第60回(2012.01.13) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その60
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(3)―
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換

「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)―緊急時の対策― −11年09月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(7)―緊急時の対策― −11年10月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)― −11年11月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(2)― −11年12月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(3)―


B.新年おめでとうござ゙います。先月号で、先生は私に宿題を出しました。世界中の国が日本に期待している問題がある。それはいずれ自分たちの問題となる、少子高齢化で起きる問題をどのように解決するかということでした。これは私に対する情報収集、情報活用力のテストだと思いました。そこで先生をぎゃふんと言わせるように面白そうな本を買いました。
A.それは何かね。

B.先生、知りたいですか。当ててください。

A.それは無理だな。

B.勝間和代著「まじめの罠」と古賀茂明著「官僚を国民のために働かせる法」です。

A.これは面白そうだね。宿題に貢献したかね。

B.前者は昨年の10月の出版で、後者は11月の出版です。期待しました。20年前の日本は世界中に恐れられていましたが、何故、こんなに駄目になったのか考えました。「まじめの罠」は面白い本でした。内容の深い本を正しく伝えることは難しいので、あえて自分に都合の良いところを使わせてもらい、自分の意見を加えてみました。

 ●言葉の定義から入ります。「まじめな人」とはどのような人か?
 @「与えられた課題設定に疑いを持たない人」、別の言い方をすると「与えられたものに対して逆らわない人」。
  考えてみると子供の時からはじまり、会社でも上司の考えに逆らわないことを続けてきました。そしてその状態が安全で居心地良いことも確かです。私達はこの状態に塩づけになっていました。
 A日本で広く信じられてきた発想があります。難関を突破してた東大合格者への評価です。その中から更に難しい公務員上級試験に合格した官僚は自他共に優れた人間として評価されてきました。

 ● まじめな罠の一例:@の人は会社でも、社会人としてもまじめにやっていると言う自負がある。彼らは、まじめな態度と引き換えにリスクをとらず、Aに対して絶大な信頼を置き、彼らに将来を委ねてきた。
次にAの立場である「お上」の側は「信じてくれる人を裏切れない」という心理が働き、絶対誤りはしないという「無謬の存在」としての信仰ができあがっていた。

 さて、頭のいい人は直ぐ気がつくのですが、「お上」も人間だから過ちを犯しますが、「無謬の存在」のため、誤りに気がついても、途中で変更できなくなります。福島原発事故の例ですが、東電は半年前に10.5Mの津波が来るという計算が出たが、対策を講じると周囲の住民の信頼を損ねるとこれを無視したと言っています。更に不思議なことに震災の3日前に経産省に計算結果を提出したことになっていますが、常識的に考えると東電は計算結果を半年前に経産省に出したが、国は過ちを犯さないと言う「無謬の存在」のために3日前に受理したと責任を転嫁されたと推論できます。

A.鋭い推理だね。それで古賀さんの本はどんなことを書いてあるの

B.役人は国民を向いた仕事より、省益として「天下り先つくり」を優先していると言っています。私が思うには「国は優秀な人材を採用して仕事をするため、人事の停滞は老害の温床になるとの発想で、民間の定年と異なり50歳頃には同期の役人全員が退職する仕組みを設けました。そのため退職者の職場探しが、役人にとって切実な問題となります。国民のためより先に、省内の役人を守るが優先順位になります。問題は「長年の自民党長期政権の中で、役人としての「まじめな罠」で、政官財を含めた既得権益構造をつくり上げた」ことです。

A.その論理もよくわかるが著者は何か提案しているはずだよね。

B.その通りです。しかし、その提案を書いたところで、自分たちがしなければならないことは変わりません。私が考えたはっきりしたことを申し上げます。

A.それを是非聞きたいね。

B.役人にも問題はありますが、国民は「まじめの罠」から抜け出すことです。まず、最初に考えを改めることは「役人はエリート大学を出たが、世界的に評価されたエリート大学でなく、入所後も責任をとらない仕事で、熾烈な実戦経験をしていないから、お上として期待しない方がいい」と言うことです。大切なことは自らが立ち上がることです。今の日本の閉塞感は既得権益者が新しいビジネスをつぶしているからです。まじめだけでは新しいビジネスを生むことはできません。時間がかかりますが、規制を取り払う努力で世界が注目している、少子高齢化関連ビジネスが花開くことでしょう。既得権益者も目覚めれば、新しい世界で長く生き延びることができるので、仲間であるはずです。これが震災と言う「負の出来事」を、震災を「ゼロから出発できる利点」と考え、新しい世界を築くチャンスに切り替える気迫が求められます。



以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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