第101回(2015.06.23) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その101
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(15)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(3)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(2)
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(3)


A.先月Zさんから21世紀の戦略はこれまでのMBA的な戦略ではビジネス競争に勝てない。新しい戦略として
21世紀型【電子XXヴァーチャル・リアル空間】地政学的戦略:
XXとして:金融、知財、コミュニティーその他
が考えられるという提案があった。

そこで今月は「21世紀とした理由、電子XXヴァーチャル・リアル空間とした理由、地政学的戦略とした理由、XXの内容(金融・知財・コミュニティ)」を説明してもらうことにした。

Z.承知しました。
@21世紀型地政学的戦略としたのは、戦いの場がインターネットという電子空間の場での戦で、これまでの勝者が、わずかの期間で敗者になっている事例が多いのです。
したがって電子空間での戦いのための戦略が必要なことを関係者は正しく認識する必要があります。残念ながら日本人のメンタリティーは未だ20年間の空白の眠りから覚めず、日本部落的価値観から離脱できていません。日高義樹(元NHK米国総局長)は本年4月に出版した本の中でヘンリー・キッシンジャー博士が、今世界の大変動が始まった。「予想することすら難しい」と慨嘆している話を伝えています。

A【電子・金融空間ヴァーチャル・リアル空間】地政学的戦略
【電子空間】利用の金融戦略は新興国への投資として利用されました。 米国は実体のないヴァーチャルなドルを大量に印刷し、新興国への投資に使ってきました。このヴァーチャルなドルのお蔭で、新興国の金回りが良くなり、米国からの資本、技術と人材の提供で、中国は量産品製造で世界一となりました。これは世界経済の拡大に大きく貢献しています。しかし、この量産品を大量に買う消費者が存在しないと、投資は失敗し、リーマンショックと同じ現象を起こします。現在の米国製造業は企画・設計を行い、製造を中国に任せ、製品を(米国合弁)中国企業から買っているために経済がまわっています。この米国の消費者が実ドルで製品を買うことでヴァーチャルのドルがリアルのドルになるために、この循環システムはリアル化したことでバブルにならず成功しています。

A.ヴァーチャル・リアルの意味はよくわかった。しかし【電子金融ヴァーチャル・リアル空間】での勝負は、日本に向いていない気がするが、どうかな。

Z.英国なら金融の実力があるからよいと思いますが、日本はアベノミクスの成長戦略での勝負で勝ことだと思います。その場合日本が戦う場とその戦略は

21世紀型【電子知財ヴァーチャル・リアル空間】地政学的戦略です。
ここでモノづくりとせずに、知財とした理由を述べます。簡単な「モノづくり」では日本は勝てません。知財としたのはバックオフィスに充実した知財を持った企業か、単独またはコラボレーションを行う企業群が電子空間を通じて創られた商品(モノ、サービス、システムの運用、保守等をふくむ)で勝負します。これら商品(エコシステム)の出発点はヴァーチャル商品です。これを電子空間上でリアルに展開するのが戦略です。

事例1としてはボーイング777の開発・製造で、数社で担当を決め、電子空間上のCAD上で設計を行い、従来から実施していた実物模型をつくることなく、製造を行いコストダウンに成功、777が売れたことで、ヴァーチャルのリアル化に成功しました

事例2は単純な事例として楽天モールをイメージしてください。楽天のモールはウェブ上のもので、土地も建物も、売り子も不要です。そして受注してから生産することもできる意味で限界利益(固定費+利益=固定費が少ないから粗利益が大きい)を多く得られます。しかし、大型資本が不要なビジネスは誰でも参入できるため、信用度を確立した店だけが、このビジネスの勝者になります。だが、この実績をつくりあげるのが最大の難問です。このビジネスの困難さを下記します。

A 自社のウエブにアクセスする人の多さが重要で、アクセスさせる仕組みが必要
Bアクセスしてくれても商品の信頼性を見える化する定量な仕掛けが勝負をきめる
Cさらにウェブ商品は購入した人に感動を与える必要がある。感動がないと人は口コミで推奨してくれない。
Dここまでの仕組みが完成した時、このウェブ上のヴァーチャル商品が売れ、(リアル)資金の回収ができる

A.ヴァーチャルをリアルにするという発想は大変面白い。ここで重要なことがある。通常実行されているのは「モノづくりを企画」し、実物をつくってから、商品の紹介方法を考える。しかしこの方法では売るのが難しい。売る相手の顔が見えないからだ。相手に訴える的確な説明がつくれない。一方優れた商売人は顧客層のターゲットを絞ってから企画書をつくる。相手の期待を想定して作った商品の説明には訴える力がある。しかし万人向けにつくった商品は魅力に欠けるそうだ。
来月はコミュニティの事例を説明してほしい。

Z.承知しました。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)   (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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