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第136回(2018.05.22) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その136
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(50)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(38)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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A.先月号でIさんは、再生協議会のメンバーは日本的な「メンバーシップ組織」の卒業生のため、モノづくり的発想が基本にあり、モノづくりで成果をあげることを期待する。周囲の人材も同質であるから誰も反対しない。結果として彼らと異なるやり方の提案は拒否されると言っていた。
Iさんは再生協議会以外に町の地域老人会の会長も兼ねている。ここでも自己の意見を披露すると、再生協議会と同様な評価が待っている。しかし、それでは老人会がつまらないものになると確信し、会長をやっている意味がないとも思っている。そこでIさんは老人会で何らかの意義ある提案をし、自己の立場を確立する戦略を考えた。当然モノづくりではなく、ソフトで金のかからない提案を考えている。
I.再生協議会の主力は男性です。彼らは彼らなりの論理を持っているから、正面から彼らの論理を崩すことは困難です。
A.老人会はどうかね。
I.老人会に入ってみると更に保守的です。ただ、ここで怯んでいては戦略家の名が廃る肝心なところです。日本のエリート戦略家は学んだことを実践するが、状況の変化を頭に入れ、大手、からめ手、状況の変化に合わせた作戦を練らない。戦略は常に状況に合わせて大手、からめ手、他の方法を取るべきと考えています。
A.老人会のからめ手とは何かね。
I.地域老人会のメンバーの80%は女性です。老人会の役員は10名強で、発生した問題に対処しています。役員会の2/3は女性の役員です。日本の女性は今や男性より社会の変化を理解する能力を持っています。
A.それは、言えている。しかし老人会での発言力はないに等しい。老連の会合を見ると各老人会の会長は男性で、女性はいないではないか。
I.確かに老人会は再生協議会のメンバーの行動より保守的ですが、必ずしも頑固な老人の集まりではありません。ただ、老人会は現在のところ女性の会長が出ていませんが、決して彼女らが満足しているわけではありません。彼女たちに聞いてみると「老人の集まりだから自分たちが意見を言っても仕方がない」と思っているだけです。女性たちは老人会で指導者になろうとは全く考えていないだけです。
私は問題が発生するたびに役員会で全員に意見を求めますと、彼女たちは積極的に意見を述べます。ただし、この際質問の仕方をまくリードすることで、改革を有利に運ぶことができると考えています。
A.Iさんはどのような改革をしたいと考えているのかね。
I.現在の老人会の目標は町を挙げての『健康増進』で、認知症の予防に力を入れています。健康増進だけでは面白くないので『健康増進』+『α』という概念を取り入れたいと思っています。
A.『健康+α』。このαとは何かね。
I.『幸福』です。
A.Iさんの幸福論はすでに話題に乗せているが、何か進展があるのかね。
I.その通りです。この町は11月に町長選挙があります。この町会議員選挙に新人が立候補します。私は新人候補の後援会に入り、知り合いの家をまわり、新人候補の後援会への入会をおねがいしています。私の町では坂が多く、車を持たない老人は買い物に不自由な思いをしています。要介護の方々は医者通いに困っています。
ここで私は頭の中にしまっておいたアイデアを発表する機会が到来したことに気が付きました。老人会は単に自分の健康管理に貢献するだけでなく、保育園児の送り迎えに苦労している共稼ぎ家庭へのお手伝いができること、老人自身が他の人の役に立つ存在であるという認識をもつことができます。老人会の人々と外部の人とのふれあいで、新たな絆をつくることができます。また、買い物のお手伝いでは、双方に喜びを与えることができ、双方の絆が高まります。これが私の考える小さな幸福論です。米国流の大きな幸福は継続性がありません。小さな幸福を求めると割と簡単に手に入ります。そして次の幸福を求め努力をし、継続性が高まります。
A.小さな幸福論の成果は出たのかな?
I.町会議員立候補の新人は当選の暁にはこのような老人会の活動に、町の支援がえられるような活動をしたいといっています。そこで私は候補予定者の後援会に入会希望を打診して回ったところ、80%以上の手ごたえがありました。これは実践的な戦略が大切だと実感しています。
A.それはいい機会をえたものだ。来月も結果を報告してくれるとありがたい。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
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第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
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第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
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第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
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第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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