第137回(2018.06.22) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その137
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(51)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(39)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月号の話は、老人会メンバーの幸福論であった。Iさんの話を聞いてみると、それほど困難ではなさそうだ。まずは会長としてのIさんが、会員から如何に信頼されるかにかかっていると思うが、Iさんの考えは如何かな?

I. この町の老人会を自分なりの信念で実行するには、町が考えている健康論だけでは不十分だと考えていたところ、最近エリック・バーカー著橘玲監訳の本で『残酷すぎる成功法則』という本を読みました。競争の激しい世界情勢の中で勝利を収める厳しさは理解できるが、読んでいるうちに気分が滅入ってしまいました。このような本が多く出版されてきたのは、未来に対する不安が見えてきたからだと思います。しかし、未来の研究をしたからといって、幸福論が不要になるとは思えません。私が幸福論を持ち出したのは、近年の世界情勢が行き詰まり状態となっているからだと思います。

それに対し、日本国内は海外の状況とは反対に、危機感を持たずに、目先の楽しみを謳歌しています。しかし日本の現状は国民の貯金が国債発行で食いつぶされているのに、銀行には自分の財産が残されているので、食いつぶされたという実感がありません。しかし、本を書く人々は先見の明がある人々です。大変だといわずに、万が一の場合でも幸せになるすべを知っておけと書いています。

A.Iさんが言いたいことはわかった。『残酷いすぎる成功法則』という本を読んだ後、この本の監訳をした橘玲氏の本を読んで考えが変わったというわけだ。

I.幸せに関する本はおおむね抽象論です。ところが橘玲氏が描いた幸福論は実践的で具体性があります。我々で実践できるところが気に入りました。
『幸福の「資本」論』:あなたの未来を決める「3つの資本」と8つの人生パターン」がある。

1) 幸福の3つのインフラ(幸福を設計する土台)
いまや幸福は設計できると断言しました。3つのインフラです。ここではインフラを「資本」と「資産」で表現しています。「資本」は富を生み出す力、「資産」は富を生み出す方法で、コインの裏と表の関係で同じと考えます。
この幸福論は日本人の定年(65歳時点)後の人生の幸福論を論じています。
@ 金融資本:あるいは金融資産:
定年後金融資産が1億円あれば、幸福に暮らせるインフラを持ったことになる
A  人的資本:あるいは人的資産:
亭主、あるいは共稼ぎ夫婦が持っている稼ぐ能力が年間1,500万円あれば、定年後十分な年金を獲得でき幸福に暮らせる
B 社会資本:あるいは社会資産:
社会資本とは所属する共同体(家族、友達等)からの絆としての愛情や友情といった富を得ている。この関係性が強い場合は幸福を勝ち取ることができる。

2)人生の8つのパターン(幸福の製造装置)
人は金融資本、人的資本、社会資本を「運用」することで“富”を得ている。
人生の生き方のパターンを8つに分類し、評価してみる。
@プア充:典型的な事例は地方在住の若者で収入は貧困ライン以下で貯金もないが、多くの友達を持っているため貧困感がない。
A 貧困:@の事例で、何らかの理由で「友達ネットワーク」から外されると「貧困」に陥る
B リア充:資産を持っていなくとも、高収入が得られる職業を持ち、友達、恋人のいる若者は人的資本、社会資本を持つリア充とよばれる
C 超充:金融資産、人的資本、社会資本を十分持つ人で、超充実している。
  お金持ち:金融資産、人的資本はあるが友達がいない。お金持ちは面倒な人間関係をつくりたがらない。たかられるのを極端に嫌うから。
E 旦那:金融資産、社会資本をもっているが人的資本を持たない人々
F 退職者:金融資産だけを持ち、人的資本、社会資本を持たない
Gソロ充:人的資本だけあって、金融資産や社会資本を持たない人たち
  典型的なのは駆け出しの自由業者

3)幸福の製造装置
我々は工夫の仕方で幸福の製造機を動かすことができる。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
 
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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