第116回(2016.09.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その116
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(30)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(18)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月はA町の「第5次中期基本計画」の企画担当部署へ出かける話を聞いた。結果を教えてほしい。

I.町の企画担当部署に出かけ、8月号でお話しした手順で質問を進めました。
@ 説明を聞く。質問をした内容の確認と、優れた計画書であることをほめました。
A町担当者は最初緊張感がありましたが、質問者が総合戦略の内容を理解したことで、その後穏やかな質疑をすることができました。
A 私自身は質疑の中で課題になる点が見つかりましたが、議論する問題ではないので、課題に関しては追及しませんでした。

A.総合戦略や基本計画に書かれていない重要案件をそれとなく聞いたかね。例えば何年先を見ているか、グローバル社会に通用する内容かとか?

I.何年先を見ているかは計画書に明記されています。しかしこの小さな町がグローバル対応など考える筈もなく、その点は課題として残し、質問を避けました。理由は町の行政の発想だけでなく、課題検討部会のメンバーの発想も町とあまりかけ離れてはいません。町行政と検討部会のメンバーは言ってみれば同質で、逆に私が異質であることを自ら確認した形でした。そのためAさんが言われていた質問の3つのアプローチ:「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」というような切り込みはしませんでした。
A.いわれる通りだな。最初のアプローチは人間関係を構築することだった。では、次の一手はどうするつもりかね。
I.現在町はA町総合戦略に記載のプロジェクトが動き始めたところです。
このプロジェクトは“アベノミクス”の地方創生によって予算を得たものです。内容は立派ですが、民間の企画専門家を交えて制作されたものと思いました。例えば「子供を案して預けることのできる保育・子供の居場所づくりプロジェクト」ではすべてができるように書かれています。しかし、保育園への入園ができない問題に対し、これまで行政は責任を取っていません。保育園が不足な問題は町の行政が実施できる問題ではないからです。そのため国民はお役所しごととして諦めています。

しかし、この『絵に描いた餅』的発想で書かれた文章は、私の中では課題として取り上げるべきだという発想になりました。民間のプロジェクトならマネジャーは責任を取らされます。本来は国が責任を取るべきです。20年間で1000兆円以上の金を官が使ってきたわけです。そしてその金は今大企業が内部留保300兆円に変わっているわけです。保育園を充実させる金は出せたはずです。しかし、“アベノミクス”が決めた公約が実施されなくても官は責任すら感じでいません。今回は保育園不足で一主婦から“喝”が入りました。“アベノミクス”は動きました。社会は徐々に変わり始めています。

そこで私の中の“ゼロベース発想”が動き始めました。課題解決は住民が知恵を出して実施すればいいということです。現場を知らない役人が解決できないのが当然で、民活することに習慣を変える運動を私たちが提案し実行することです。

A.Iさんのこの“ゼロベース発想”は面白いね。可能性はあるかな。

I.私はA町の課題検討部会に参入して、不思議な体験をしまくっています。

まず、町の行政の方々が「何を考えているか」という内容を垣間見られたことです。しかし、まじめで有能な若手が頑張っていることでした。町は自らのサバイバルにかけて、従来と異なってきました。町が自らのサバイバルで収益を上げることを考え始めました。ビジネスとの落差が狭まった感じがしました。残っている弊害は村社会的習慣です。日本的村社会打破のために私はドラスティックな案を提出しようと思っています。

次に得た経験をお話しします。私が課題と感じた内容をどのように処理しようかと考え始めると、不思議に宇宙のかなたからアイデアが飛んでくることです。“ゼロベース発想”が宇宙線に乗って彼方から飛んできます。脳が活性化しはじめたため宇宙線に乗った情報が届き始めたことです。言葉を替えると、地方創生に関連する情報がテレビ、出版物で増えてきたことの証です。日本は日本ムラ的な発想から脱皮することが求められています。今回はドラスティックな提案をしたいと考えていますが、結果採用されないかもしれません。その場合は落差が大きすぎで、現時点では無理であったと思うことにします。

A.どんな情報が宇宙線に乗ってやってきたか、次回が楽しみだな。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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