第57回(2011.10.07) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その57
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(7)
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)―緊急時の対策― −11年09月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(7)―緊急時の対策― −11年10月号


A.先月の君の話は面白かった。とても素敵な発想だと思う。日本人はこんなに素晴らしい国に生きていながら、日本のよさを知らないことは悲しいことだね。

B.先生、なぜ、マスコミは人や組織、日本の欠点ばかり言うのでしょうね。子供にお前はこんな欠点がある、ここが弱いといってばかりいたら、その子供は立派に育つでしょうか?

A.多分、育たないと思うよ。

B.ではどうしたらいいのですか。

A.人の優れたところを捜し、褒めることだね。そうだ。今日は日本のよいところを2人で探してみよう。探すに当たって一つ大切なことがある。大震災以降の日本は従来とは違った視点で良さの基準を決める必要があると思う。従来と同じ価値観でものを見ると、日本は大変不利になるとおもう。マスコミが悪口を言うのは、マスコミというエリート集団が発想の転換ができていないんだな。というより、マスコミは悪口がまだ国民に評価されていると勘違いしているのかもしれない。マスコミのこの評価基準を変えないと、日本は破滅するしかない。日本人も週刊XX、週刊YYなどを買うのを止めたらどうだろうか。

B.今、第三次補正予算を早急に国会で成立させたい。被災地の復興を急ぎたいと皆思っています。しかし、自民党は小沢問題が先だといっています。自民党は民主党のあら捜しが、自民党に有利になると、被災者救済より優先順位を高くしています。小沢問題は逃げてなくなるわけではありませんから、私なら、被災者問題を優先しますが、いかがですか。

A.日本人は几帳面で、少しでも引っかかる問題があると、立ち止まって、細かい問題を処理しようとする。この種のプロマネ(プロジェクトマネジャー)は失敗タイプのプロマネという。プロジェクトで最優先は時間なんだ。実はグローバル社会でも最大の優先順位は時間なんだな。日本のエリートは優先順位という概念に乏しい。20年間問題を先送りしている。この差が日本の競争力低下に繋がっている。

B.わかりました。そのとおりですね。先生は今回日本のよいところを拾い上げようと言われました。それも結構ですが、よいものを取り上げても、過去の評価基準で問題処理をするなら、過去への逆戻りになると思います。先生、この20年間で日本が遅れをとっている問題の核心の話をしてもらえないでしょうか。これが評価基準を変える最大の起点となるかもしれません。

A.云われてみるとその通りだ。君達の今後のプロジェクトを楽しくするには、問題点を的確に捉え、反省し、評価基準を変えて再出発する必要がありそうだ。1990年代中ごろからの世界の変化と日本の対応をおさらいしてみようか。

B.先生、是非教えてください。

A.「グローバル社会の変化とその問題点」をテーマとし、2,3回説明しよう。読者の皆さんにもわかりやすく、番号をつけて話を進めよう。

(1)インターネット普及の時代
 誰も知っていることだが、インターネットの普及によって、世界が革命的に変わってしまった。
 1)権力の構造が変わった
アルビン・トフラーという未来学者がパワーシフトという本を書いた。権力は武力の時代、金力の時代、知力の時代と変化しているが、何時の時代でも権力は情報によってもたらされているといっている。では情報がもたらす権力はどこから生まれるか考えてみよう。@情報を捉える能力、A利用する能力、B発信する能力の総合力によって定まる。

B.わかりました。@とBはブロードバンドで只同然となったので、国の資金で情報を集め、金のかかる発信ができた官僚やマスコミの地位が下がり、安売り商品の情報が出回ったことで、商品の値崩れを防ぐことができなくなった製造業の地位がさがったことですね。そうすると情報を利用する能力がグローバル社会での競争力の鍵となりますね。

A.さすがだね。その通りだ。利用する能力には2つある。@デジタルの持つ特徴をいかに利用するか。A新しい時代にふさわしい価値創出できる情報とは何かを理解し、実行できる能力ということができる。
 このところを説明しよう。米国は1980年に日本の製造業に敗れた無念を晴らすためにマルコム・ボルトリッジ賞を創設した。米国はここで日本に勝つには経営の品質を上げることを誓った。その第一がデジタルの持つ価値を最大限に活かし、イノベーションを図ることと経営者は理解し、経営のデジタル化の動きが活発となり、これが日米逆転の決め手となった。詳細は次回のお楽しみとしよう。

B.先生、面白い所で、次回のお楽しみですか。紙面の都合があるから仕方ないですね。




以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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