第150回(2019.07.23) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その150
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(64)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(52)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.6月号では、今Iさんが直面している問題を支援するような優れた本が2冊出版された。【天才を殺す凡人】(本年1月出版)、【優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか?】(本年4月に出版)アマゾンからの依頼で両者の書評を書いたそうだね。

I.その通りです。私が書評を書いた理由は、「今の日本的ムラ社会が存続すると日本の経済は破綻するだろう」ということです。理由は自己の領域外から多くの収益を上げる発想がないからです。

A.その理由は何なのかね!

I.日本の産業は終戦で絶滅しました。しかし、幸いなことに朝鮮戦争が勃発し、連合軍からの特需がはいり活気を呈しました。人手不足のため、素人を大量に雇用しました。
日本企業はこれら人材が他社に逃げられないように、終身雇用を保証しました。海のものとも山のものともわからない新人を定年まで保証する発想は欧米にはありませんでした。欧米では即戦力になる人材のみ雇用し、不景気になると過剰人材は解雇されます。

A. それでは、雇用者の保証がないではないか。

I.米国にはそれぞれの職種別に労働組合があり、労働者は職種別の組合に登録されます。企業は必要な雇用者を労働組合から派遣してもらい、雇用契約を結びます。不景気になると解雇されますが、労働組合にもどり、そこで失業保険を受け生活します。

A.米国の労働者は職業別の労組と契約し、日本の労働者は企業と契約し、しかる後に企業内労組に所属するという方式かな。

I.簡単に言いますとその通りです。ですが大きな違いがあります。米国の組合は専門職ですから、役員にはなれません。日本は終身雇用の階段を上るたびに種々な部門を渡り歩き、役員になることができます。この日本の組織は経験者がその経験を活かして経営を行う仕組みになっています。

A.優れた経験者がその知恵を働かせて経営するから企業は伸びるのではないかな!

I.日本は朝鮮戦争以降ではベトナム戦争があり、この外需の大きさで1990年には世界1の製造業国家になりました。同時にソ連邦が崩壊しました。

A.資本主義も冷戦から解放され、新しい世の中ができる兆しが見えたな!

I.米軍が使っていた通信方式が世界の通信網として世に出されました。

A.なんという名前なのかな

I.インターネットといいます。1995年にはグローバルなネットワークができました。このネットワークがどのような発展をするか、大きな期待が持たれました。経営のIT化とグローバル化への展開です。これを当時はDBD(Digital Business Design)と称し、米国の大企業はこぞって成果をあげましたが、紙面の関係で重要な点だけを紹介します。

A.デジタル経営と呼ばれているものだな。10倍生産性を上げた例など聞いた。

I.米国では、従来の経営をアナログ経営と呼び、新しい経営をデジタル経営と呼び、2000年ころから経営の質がかわりました。理由は多々ありますが、
@デジタル化すると今までより多くのコストが下がる。
A顧客の情報を組み入れると余剰生産・余剰在庫の調整ができる、
B入手した顧客情報、景気動向などの情報入手により生産管理をたかめることができ、これらの総合で10倍の生産性向上が図られました。

そのため日本も米国との後れをとり戻すため、IT経営に踏み切りました。そして米国企業のIT経営のソフトを購入し、実践に踏み切りました。
しかし日本の経営者は経産省の通達にもかかわらず、IT経営のためのビジョンを指示することができませんでした。このため日本では「経営の経験のない」IT技術者に「経営ビジョン」を任せることにしました。結果は経営経験のないITエンジニアに経営ビジョンを出す力量はありませんでした。その結果日本企業はやむを得ず昔のアナログ方式(稟議方式)に戻しました。従って日本の企業の経営は建前上としてIT経営ですが、実質的にはアナログ経営です。日本の経営者が経産省の通達にも関わらず、ビジョンを創り上げることができなかったのは、世界の情勢がどのように変化していくのか、勉強しなかったと思われます。それは経営者に危機感が全くなかったからです。

本件は次回話をしますが、財務省は景気が落ちると国債を発行し、景気が上がり大企業が潤った時点でデフレ対策をする。そのため国債景気の余剰金が大企業に保管され国民に還元されない政策で、大企業経営者に危機感がなく、「部下からの面倒な提案に蓋をし、今日に至っています」。これが【天才を殺す凡人】、【優れた発想はゴミ箱に捨てられる】の正体です。

A. それではグローバリゼーション下での日本企業の経営ありかたは将来性に期待が持てないことになるな?

I.私が直面している地域開発の再生協議会の幹部の方針は戦略的な方針ではなく、失敗をしないという方針に過ぎません。次回はこのような簡単な事例だけでなく、グローバリゼーション下での日本国の経営の大きな弱点をお話しします。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

 
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