第56回(2011.09.06) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その56
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)
−What toからHow to enjoy project managementへの転換−
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所


−What toからHow to enjoy project managementへの転換
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)−11年04月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― −11年05月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(3)―緊急時の対策― −11年06月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(4)―緊急時の対策― −11年07月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(5)―緊急時の対策― −11年08月号
「プロジェクトを実践して楽しもう!」(6)―緊急時の対策― −11年09月号


B.先月は先生から「日本人の持つ資質は非常に高い。そこで自分たちの未来は自分で考える時代になった。君だったらどうする」と、私に振ってきました。その前に私にも意見を言わせてください。

A.是非聴きたいね。

B.日本人の資質を言う前に、日本は世界有数の災害国だと思うのです。地震、台風による風害、水害、地崩れ、火山による災害、日常的に起こる火災があります。その意味で日本人は災害慣れしていると思います。しかし、見方を変えると、自然の恵みを日本ほど受けている国はないと思います。水に恵まれ、山は緑に包まれ、四季に恵まれています。雪は天然のダムです。火山は温泉を提供してくれます。日本が自然から得る恵みは、災害による損失より数倍も大きいと思います。まず、このことを感謝しましょう。次に海に囲まれています。海の幸を獲得しています。それに海は天然の堀として国防に貢献して来ました。このことが日本の宗教を穏やかなものにしていると思います。

A.なるほど。その通りだね。

B.まだあります。欧州は地震も台風も少なく、自然に恵まれています。しかし、異民族との戦争に明け暮れています。砂漠で生まれた宗教は厳しく、妥協を許しません。今や、種々の戦争は宗教間の争いが主流になっています。生きるすべを求める宗教が、殺し合いの宗教となっています。これらの人災に比べれば、天災で死ぬ人の数は決定的に少ないと思います。この点を考えると日本人は恵まれた国民といえます。

A.君は鋭いことを言うね。しかし、考えてみるとその通りだ。

B.先生が先月私に振ってきた問題を考えて見ました。一生懸命考えたら、簡単なことが見えてきました。

A.それは何かね。

B.日本に「エリート」がいないということです。戦後、日本のエリートと呼ばれる人たちは、米国のまねをすることで、その地位を築きました。彼らは「やさしい英語」を「難しくきこえる日本語に翻訳し、権威を確立しました。しかし、このエリートは米国モノを学び、日本流に置き換えることを現場の人たちと協力して実行し、日本の製造業を世界一に押し上げました。
1990年まではこの手法で成功しました。その後米国が製造業を新興国にシフトしたために、日本の「エリート」はなすすべもなく、国債を発行して今日まで来てしまった気がします。言い換えるとエリート大学を卒業し、失敗しないでエリートの地位に着いただけで実力がないことに問題があります。残念ながら日本の社会では部下に優秀な社員がいても、上司の能力以上の力が発揮できないという不文律があります。この例は日本の企業でMBA取得者が活躍できず、辞めていくケースが多いと聞いています。

A.ご意見は尊重するが、その論理だけでは日本はよくならないよな。本当は何を云いたいのかね

B.私の意見は、日本人はリスクに立ち向かって、リスクを吸収する仕事をしようということです。今のエリートはリスクをとらないことをモットーにしています。この習慣を脱却しないと何もできません。

A.かなり過激になってきたね。

B.過激ではありません。簡単なことです。正しく反省する機会を彼らに与えることです。

A.例えばどういうことかね。

B.原発問題を例に挙げましょう。原発で事故が発生したから、原発は止めましょうという議論はリスクを取らない理論で、この発想はグローバル競争で勝てません。これから益々石油資源は不足します。日本は核エネルギーを持っているからエネルギー危機に対処してきました。太平洋戦争前に、米国の指導で日本へ石油輸出が禁じられました。日本は備蓄が2年を切ったことで、戦争に踏み切らざるを得なかったことです。エネルギー政策に失敗すれば日本経済は大混乱になります。感情的でなくしっかりとシミュレーションし、その結果を公開し、国民の判断を仰ぐべきと思います。

A.なかなか優れた意見と思うが、反省とは何を指すのかね。

B.紙面の都合で来月お話しします。

A.このコーナーも主客転倒の観があるな。旧エリートに対する抵抗かな。

B.そうなると面白いですね。



以上


プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)

第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1) 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)  (9)  (10) (11)   (12)

第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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