来展望に関心を寄せたと思うが、私が感じたのは「成功のための2つの基本的な原則」でね、ここだけは日本が負けた点と思った。

B.それはたいへん興味深い話ですね。

A.サムスンの話は4月号で取り上げているから、技術的なことは知っていると思う。技術的なことではないんだ。
  第一は2兆円企業のサムスンを2020年には4兆円産業にするという会長のビジョンが出されていること。内容に目処があって4兆円がきめられたわけではない。10年度2倍になることは難しくないという判断と、目標がないと社員は動けないという簡単な原理で経営が動かされている。
  第二は各部門が2倍の目標に向かって、イノベーションに挑戦する。そして成功した人には輝かしい将来が約束され、地位と収入が保証される。しかし、失敗した人間はサムスンを去るという原則が存在している。サムスンでは「権限と責任」がリンクしている。それだけ大きな仕事をするからには十分な権限を与える。しかし、権限を与えたからには責任をとるという原則が出世のための企業原則となっている。

B.日本的に考えると、それって、すごいことですね。言われてみれば日本企業は「権限に制限を加え、上司の介入で迷惑することが多く、しかしできなかったらやめさせることはしないという暖かい組織」ですよね。でも何か日本式っておかしくありませんか。最近の経営者は業績の悪さを@不景気、A円高、B法人税の高さのせいにしていませんか。本当はもう一つ追加してもらいたいですね。

A.君も最近は言ってくれるね。それは何かね。

B.C経営者として能力不足です。責任を取ります、ではないでしょうか

A.それは言えてるね。経営者に高い報酬を与え、責任を取ってもらう方式は日本再生に貢献するかもしれないな。

B.役に立つと思ったら、直ぐ行動をとるようにしてください。韓国は経営者だけでなく、国の経営者である大統領の動きが早いですね。今は企業間のグローバル競争ではなく。世界中の国々は国家元首がグローバル競争の全面にでていますね。日本は誰も出て行きませんね。

A.全くだ。そこでだ。マニフェストに戻ろう。実はたくさんアイデアがあり、書くことは多くあるが、書いてみると、これらは既に言われていることなんだな。勿論言われていないこともあるが、まず第一にしなければならないことは「権限と責任」を国も、企業も、社長も、部下も、私も、あなたも全員が実行することができないとアイデアなど何も役に立たないと言うことだ。

B.その通りですね。口で「権限だけでなく責任をとりなさい」と言っただけで、全員の責任感が強くなるのでしょうか。

A.その通りだ。実行できないことを指摘して人を非難しても、問題は何もかわらない。成功する仕組みをつくるところから始めないと無理だろうね。実は業績の高い企業はこの仕組みができているんだ。

B.わかりました。色々と課題が出てきました。少しまとめてください

A.わかった。
  @「ものつくり=技術」だけでは競争に勝てない。新しいマーケットの開発、その地域の潜在ニーズにあった製品開発
  Aモノを売る時代からコトも売る時代になった
  B1990年以降は、それ以前の発想から日本人は脱皮し、デジタルの活用とは何かを徹底して考えること。
  C国内市場的な発想から抜け出て、グローバル市場への進出を考え始めたが、一度国内的な商習慣を捨て、グローバルのビジネス習慣を学ぶこと。しかし最後はローカルの文化・価値観を学ぶ必要がある
  D企業がグローバルに進出すると、マーケットは無限に広がる。これは正しいが国内ビジネスが縮小し、別の困難に直面する。

  次回はこんな問題を考えてみようか。



プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14) 
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