第68回(2012.09.11) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その68
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」
―ビジネスの基本に戻ろう(6)―
−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−変わる基本、変わらぬ基本の理解−
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― 12年04月

「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(2)― 12年05月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(3)― 12年06月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(4)― 12年07月
「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(5)― 12年08月


A.今月は安全と保険の話をしましょう。
私は宇宙の仕事をしたから、「宇宙開発から家庭まで」の安全というテーマで論文を出した。先月は宇宙開発、原子力発電所、大型石油系プラント、航空機、列車、自動車、そして家庭で、何が最も危険かと質問した。

B.覚えています。すでに起こった原子力発電所の問題はさておき、@多くの場合危険を発生するモノ(機器)は機能を発揮すると同時に危険を起こす可能性を持っている。そこでこれらの機器は、危険と感じたら機能を止める方向に予防措置が施してある。これを「フェールセーフ」という。危険が発生すると安全な方向に自動的に持っていく設備が備えてあることをいう。しかし、すべて絶対というものはなく確率的には0ではないということを認識してほしい。
 そこで、安全性の許可を与えるための基準は、十分と思われる安全対策を講じた設備の災害発生率が天災で起こる確率より、より少ないことが条件の一つになっている。

A.よく、覚えていたね。それで何がもっとも危険だとわかったかな。

B.自動車が一番危険だということがわかりました。私たちは危険を感じたらブレーキを踏んで停止します。それで衝突、追突の危険を避けられますが、今度は他車から追突される危険性があります。それだけではありません。運転の未熟な人による事故、法令を知らないことによる事故、人為的な事故が圧倒的に多く存在します。したがって自動車による事故率がもっとも高いといえます。

A.原発反対の皆さんがなぜ、そのような危険性の高い乗り物に乗るのかな

B.それは便利だから乗ります。原発は代わりがあるが、自動車は代わるものがないから使います。

A.納得して乗るならは安全率が低くてもいいというように聞こえるがそれでいいのかな。利便性が高くてもご主人をなくした家族は生活に困るね。それでもいいのかな。

B.忘れていました。保険があります。死亡に対する補償があれば何とかなります。それに自動車会社は安全に種々の危険防止対策を今進めています。

A.なるほど、君はいい点に気がついた。100%防げなければ、危険率の低さを保険で補うという発想だな。すべてを2面で考えると絶望から脱却できる。では、次の質問をしおよう。車の台数と事故は比例しており、事故を防ぐことは難しいようだ。そこでドイツは国を挙げて車の安全だけでなく、生命の安全に取り組んでいる。メルセデス・ベンツハは事故を起こしても人が保護されて、死亡率が少ない車を提供するということをブランド化している。ベンツは車体が堅固で人命救助対策が施されている。ガソリンの値上がりを気にしない金持ちは、ベンツを購入している。

B.わかりました。金のない貧乏人は自分の命より、省燃費の軽量な車体の車を選ぶとい選択があってもよいということでしょうか。

A.では、君は飛行機に乗るかね。乗るならば飛行機はこわくないのかね。

B.出張ではよく利用しています。飛行機は快適ですから好きです。

A.飛行機の安全は何によって保障されているかね。

B.技術進歩の早い現代です。心配していません。

A.では、再度質問する。飛行機の機能とは何かね。飛行機が機能を止めるとどうなる。

B.飛行機は空を飛んで、人や物を運ぶための機能を持っています。飛ぶ機能を止めると墜落します。

A.原子力や自動車はいろいろな安全装置を取り付けることができるが、飛行機は重力との戦いで、飛行機を更に安全にする設備を増やすと、人も貨物も乗せる能力がなくなるので、過剰な安全対策は不可能だ。あるのは全部品や組み立て技術、運転技術等を総合した信頼性に依存している。そして信頼性の確率にしたがって、事故は発生していることだ。

B.飛行機に乗るときは落ちたときの対策として、家族のために保険を掛ける必要がありますね。
A.そのとおりだ。君が海外出張中に飛行機事故で死亡したと仮定すると、君は生涯賃金以上の一時金を奥さんに提供できる。備えあれば憂いなしだな。


以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)   (3)  (4)  (5)     (6)   (7)    (8)   (9)    (10)  (11)   (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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