第163回(2020.08.18) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その163
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(77)
―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(5)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1) 
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
第161回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(75)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(3)
第162回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(76)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(4)
第163回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(77)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(5)

A. Iさん、今年の5月に加谷珪一著【貧乏国ニッポンーますます転落する国でどう生きるかー】が出版された。読んでみると日本の競争力は世界30位でこのままでは没落すると、多くのデータをそろえて解説していた。その内容たるや日本は「がけっぷちだ」ということがよく分かった。メルマガリード8月号をご参照下のこと。
しかし、今日本政府や企業が行っている案件ではグローバル市場で競争に勝てない事態になっている。この問題をどのように処理するべきか考えてみてほしい。

I. 安部政権が実施している政策は具体的にはアベノミクスです。この困難を乗り切るために国債発行によるインフレ政策で事態を解決する努力をしています。詳しくは次回以降に回しますが、財務省は民主党政権時代に国民の社会福祉費等の費用を捻出するためと称して消費増税を取り入れました。この消費増税は数年ごとに増税する方式で実行されていました。同時に発行する国債は信頼できる官が関与するものに限って使ってきました。これは明らかにデフレ政策です。日本人は島国のため基本的に地味な性格で、国の経費節約に共鳴しています。

これに対し安部政権が発足して行った政策はインフレ政策です。この政策で安倍政権は国債を増発して、日本のGDP600兆円をめざしました。もし国債発行量を増やしてGDPが600兆円とになるとその金は国民の懐に入り、収入が600兆円になったことになります。両者を比較してみましょう。
財務省の政策は民主党の前政権が財務省の勧告を呑んで消費増税を国民から取り上げるデフレ政策です。日本のGDPは通常500兆円付近を維持していました。しかし定期的に増税しますから結果的に国民の収入が減ります。その結果日本の実態は国民の収入が下がり、失業が起こります。

では、その結果はどうなるでしょうか?失業者は就職できたとしても、非正規社員として就職することになり、最低賃金に甘んじることになります。日本国は最低賃金法を世界一安くしたことで外国人移民を容易に取りこむことができます。そこで雇用者は日本人の求職者にも最低賃金でないと採用しないと要求します。これは日本人をさらに貧乏にする政策でもあります。
 
A. 日本では昔から倹約が美徳だった。それは家の中の家計の節約であって、国の政策とすると失敗する事例が江戸時代にあります。松平定信の寛政の改革、水野越前守の天保の改革があり、更に経済が疲弊したことで改革は失敗だった。アベノミクスはどうだろうか!

I. アベノミクスに対しては頭の良い官僚の一方的勝利です。第一の矢は金融政策、第2が財政政策では、安部政権になってから国債が使えるようになりました。しかし、日本の製造業はすでに海外での生産が主で、GDPに加算されません。第3が民間投資策です。投資予算を大企業が請け負います。安倍総理は消費税増税を延期しましたが、国民はいずれ増税になるなら今買い物をしようとアベノミクスのインフレ政策に便乗して買い物をしました。このため市場では景気が向上します。二年たつと財務省から増税開始を要請されました。

A. 以前の安部政権であればこのインフレ政策の延長したはずです。ところが増税を受け入れた。

J. この結果インフレ政策が功を奏し、大企業に多くの金が集まった。しかし景気を回復させるには、大企業にたまった収益を社員の昇給に使う必要があります。2つの理由があります。日本の国民の報酬はこの10年間昇給がないこと。世界的に見て日本だけです。次が社員の昇給で、その金が市場に流れてインフレ政策が成功し、景気回復の循環が成立します。ところが財務省は約束だからと、いち早く10%増税を実施した。この結果日本の庶民はその時点で財布の紐を固く結び、不要な買い物を控えた。ところが企業は社員の昇給を見送くった。そして大企業はイノベーション投資も見送ってしまった。余剰金が累計400兆円とたまっており、財務省は大企業の要求に応じ、グローバリゼーション対策として大企業の減税に応じた。ここで日本はデフレに逆もどりしました。世界でこの30年間昇給のない国は日本だけである。

A. 日本人のオレオレ詐欺被害額をしっているかね?年間400憶円弱の被害を受けている。大企業の400兆円はイノベーションに投資する資金だ。日本は国債発行で約束した3つの矢で成果を出すはずだった。それを懐に入れて成果を出していない。そのため日本の国際競争力は1990年に1位から30位となっている。恐ろしいことに、それを懐に入れて、30年間成果を出していないことだ。また、予算1000憶円の産総研の研究所(経産省)はプログラム・マネジメント方式を採用しながら成果を出せないでいる。高偏差値人種(東大受験生)を集めてもビジネスは成長しない。金になっているのはテレビ放送での【東大出】と【お笑い派】クイズ番組だけである。日本中が楽に生きることしか考えていない。今アジア諸国は成長している。日本人の報酬を上回る勢いだ。日本人はもっと本質的なところで勝負してほしい。

I.9月号では日本の危機をもたらした経緯とその要因を提供します。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
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第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
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第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(13)―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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