第72回(2013.01.18) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その72
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」
―ビジネスの基本に戻ろう(10)―
−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― 12年04月

「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(2)― 12年05月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(3)― 12年06月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(4)― 12年07月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(5)― 12年08月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(6)― 12年09月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(7)― 12年10月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(8)― 12年11月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(8)― 12年12月


B.C.新年おめでとうございます。

A.おめでとう。
今月もITシステムの話をしよう(4)
1990年代に日本は経営改革をしなかった。2000年代初期に「経営のデジタル化設計(DBD)」が米企業で起こり、生産性が飛躍的に伸びた。ここでも日本企業は基本的なことは何もしなかった、ところまで話した。
今月はDBDの話を少ししよう。これは新しく登場した「変わらぬ基本」の部類に入るからよく学んで欲しい。
一つ質問をしよう。経営の大きな役割の一つに管理があるのは知っているね。管理には「モノの管理」、「人の管理」、「金の管理」があるのは知っている。その外に何かあるかな。

B.「情報の管理」があります。

A.いい点をついているね。では「情報の管理」とは何をすることかな。

B.顧客情報、物価の情報、競合者の情報など、今や経営にとって情報が最も重要になりました。

A.そのとおりだね。ところでCさん、何か意見がありますか。

C.私もBさんに同意しますが、一つだけ追加させてください。インターネットの普及によって、情報を世界中に受発信できる環境が整いましたから、情報による管理の重要性が増しています。ここで一つ追加したいのが「アナログ」と「デジタル」の問題があります。経営者には大局観が必要です。「アナログ的」な感覚でバランスよく世界情勢を大局的に捉える必要がありますが、意思決定をするための経営上の実態の把握は、必要情報の収集・分析管理があり、これは「デジタル」が効果的です。

A.それはまたなぜかね。

C.クロネコヤマトの配送管理は徹底した「デジタル」管理で効果をあげています。

A.トヨタは「カンバン方式」でモノによる管理だと思うがどうかね。

C.「カンバン方式」は世界的に優れた方式と評価されていますが、カンバン方式は「モノ」による管理です。現実は管理能力の弱い下請企業は部品を積んだトラックを道路に配備して、ラインが止まらない準備をしなければなりません。これは垂直統合型生産方式だから弱い企業にしわ寄せができます。家電製品はグローバル水平統合方式で各社は対等な立場になりますから「アトム(モノ)での管理」では管理できなくなります。「アトム」の管理を「ビット(電子情報)」の管理に切り替えますとトラブル発生でもすぐにすべての人々に伝達できます。ロジスティックス系は「モノ」の流れと「在庫」の関係を上流から末端まで、どこで、どのくらいの量を在庫するかをシミュレーションし、「最適在庫」の場所と数が算出されます。電気自動車の時代はグローバル水平分業が主流となります。ゼネコン、IT産業は長年下請け方式を採用してきました。これらの企業はグローバル進出に際し、親会社の体質を変えないとグローバルに進出しても収益上げることが困難だと思います。

A.素晴らしい意見だね。「アトムの管理」から「ビットの管理」へ切り替えるのがDBD(Digital Business Design)だ。

C.モノによる生産性の向上は今までの実績では5%程度が最高ですが、「ビッドによる管理」では10倍の生産性向上が図れます。DBDの特徴の一つに意思決定の早さがあります。これは経営に必要な情報をデジタル化し、意思決定できる経営基盤をつくることで、グローバルビジネスの動きの早さに追従できます、残念ながら日本の経営者はデジタルが苦手でIT投資を現場任せにしています。現場の担当者の多くは現状維持派ですから改善すらしません。日本の組織は10年以上も遅れています。

A.DBDの話をしてくれてありがとう。君のいう通りだな。新年の経団連の会長の新聞談話では、「日本は法人税が高い。電気料金も高くなる。これでは日本企業がビジネス投資をできる環境にない、政府は早急に環境整備をして欲しいと」と言っていた。日本企業の30%しか法人税を払っていない環境で、法人税をゼロにしても競争力強化の投資などできるはずがない。君の言うとおり自助努力している会社だけが業績を上げている現状だ。さて、Bさん、これまでの整理をしてくれないか

B.日本企業の弱体化は「経営の品質の改善」がなされていないことです。それはグローバル競争社会で通用する意思決定の早い組織、ICTを活用した組織のスリム化、DBDを使った生産性の向上とナレッジマネジメントが求められます。次回は最近読んだ「競争に勝つ条件」−過去50年の経営イノベーションにヒントがある−、「ミッシングリンク」−デジタル大国ニッポン再生−の話をまとめてお話します。

A.Bさん来月はよろしくお願いします。


以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)   (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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