第46回(2010.11.12) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その46
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(11)
〜「How toの時代からWhat toへの転換」
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」  10年01月号       
−「働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!」  10年02月号         
−「アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる」− 10年03月号        
−How to の時代からWhat toへの転換−10年04月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年05月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年06月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年07月号 
−How to の時代からWhat toへの転換−10年08月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年09月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年10月号
−How to の時代からWhat toへの転換−        

B.先生、先月号を読み返してみるとよいことが書いてありますね。復習します。
@マスコミは悪口しか書かないから、誰も反対できないが、人々に新しいことをする勇気を失わせる。マスコミに指摘された問題点を直しても、社会はよくならない。
Aアメリカの真似をすると誰も非難しないので、偉い先生方はアメリカ方式を青図と称して提唱してきたが、これが間違いだらけだと国民は気がつた。
B未来予測をするから非難されるが、こんな世の中になって欲しいなと考え青図を提案すればコンセンサスを得やすい。
A.うまくまとめてくれたね。ところが一つ忘れていることがある。これまでは「国は過ちを犯さない」という発想で官僚は国家運営を行ってきた。水俣病やそれ以外の問題も、その方針で解決を引き延ばし、被害を大きく広げたが、誰も責任を取らない慣習をつくり上げた。グロ−バル社会は日本の官僚がコントロールできる範囲ではないにもかかわらず、自分達は間違っていないという発想が優先し、国益を損失し続けている。民間では「アメリカ出羽の守」(米国はこのようにしている)を唱えると誰も反対しない基準をつくり、問題が生じても修正をしない会社運営が行われてきた。しかし、結果が上手くないから元気がなくなり、チャレンジ精神がなくなっている、というのが現状だ。確かに企業がグローバルでの最適化を求めると、規制の多い日本ではやっていられないから、本社を海外に求めれば多くの大企業は生き延びられる。しかし、これでは日本国が成り立たない。君はどのように考えるかね

B.最近先生もずるくなりましたね。私に提案させるのですか。しかし、これは面白い方法ですね。国民に考えさせ、提案させるという方法ですね。

A.鋭いことを言うね。どうしてそう思うのかね。

B.国民が期待することをすべて集めると矛盾することだらけですよね。例えば「高速道路は無料がいい」という提案があります。他方「高速道路が無料になったお陰で、一般道路も、高速道路も混雑して混在して、ビジネスも生活も不便になった。旅に行く楽しみが薄れた」という意見が出されます。矛盾する提案をまな板に載せて再度議論させると、物事は次第にバランスのとれたものになります。

A.面白いことを言うね。素人はこわいな、平気でずばりと本音をいうからね。ここでの問題を整理すると、絶対に正しいというものはない。どちらの方が国民にとってよりよいかを議論することである程度決着できるが、それには時間が掛かる。少数でもそれによって大きく利益を得られるものは譲らないからね。そこで民主主義というものは議会の多数派を占めたものが正義となるというルールを決めて決着してきた。これで何が悪いかと官僚は君の案に反対するよ。どうかね。

B.民主主義はその通りですね。しかし、今までのやり方は「国民を代表する学識経験者が評価して決めた」から、国民の意見であると言ってきましたが、米国のように評価基準を示して理解を求め、それを実行し、結果が思わしくなければ、修正をするという方法がよいのではないでしょうか。評価基準が「学識経験者」では、何を基準に修正したらいいかわかりませんよね。結局ごまかしではないですか。

A.その通りだね。絶対に正しいものがないならば、評価基準が必要で、修正可能な提案をするという君の提案は素晴らしいね。最近はこれら学識経験者が「戦略の失敗学」という本で、官僚が示した事務局案をサポートしてきたやり方に対し、自己反省し、啓蒙派学者が方向転換し始めている。評価基準をつくり、基準に理解を求め、コンセンサスを得る準備ができると、日本は世界に類のない素晴らしいものをたくさん持っているという話が魅力的になるんあだな。「官僚指導の多くの誤った発想、その情報を頼りに全国同じ記事を書くマスコミ。それに洗脳された世論がおかしい」という理解のうえで、「日本の持つよさを、自分達はどのように育てるか」という発想を持つと希望が生まれるのではないかね。

B.その通りと思います。しかし、そんなにいいものがあるか、話を聞いてみないとわかりませんね。

A.じゃー、聞くけれど、日本の首都圏は魅力がないか?

B.車で都内へ入ると不便です。渋滞、駐車難、色々ありますが、鉄道を利用するなら渋滞、駐車場探しの心配もありませんね。目的地と地下鉄の正しい出口を理解している人は、その便利さで、短縮された自分の時間を買うことができます。だが、JRは私鉄に比べて運賃が高い点が気になります。

A.その通りだ。今君はいいことを言ってくれたね。値段に絶対的な高さや、安さがないことを示唆したと思う。もし、1時間10,000円稼ぐ人は15分の節約は2,500円に相当する。ここが大切だよね。高速道路は高くても時間の節約で、ビジネス的には価値を生み出している。民主党の政策は労働組合的発想で、時間が利益を生み出すというビジネス感覚の欠如といえる。「このビジネス感覚を評価基準とすると日本は素晴らしい資産をたくさん持っていると考えていい」というのがこれからの話なんだ。この前提がないと日本の未来は暗い。しかし、基準を変えれば未来は明るいといえる。今月は日本のよさを話そうとしたが、前提抜きには理解してもらえないので基準の話をした。

B.ありがとうございます。次回も日本をよくする発想とビジョンを話してください。


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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