第175回(2021.08.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その175
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1) 
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
第161回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(75)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(3)
第162回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(76)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(4)
第163回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(77)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(5)
第164回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(78)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(6)
第165回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(79)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(7)
第166回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(80)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(8)
第167回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(81)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(9)
第168回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(82)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(10)
第169回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(83)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(11)
第170回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(84)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(12)
第171回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(85)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(13)
第172回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(86)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(14)
第173回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(87)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(15)
第174回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(88)−再度「ジョブ型/雇用」と「メンバーシップ型/雇用」の相違とこれからの使い方
第175回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)

A. 8月号では1990年から2000年までの話とその後の発想について話してもらいたい。

I.ご希望の期間の話が全く難しいところです。その理由から話をします。まず、1990年に日本は製造業世界一になりました。国民にとって万々歳でした。そして昭和の末期になって著名な評論家竹村健一氏がつくば学園都市開発の成果として、財テクを強烈に推薦し、財テクをしないものは遅れた人材だとけしかけた。
この時期はゴルフの会員権が値上がりし、退職金を超える額にまで到達し、企業のほとんどと有能社員が財テクで業績を上げ始めた。しかし、この時期に日本は成長率が2%と不況になったが、官僚、経団連、学者は「経済成長率2%の危機」が理解できず、財務省はデフレ歓迎で、経営活動をしており、財テクを支持してきた。
理由はこの時期、ゴルフが盛んになり、ゴルフ会員権が急速に値上がりし、退職金より高くなったことで、企業幹部だけでなく、中級のサラリーマンも投資に入り、ウハウハを感じた時でした。しかし、1997年に山一証券の自己破産に始まり、バブルがはじけました。そして多くの日本人は多大の被害をうけた。
その時期米国はソ連邦を崩壊させた勢いで、グローバリゼーション活動に入り、軍需用に使っていた情報回線【インターネット】網を全世界に広げた。ここで情報にたいする国境がなくなり、米国のグローバリゼーションが活躍し始めた。

A. ここで何が起こったかが、問題だな!

    図1.☆志賀 桜著「タックスイーター」元大蔵省主税局官僚初版2014.12.
     

I. 日本の1990年代は何をしたのでしょうか? 事実はデフレに突入したのに、実際に行ったことは企業の大部分が財テクを始めました。1997年バブル崩壊で経営危機が起こりました。誰が考えてもグローバリゼーション対策どころではないというのが正解です。ではどうしたのかというと、まず倒産候補企業への対策です。新聞紙上ではそれらの報告はありませんので、自分で探すしかありません。

図1は1985年から2015年までの一般会計税収と歳出総額の図です。
日本は1990年製造業世界一になるまで、歳出総額と一般会計税収の差額が10兆円と健全な会計を保ってきました。
1995年になると成長率が2%になり、デフレがはじまり 税収が8兆円下がり、歳出総額が2兆円あがり、従来の国債発行額10兆円+10兆円=20兆円の国債発行となり、それが2000年には40兆円、2005年には30兆円、2010年には60兆円となっています。
ここにはグローバリゼーション対策費が入っていません。

A. 意図は別にあるということだが、ある意味で結論が出ているのか、別な面で大丈夫なのか調べないといけないな。
私の手元に田原総一朗責任編集、榊原英資(元大蔵省財務官)、竹中平蔵(小泉内閣経済・金融責任者)著【絶対こうなる!日本経済】
この国は破産などしない!? 初版2010年がある。
両者の結論は正反対である。来月号で表記して説明をお願いしたい。この本の内容を簡潔にいえば、消費税25%を3年後までに成し遂げると日本は成功するという案である。結論第7章絶対こうなる!10年後の日本

I. わかりました。問題点をあげてみましょう。
 @)国債発行ができるのは官が実施する案件のみである(日銀法)
官が認めたものとは官に金が入るのではなく、官が気に入った業界、企業という意味で、専門家の発言で気が付いたが、天下りを多数受け入れる企業という実績がある。(学・産・官による予算の独占化の弊害、産官の天下り契約予算の官へのリターン)

A. なるほど!なるほど!よくわかるに示す
A)図1に示す一般会計税収の減少、対応する歳出総額の決定
日銀で許可された案件だけが採用されるが、金額の決定権は財務省が決めている。
この時期はバブル崩壊で、救済する企業を誰が決めるかというと財務省である。
財テクで大きな損失を受けた企業群でゼネコンの土地財テクが多いことが新聞をにぎわしていたが、全社生き残り、震災被害の修復費用、オリンピック建設費がばらまかれて救済されている。救済はある意味で正しいがゾンビ企業倒産あるいは吸収合併がないと、国債利用が無駄になる。

本件はここで中止し、9月号で研究してみたい。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  
 
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(13)―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15) 

第174回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(88)−再度「ジョブ型/雇用」と「メンバーシップ型/雇用」の相違とこれからの使い方
第175回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)
第176回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(90)−日本人の奇妙な発想その2
第177回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(91)−日本人の奇妙な発想その3(ゾンビ企業の救済)
第178回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(92)
第179回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(93)
第180回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(94)
第181回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(95)−官僚という秀才集団の持つ素晴らしさと恐ろしさ
第182回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(96)
第183回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(97)−IT能力の差【米国の自信;日本「ホンネとタテマエ」という風習】
第184回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(98)
第185回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(99)−メルマガ  220618F3
第186回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(100)
第187回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(101)
第188回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(102)
第189回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(103)
第190回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(104)
第191回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(105)


 
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