第145回(2019.03.01) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その145
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(59)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(47)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月はIさんからP2M的戦略の話を聞いた。単なるPM(プロジェクトマネジメント)と異なり、新しいことを始める場合は、関連する組織体がコンソーシアムをつくって仕事を進めると、選ばれた企業はその分野の第一人者で構成できる。1社で実施する場合はすべての領域でNo.1になることは難しい。その意味でコンソーシアムが条件的に有利になる。

コンソーシアム構築する他の優位性は、1社が提供する必要な資金が減り、同時にリスク低減もはかれる。P2Mは結構な仕組みだといえるな。

I.その通りです。そこで私はこの町が最も望ましい発展を遂げるには、この町の総合戦略で掲げた『子育て環境の整備』に着目しました。町の再生で最も望ましいのは人口の低減の程度の阻止です。難しい課題ですが、再生協議会はこの町の持つ優位性を見落としてしまいました。

A.それは何かな

I.人口減少で困るのは誰でしょうか。

@町役場です。近未来に役人の減少を要請されます。予算が減少されます。町の第一課題がこの点に集中されています。
A小学校が消滅されます。ここの住民は遠路にある小学校への転校を余儀なくされます。
Bこの町の幼稚園、保育園です。遠からず経営困難と直面します。
C県の住宅供給公社のアパート群の空き家率が50%を超えています。持ち家世帯の空き家が目立ってきました。

Aさんこの現象を見てあなたなら何を優先しますか。

A.私なら公社の空き家率低減を考えるな。@〜Cまでみると、町役場と小学校は再生協議会の範囲外だな。公社ならアパート群のリフォームで、利用者が出てくるとおもう。幼稚園群もじっとしているわけにはいかない。だが、誰がこの大切な町の最大な問題をどのような視点から課題化するかだな。

I.Aさん、再生協議会で全く理解してもらえなかったのがこの点です。再生会は【モノ】をつくって対策をねることを考えています。しかし、今は、どのような【コト】をすることで問題を課題化することができるかだと思います。今私たちが求められている【価値創出】とは難しいことではなく、課題化することだと気が付いて欲しいのです。

A.Iさんの考えた問題解決とはどのような課題解決なのか説明してくれないか。

I.困っている問題が何かわかれば、発想をその問題解決に絞ればいいのです。

A.Iさんが考えた課題解決は何だったのかな?

I.近年の国の政策で若者の収入が減らされています。正社員を増やさずに、派遣社員で代行しているため、若者は結婚もできにくい状況です。また、日本の企業を見ると、残業のない企業は少数派です。現状は共稼ぎでないと食べていけませんが、残業できない共稼ぎ家庭は就職できません。ここに課題解決の芽があると考えました。

A.どのような課題解決があるのかな。

I.課題1.私は公社の存在がこの町の宝物と考えています。公社に共稼ぎ家庭用とシングルマザー用のリフォーム住居を企画し、あえて、両者の入居公募して欲しいと願っています。これらの入居候補は保育園の送迎で困難しています。この町は下記に示す支援で送迎の困難を解消する提案をします。

課題2.再生協議会地域には町の老人会が存在します。私は再生協議会が実施している一地域の老人会長をしていますが、この老人会のメンバーは知的レベルも高く、残業等で保育園児の送り迎えに支障をきたす家庭の方々のために、送迎に協力するコミュニティをつくることが可能だと考えています。この提案は保育園児の送迎問題解消という価値を提供し、公募の価値を高めることができます。さらにはこのコミュニティは老人グループと保育園児、その親で構築され、この交流が新しい地域の人々の絆を高め、老人にとっても大きな価値創出になります。(幸福感の増大につながる)。

A.Iさんの発想はこれらの組織群がコンソーシアムをつくり町行政とのバランスを図りながら、再生協議会を運営するという仕組みを提案したいということだな。
これは簡単ではないが、方向性としては理想に近い。Iさんの意見もきかず、議論もせずに採用されないというやり方では、正しい協議会の成果は得られないということを理解した。

I.その通りです。

A.来月は、これらの課題の問題点を考えてみるのも面白い。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
 
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1

 
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