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第154回(2019.12.06) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その154
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(68)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(56)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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A.Iさん、今月はどんな話をしてくれるかな。
I.わかりました。今月は3つの課題で日米それぞれの政策と成果をお話します。
第一の課題:国債の活用についての日米の相違
日本の国債活用の基本的発想は主体として官が行ってきました。今回は景気対策でした。1997年バブル崩壊で多くの企業に倒産の危機がありました。政府は2,000年から実施する景気対策はゼネコンを主体とするものでしたが、彼らは土地バブルに大きく関与し、このままでは倒産の可能性がありました。しかし官は米国では決してしない救済行為をゼネコンに実施しました。この政策は功を奏し、景気対策は活発となりました。官(大蔵省)は1997年バブル崩壊時に早急な手を打たなかったことの責任を追及された経緯があり、これがトラウマとなり、景気が回復し物価上昇したことで、2年後には消費増税を行いました。この結果国民は敏感に景気対策の変化を受け止め、財布の紐をしめました。この結果面白いことがわかりました。景気対策で儲けたのは大企業でした。景気対策とは大企業の収益を有望案件に投資すること、同時に社員の報酬を上げることまでを意味し、新しい投資案件を発展させることです。しかし2年間の景気対策は大企業を潤したが、庶民まで潤さなかったため、景気対策はストップしましたが、官の言う景気対策の大企業を潤すことで正反対の結果が出ました。
A. 第一の問題とは政府の景気対策と官の景気対策に対するトラウマの争いということだったのなか。そこで官が勝利を収めたわけだ。
I.しかし。ここで重要なことがわかりました。使った国債は景気対策だけでなく、2年間で景気対策を止めたための予算があり、これを『エリート官僚のトップが民間企業の社長並みの報酬をうける体制をつくるための政策に使われました』(日本の官僚は課長クラスが中堅企業の社長を呼びつける権限があり、部長クラスが大企業の社長を呼びつけられる。次官はマンモス級企業に匹敵するという自負がある。この日本の最高知能集団への評価を高める政策が必要と考えた行動です。これに200兆円が使われました)。これだけではありません。官は発行国債回収のため国民は消費税支払いの義務があることをマスコミの協力を得て、国民を納得させました。国債はほぼ庶民の金です。国民は債権者です。日本はここで債権者が債務者になりかわったことになります。
A.第一の問題とは:国民は大企業が挙げた収益に見合う消費税を払うことになるのかな?
I.消費税は別目的に使うとも言っています。明確になっていません。騙されない工夫が必要です。
では、米国の国債活用方式を示します。米国は国債利用者はデリバティブ方式で自己資金の100倍の金を借入できます。米国企業はこの資金を使って、中国向けに巨大製造機械を開発し、中国政府との合弁会社を設立しました。米国51%中国49%です。合弁会社内の米国の役割は製品の企画・設計・計画で、中国側は製造と米国までの輸送です。中国は49%の株を利子7%で借金購入しますが、労働賃金が安いため、7%以上の収益を上げることができデリバティブ方式が成立します。また米国民は従来より安い価格で製品を購入でき、米国、中国ともにWIN/WINの関係が成立しました。ただ、ここでは3つの問題が発生しています。問題Aは米国内の白人労働者の失業問題です。問題Bは米中合弁会社はグローバル企業として税金の安い国の企業となり、国の税収入が減ります。しかし、他方では大きなグローバル市場が形成され、中国はじめアジア諸国に大きな経済圏を提供した形となり、世界的な恐慌防止に大いに貢献しました。
以上が米国と日本の国債活用の相違です。
A.第三の問題です。
第三の問題はそれぞれの成功の代償が何か?ということだな。まず、みごとな成功を見せた米国は次に何が問題になったのかな?
I.中国に貢献した合弁会社は米国の会社ではなくなるということです。グローバリゼーションにおいては、企業はできるだけ税金を払わないシステムが採用されます。米国以外の低税金国の企業になりますが、中国を含めた形で、グローバリゼーションの未来構想を実現しました。このことは国と国との戦いから組織対組織の戦いになろうとしています。今私たちがアメリカと考えている国は現実には存在し、野球でもサッカーでもオリンピックでも国別の競争ですが、経営競争としての米国内での葛藤は「米国第一派(トランプ派と国務省派(ネオコン)」と呼ばれる派閥の戦いです。国際的には米国ですが、資本的には全てユダヤ資本の戦いです。これは国の競争ではなく、組織対組織の競争になるという問題が発生しています。
他方日本の官が実施していることは「国を規制で守り、小さな領域で、俺は東大出だとほざいているにすぎません。官そのものが収益を上げるならいざ知らず、国債を発行して、大企業が潤うと税金の安い国へ逃げ出す企業が増えます。
この国は常にトップにビジョンがなく、庶民に活力がある国です。私の提案は庶民の活力を活かす方法を皆さんに考えてもらうことです。
A.なるほど、新たな、いいご提案がないと日本は駄目になりそうだな。
以上
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