第55回(2011.08.12) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その55
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号


A.先月は各省庁に対し、

・日本国の総理大臣になったと思って、省益を抜きに国家戦略と将来の青図作成を、35歳以下の新エリート候補に任せ、新官僚機構構築の議論させるアイデアだったね。
・このアイデアも必要だが、エリート論の前に日本人はもっと自信を持つ必要がある。マスコミの日本人を卑下する習慣から変身しようと云いたい。

B.先月もいいましたが、外国人から見た日本は世界にない何か大きな魅力があるようです。日本が生活しやすい国で、庶民が生活を楽しくする工夫をして暮らしているところが面白いと思っているようです。
A.その通りだね。そこで日本研究で功績のある台湾人の黄 文雄(コウ ブンユウ)さんの本を紹介する。黄さんは「日本人が知らない日本人の遺産」のほかに本年「日本人は、なぜ世界から尊敬され続けるのか」が出版されたので紹介する。

 第1章 世界が驚愕する日本人の不屈の精神
 第2章 世界が憧れる日本人の美徳
 第3章 世界がたたえる日本人の勤勉
 第4章 世界が魅了する日本人の美意識
 第5章 世界が敬う日本人の武士道

各章は来日した外人の記録を集めたもので、古くは魏志倭人伝(3世紀末)織田信長時代の宣教師の日本人観、維新から日露戦争時代の日本人観で、これらは東日本大震災後の世界の人々の感想と同じであったことに私は驚いた。昔からの資質といえる。この中の幾つかを紹介する。

@ホール・クローデル(1868〜1955)フランスの劇作家、詩人
 「私がどうしても滅びてほしくない民族がある。それは日本人だ」
A魏志倭人伝(280〜290)中国 陳寿(233〜297)
 「婦人淫せず、妬忌せず、窃盗せず、争訟少なし」
Bフランシスコ・ザビエル(1506〜1522)宣教師
 「日本人は好奇心が強く、知識欲が旺盛で、質問に限りがありません」
Cワシリー・ミハイロフ・ゴローニン(1776〜1831)日本人の捕虜となった
「もし、この人口多く聡明で、抜け目のない、模倣上手な、思慮深く勤勉で、どんなことでもできる国民の上に、我がピヨートル大帝が君臨すれば、日本はその能力と財宝によって全東洋に君臨する国家に仕上るだろう。」
Dミシェル・ルウォン(1868〜1947)北斎の研究家
「芸術の上では日本人は実に天才的だ」
Eハーバード・ポンティング(1870〜1935)写真家
「日本の婦人は賢く、強く、自立心があり、しかも優しく、哀れみ深く、親切で、言い換えれば寛容と優しさと慈悲心を備えた救いの女神そのものである」
Fイザベラ・バード(1831〜1904)旅行家
「世界中で日本ほど、婦人が危険にも無作法な目にもあわず、全く安全に旅行できる国はない」
Gジョアン・ロドリゲス(1561〜1633)宣教師
「彼らは誇り高く面目を重んじるので、名誉に関わることで簡単に生命を捨てことをいとわない。同様に、自分の保護と支援の下に身を置いているもののためには、無造作に我が命を賭ける」
Hエルヴィン・フォン・ベルツ(1849〜1913)東京帝大医学部の基礎を築いた人物
「押し寄せてきた(日本人)の群集は極めて静粛で、むしろこれらの憐れな(ロシア人捕虜の)連中にすっかり同情している態度だった」(日露戦争直後)

B.これを見ますと日本人は昔からこれらの資質が備わっているようですね。子孫のためにも、私達が一旗上げないとまずいですね。

A.そうだね。黄さんによると「日本人の台湾統治政策が素晴らしいかったことで、多くの台湾人は日本人に好意を持っている。当時の欧米の植民地政策は「植民地の人間に一切教育を行わず、現地の産物を輸入して、本国で加工し、製品を現地に売りつける方式」であった。日本は全く逆で「日本の税金で朝鮮の裸山に植林し、鉄道の敷設、義務教育を普及させ、搾取とは逆の政策だった。近年のアジアの繁栄は欧米流とは異なり、ODAや技術の供与で各国の自立に大きく貢献した。私は多くのアジア人はこれを評価している。私達が頑張ることで、アジアは益々繁栄するよ。そこでだ、これからの日本を君だったらどうするかね?

B.先生、私に振ってきましたね。まず、私達は新聞からこれらの事実は聞かされていませんでした。この話は私達に勇気を与えてくれます。「アメリカ出羽の守(アメリカ頼み)」から抜け出して、自分達の未来は自分で考える時代が来たことではないでしょうか。



以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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