第36回(2010.01.08) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その36
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)
〜「PMOに消火活動チームの設置」
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」  10年01月号       

B.新年おめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。「何か変だな!」は13回つづきました。「何か変だな!」はそれなりに勉強になりますが、なんだか高みの見物のようで、少し釈然としませんね。

A.やー、おめでとう。今年もよろしく頼む。言われてみるとその通りだね。熊さん、八さん方式で始めたが、君も成長したね。確かに「何か変だな!」と疑問をぶつけても問題は解決しないね。

B.そうですよ。「こんなことしたら世の中よくなるよ」というテーマはどうですか。

A.なるほどね、面白いかもしれないね。でも、ネタ集めがたいへんそうだね。だが、君の発言に勇気付けられて、新年から「世の中をよくするアイデア」を出してみるか。アイデアが悪かったら指摘してくれたまえ。

B.わかりました。しっかりとした意見を言わせて貰います。

A.身近なところから始めよう。IT(情報産業)関連のプロジェクトは失敗も多く、あるプロジェクトでトラブルが発生すると、後続のプロジェクトに必要な人材が配属されない。これはプロジェクトマネジャーとして、困った問題であるが、会社は人手がないからと要員の補充をしてくれない。顧客の前面に立つマネジャーとしては仕方がないから駈けずり回って人集めに奔走するが、それでも人集めに成功できないことが多い。

B.それはマネジャーの仕事ではないでしょう。最近各企業はPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)を置いているから、これはPMOの仕事でしょう。

A.最もな話だ。だが話しを聞くと、PMOにも人がいない。そこでPMOは形式的に、現状分析をして、プロジェクトAは現在予定の出来高の80%で遅れている。プロマネは挽回に努めよと警告を正式文書で発行するそうだ。発行することでPMOの役割を果しているという(ホンネはどうしようもないので、タテマエの行動を取るようだ)。

B.それはおかしいですよ。

A.おかしいよ。ここで終われば「これは何か変だね!」だ。今回は解決案を出すというコーナーだよね。何かいいアイデアがあるかい。

B.突然言われてもね!

A.自然界の知恵を借りようじゃないか。君は「蟻は働き者だと思っているかい」?

B.働き者ですよ。蟻とキリギリスの童話を知っているでしょ。「夏の暑さの中で蟻は冬のための食料をせっせと集めていました。キリギリスは冬支度をせずに楽しく遊んで夏を過ごしました。冬になってキリギリスは後悔しましたが、食料がなく、冬を過ごせませんでした」でしょう。

A.ところが事実は全く違うんだ。巣の中には20%の働き蟻と80%の怠け蟻が棲んでおり、怠け蟻は働き蟻が集めた食料で生活しているんだな。わかるかい。働き蟻は暑い最中の肉体労働と危険な場所での作業で、死亡率が高いから、80%もの予備軍がいないと種族が絶滅してしまう。蟻社会はPMOがなくても補給できる仕組みができている。人間の社会でも、利用可能な社員の数以上の仕事を取ったら社員が病になるのは当然だ。
 そこでだ、この会社はPMOがあっても失敗率が下がらない。PMOに消火活動(トラブル処理)チームを常設し、隊員は定年退職者から募集する。しかし、これは予備隊だから絶対にプロジェクトを担当させてはならない。消火活動だけをさせるのだ。

B.仕事がうまくいっているときは遊んで暮らすんですね。

A.とんでもない。消火チームはトラブルが発生してからでは手遅れだ。受注時の過剰受注管理、リスク管理等のチェック、プロジェクト実施時にはファシリテーションエンジニアとして、早め、早めにトラブルの芽をつぶす予防消化活動を実施してもらう。トラブルが発生してからの消火活動より少ない人員で処理できるから、このシステムは有効だと思うよ。

B.タテマエでしか機能しない組織より、ホンネで機能する組織はいいですね。

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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