第41回(2010.06.08) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その41
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(6)
〜「How toの時代からWhat toへの転換」
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所

−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」  10年01月号       
−「働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!」  10年02月号         
−「アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる」− 10年03月号        
−How to の時代からWhat toへの転換−10年04月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年05月号
−How to の時代からWhat toへの転換−         

B.5月号では「強かった日本の製造業は技術で勝ちながら、グローバルビジネスで韓国、中国に負けたわけ」を聞きました。日本人は「ものづくりはうまいが、売りたいお客さんが何を求めているかということに関心が薄い」ことがわかりました。政府も、マスコミも、ものをつくることにしか関心がないこともわかりました。また、新興国の人々相手の商売では、日本に居を構えてのビジネス手法は通用しないことも理解できました。 
さて、そうなると、何か新しいビジネスを国内で立ち上げる必要があり、日本にはその 宝が埋蔵されているという話を聞きました。今月号は宝探しの話が聞けるとわくわくしています。

A.少し、ほらを吹いたかもしれないが、日本には宝が埋蔵されている。ただし、日本人がそれを宝と感じていないんだな。

B.なぜですか。

A.日本のエリー層には戦後から一貫して求めたいものが、何時でも米国にあると考えている。そして、自分で新しい価値をつくり上げるという発想を持っていない。私はこれを「米国に劣等感を持ったエリート」と命名している。有名な一橋大学の経営学の名誉教授が昨年「私は長年アメリカ出羽の守(アメリカではこれこれだと人々を説得する)を信奉してきたが、これからは止める」と宣言された。米国を追従する時代は終わったという宣言だ。誤解がないように言っておくが、「ものづくり」がなくなったわけではないよ、米国から学ぶことがなくなったわけではないよ。しかし、「私たちも、生活様式で、世界のトップまで登り詰めたわけだから、自分たちも考えて発信しようよ」ということを提案したいんだな。

B.何か良い方法がありますか。

A.簡単ではないがあるね。それは「コト」づくりだ。日本語では物事というがその意味はわかるかね。

B.物事とは諸事万端のことですかね。

A.その通りだ。物事とは実はモノとコトで構成されている。わかるかね。コンピュータの世界ではモノはハードウエアという、モノを動かすものがコトで、ここではソフトウエアという。今はハードウエアをつくっても値段が下がって利益が出ないので、IBMなどはハードウエアから撤退してソフトウエアで食べるようになった。
私の主張は「コト」の開発だな。「コト」の開発で重要なことは、「コト」が主役で「モノ」は脇役だということだよ。ピアノを持っていても、美しく演奏できなければ役に立たず、芸術家が演奏するから価値が生まれるということだ。

B.「コト」とは意外と難しそうですね。芸術家がいても素晴らしい作曲家がいないと「コト」は評価されませんね。

A.これはまいった。その発想は面白い。「コト」とは「コト」+「コト」とことこと煮詰めないと素晴らしい価値をつくることができないかもしれない。

B.例えばどんなことでしょうか。

A.日本人が世界の食文化をどんどん変えているのかもしれない。米国はベトナム戦争で日本のカップラーメンのお陰まけたのかもしれない。ベトナムのゲリラはこの携帯食品で勝ち抜いた。回転すしも、日本食の普及に貢献した。これは新しい日本文化の輸出だよ。

B.文化を輸出するとどんないいことがありますか。

A.それはいい質問だ。昔からフランスは「文化は売りもの」と考えていた。ファッションが売れているよね。観光があるかな。昔はフランス映画をよく見たものだ。文化を売って歩いたのが米国人だな。米国映画は世界を制覇した。米国人は世界を向いて映画をつくっている。文化が認められると、人々が日本に集まるようになる。するとまた新しいアイデアが出て、さらに文化が進化するという好循環がうまれる。

B.それは食べ物だけですか。

A.日本人の携帯電話文化が面白いと思っている。電車に乗ると皆、携帯電話を取り出して見ている。1時間も見たり書いたりしている人がいる。調べてみると利用内容が豊富で、若者の生活様式がどんどん変わっていくような気がする。日本の若者文化に同調するアジア人が増えてくる。日本には目に見えない資産があるから、彼らには魅力に写るようだ。

B.なるほど、外国人に言われてみると日本には素晴らしいものがたくさんあるようですね。これを活かせということですね。

A.その通りだ。米国人は金儲けが生命だから、素晴らしいとわかるとすぐ金儲けできる「ビジネス・モデル」をつくりあげる。日本でもビジネス・モデルをつくりあげることが大切だ。しかし、米国出羽の守の日本の支配層は汗水を流さないね。これではグローバルで勝ちことができない。ここがネックだよね。

B.わかりました。私たちで日本の宝探しをしましょう。そして自分たちの生活が楽しくなるようにしましょう。


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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