第62回(2012.03.09) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その62
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(5)―
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換

「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)―緊急時の対策― −11年09月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(7)―緊急時の対策― −11年10月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)― −11年11月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(2)― −11年12月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(3)― −12年01月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(4)― −12年02月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(5)―


B.先生、先月号で官僚組織は宝の山だといわれました。それは何ですか。

A.日本で一番予算を持っているのは何処かね。官庁だろう。日本のカネの50%は官庁経由で動いているんだ。官庁は民間と比べて効率的か。

B.誰も効率的と考えていませんよ、先生。縦割り組織で無駄なカネの使い方をしています。

A.その通りだ。官庁が非効率なのは組織が縦割りで、お互いの領分を侵さないという不文律がある。

B.先生、大会社だって縦割りですが、最近は領域を超えて一緒にプロジェクトをつくって処理していますよ。

A.それはなぜかね。

B.この厳しい社会情勢の中で、社内で権利の主張をしても、競争に負けたらお仕舞です。今は大企業病の心配は要りません。ですが、倒産しない官庁は危機感がなく、彼等の規則を変えるのは難しいのではないのですか。

A.もし、官庁が縦割りの壁を破ることができたらどうなると思うかね。

B.農水省と経産省で農業促進のプログラムを共同で実行できますね。農地を遊ばせて、補助金を農家に払う代わりに、経産省の持つ技術を活用して、輸出用の高級野菜をつくり、その輸出で、格安農産物を買えば、結果的には農業の自給率は上がります。農水省の政策では農家がなくなりますが、工業化により若手が農業へ参入し、後継者問題を解消できます。一つ成功すると、次々と新しい発想が生まれ、考えられなかった新しい産業が生まれてきます。

A.君はなかなか素晴らしいことを考えるね。農業だけではない、医療関連のビジネスも工業化で飛躍的に伸びるかも知れない。しかし、官庁は病院は金儲けを禁じている。経営能力のない医者が採算を度外視し、高価な検査設備をいれるから最近は検査、検査で医療費が増えている。医療と経営を分離すれば、日本の医療ビジネスは飛躍的に進展する可能性がある。官僚は昔から金儲けをする民間は悪いことをするという思い込みが強い。日本の企業は顧客関係性を大切にしているから問題はない。問題なのは金儲けの能力のない官僚支配の機関がどんどんつぶれていくことだろう。 

B.実は最近エリート大学の卒業生で官庁を敬遠し、外資に就職するルートが出来上がっているようです。自信のある学生は外資で働き、グローバル感覚とビジネスを体験します。給料は官庁の2倍です。入社後直ぐ重要な仕事を与えられ、3年たつと官庁の友達と実力で格段の差がつきます。官庁の若手は外資組みに負けまいと、MBA取得のため留学しますが、古巣へ戻ってもMBAの仕事がなく、外資へ転職するルートも増えています。これは内部崩壊の芽かもしれません。
A.人間は天下りするために就職はしないから、この組織はこのままでは衰退するな。しかし、国民とするとこれでは困る。国の機能が止まると国民は1日も安心して過ごせない。その意味では官僚機構は立派に機能している。国の戦略や外交はすべて政治家の仕事だ。政治がだらしなくて官僚を非難するのも問題といえる。しかし、官僚組織が生き生きとなる仕組みがあれば、これに越したことはない。君が提案した各省庁の壁を打ち破る省庁連合プログラムを試しに実行させ、若手の実力を強化すると若手が組織改革のパワーとなってくれるかもしれない。

B.省庁合同プログラムが盛んになると、各省庁が獲得している予算を統合して活用できるため実質的に成果の高い結果を得ると思います。

A.なかなかの見識だな。一度成功すると若手は弾みが付き、官庁から多くのベンチャーが育ち、日本は又活力を取り戻すことは間違いない。

B.そのように考えると官庁には宝が埋もれていることがわかります。

A.わかってくれたか。しかし、現実はなかなか厳しいよ。

B.厳しいことはわかりますが、特にどのようなところが厳しいのですか。

A.私は長年グローバルビジネスに関係していたが、日本人の常識が極端にグローバル感覚と離れている。これは官庁だけではなく、一般の日本人のグローバル感覚が違うんだな。日本の顧客はわがままで、無駄な要求が多い。これを是正しないと、日本人は本当の意味で幸せになれない。

B.なるほど、ある程度理解できます。それで、どのようにしたいのですか。

A.このメルマガを1年間かけて、「グローバル常識を学び、プロジェクトを楽しもう」としてみたいと考えている。君の意見はどうかね

B.それは楽しみですね。

以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
  (2)     (3)   (4)    (5)   (6)   (7)    (8)   (9)   (10)    (11)   (12)   (13)   (14)  
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