第49回(2011.02.08) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その49
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(14)
〜「How toの時代からWhat toへの転換」
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」  10年01月号       
−「働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!」  10年02月号         
−「アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる」− 10年03月号        
−How to の時代からWhat toへの転換−10年04月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年05月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年06月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年07月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年08月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年09月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年10月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年11月号        
−How to の時代からWhat toへの転換−10年12月号
−How to の時代からWhat toへの転換−11年01月号

A.日本人は素晴らしい素質を持っているが、基本的に「やっかみの社会」でもある。マスコミの行動を見ているとそれがよくわかる。

B.どんなことでしょうね。

A.マスコミは「はにかみ王子」、「ハンカチ王子」などと、話題性のある新人をはじめはちやほやするが、話題性にかげりが見えると、わずかな「ミス」や「低迷」を捉えて元寵児を叩くことで話題性をつくり上げる。このパターンは終始一貫変わらない。それは芸能人、スポーツ選手、政治家もその対象となる。1社だけが書き立てるだけなら、反論もできるが、遅れをとった他社はそれに負けまいと、関係のない、スキャンダラスな内容をかき集めて、更に激しく書き立てる。そんなことでいいのかね。

B.でも、日本人がそのような記事や番組が好きだから書き立てるのではありませんか。誰も相手にしなければ新聞も書き立てませんよね。

A.その通りだが、日本のマスコミに大きな問題がある。自分の名前で堂々と記事を書かないという、世界で類を見ない習慣をつくり上げた。覆面で書くと品性が失われた記事や、面白おかしくつくり上げることが目的となる。人間の尊厳に関する記事を、品性なく各社がエスカレートして書き、多くの人々がマスコミに刺され、世間から非難を浴びて、抹殺されている。これは全く無責任な社会といえる。その結果どうなると思うかね。

B.失敗を生かすこともできず、逆に失敗を隠す習慣が生まれる。結果的に傷口が大きくなるまで放置されることになりますね。相撲協会の問題も隠蔽の結果ですね。

A.日本の役所や企業でも面白い現象がある。冒険をして、失敗すると非難されるが、冒険しない人が非難されたことはない。逆に個人的に冒険して成功しても、周囲は評価したがらない。このような社会だから賢い人々は勉強熱心で、多くの必要な知識を習得はするが、決して実行しない。このタイプの人々で社会が満ち溢れている。

B.それでは活力が落ちますね。それが、失われた20年なんですね。

A.君は鋭いことを言うね。君の言うことは全く正しい。だが考えてもらいたいことがある。原子力発電所内で、地震の被害にあった設備がある。マスコミはとんでもないと騒ぎ立てる。原子力設備は破壊することで起こる被害の大きさで重要度分類し、設計基準を決めている。すべての設備を原子炉並みの耐震設計をしたら、設備全体は今の2倍から3倍のコストが掛かる。その結果、電気料金は今の2倍から3倍になってしまう。君はそれでも電力料金を払いかね。

B.払いませんよ。それは過剰設計です。

A.君の考えは正しい。欧米ではそれを正しいと言わずにリーズナブル(合理的な考えだ)といって納得する。日本ではマスコミに反論したら感情的に地震で壊れる設備は危険だと逆に反論あれる。人格のない匿名の相手に反論できないので誰も勝てない。結局社会はますます無責任になっているというのが日本社会なのだよ。

B.私達はどの新聞も内容が同じなので、それが真実と思ってきましたが、今回の先生のお話は私にとって新鮮です。もっと面白い話を聞かせてください。

A.では元気の出る話をしよう。岐阜県にある未来工業という会社だ。小さな企業から出発し、努力をして、その分野では日本一になった会社で社長の方針が面白い。社員の管理をせず自主的に仕事をさせている。唯一の提案は「皆さん、常に考えよう」だ。考えたら提案せよと、1件に付き最低500円払う。内容によって万円単位の報奨金がもらえるから、皆、自主的に自分達の業務の改善を提案する。しかし、無理強いはしない。皆が頑張って会社の収益が上がると社員に反映される仕組に、社員が同意しているからである。ここでは失敗など非難されず、挽回すれば評価される仕組ができている。営業の女子社員が残業を減らす目的で、日替わりで電話当番を決めたことで、部門全体の効率が上がり、残業がなくなった。給料がリーゾナブルでよいので、残業をしない工夫を社員が提案し、皆が付加価値の高い仕事ができる仕組みを自分たちで編み出している。

B.面白いシステムですね。他の会社でも真似すればいいですね。

A.「わが社は社員との信頼関係ができているからできるが、大企業の社長は怖くて真似できないでしょう」が、社長の答えでした。でも、この話は日本の将来にとって明るい話だね。




プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14) 
  (15)   (16)    (17)   (18)  (19)   (20)  (21)   (22)   (23)   (24)   (25)   (26)   (27)   (28)   (29)    (30)   (31)   
 

 
一覧に戻る
スポンサードリンク
読者からのコメント

■本稿に対するご意見,ご感想をお聞かせください.■

は必須入力です
コメント
自由にご記入ください

■氏名またはハンドル名
■会社名または職業
■年齢

  
このコンテンツは「プロジェクトマネージャー養成マガジン」としてメルマガで配信されています.メルマガの登録はこちらからできます.