第106回(2015.11.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その106
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(20)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(8)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.Xさん、何か質問があるとのことだが、どういうことかな。

X.この議論を面白く拝読しています。しかし、このところ議論の進展が早くなって理解しにくくなっています。そこでこれまでの経過を箇条書きし、整理したうえで、質問をしたいと考えました。

A.なるほど、少し遅れ気味のアベノミクスが動きはじめた感がある。ここで変化の経緯を整理してもらうのは結構だ。

X.少し、古くなりますが、年度別に何を議論したか整理しました。

・2011年:内容は4―10月号「緊急時の対応」、11―3月月号「情報を活用する能力」
東日本大震災の原発事故対応への懸念と経営のIT化に対するおくれの懸念

・2012年4-―3月号「世界は変化している。原理・原則を知って変化しようービジネスの基本に戻ろうー」:グローバリゼーションが進みながら、日本の製造業は惰性で仕事を進め、気が付いたら、韓国、中国が新興国市場で活躍しはじめ、日本家電の敗退につながった。世界の変化は突然ではなく原理・原則に従って変わっているよと訴えた。しかし、官が進めてきた政策は戦略にもならないことが判明した。理由はMBAで学んだエリート層は戦略を立てたが、マーケッティングのない、単なる方針の決定を戦略と呼んでいた。

・2013年4―3月号「世界が変化する中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」
この時期に気が付いたことは日本がグローバリゼーションの本質を知っていなかったこと。そのための手を打てなかったこと。アベノミクスの出現で、グローバリゼーションの本質理解と、グローバル戦略への提案が生まれた。

・2014年4―3月号「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」
      アベノミクスを成功させるための−想定外とゼロベース発想―
東電は震災での原発事故を想定外と逃げを打った。PMの世界ではトラブルとは常に想定外である。リーダーは想定外を起こさない計画に腐心するが、起きたら決して逃げない人間が指名される。想定外でも会社がつぶれたら意味がないことを理解していなことが日本のエリートの弱さだな。

・2015年4~X月号 「「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」
   アベノミクスを成功させるために〜グローバル市場で勝ち抜くための戦略〜

@ 欧米で行われようとしている戦略は何かという解説:戦略の基本は地政学の戦いであり、今は電子空間を活用したスピードのある戦略の実行者が勝利を収める。バーチャルな企画で「スタートし、この企画を先にリアルにした企画者が勝利を収めるスピード時代」である。組織は機動力を持った組織体(デジタル経営)とステークホルダ(関係者の連合軍)の協創力が勝者を生み出す。
21世紀型【電子・ビジネスモデル(バーチャル→リアル)空間】戦略

A 観光ビジネスの戦略、
21世紀型【電子・観光ビジネス(バーチャル→リアル)空間】戦略

B 高齢化・介護対策の戦略(次回以降)
21世紀型【電子・コミュニティ(バーチャル→リアル)空間】戦略
  最後のB高齢化・介護を除いて提案済みです。

A.先月までの概要についてはほぼ了解できる。そこで質問とは何かね。

X.私も同感です。しかし、日本が気になるのは2015年4月号に書かれた『日本ムラ社会』の存在です。日本人社会の80%がムラ社会の住人で、20%がグローバル人材です。『ムラ社会』の特徴は経験主義で、過去の反省をしない(失敗をしたことがない)という実績の持ち主です。典型的な住人はゼネコングループです。先に耐震基準の低減化で問題を起こしましたが、今度は杭うちの問題です。土木作業は、昔から不正を働く事例が多かったため、不正防止を目的に談合を暗黙の裡に認めてきました。官が不正防止で談合を認めても、第一次契約者、或いは第二次契約者が安値発注をすると、こんどの問題は簡単に発生します。

第二の問題は『日本ムラ社会』に所属する企業はグローバル契約の方式や、グローバルスタンダード、グローバル事業の習慣や、異国人を使うノウハウを持っていません。アベノミクスを海外で実施する際、訓練を受けていないのが心配です。この問題の実質的な大きさはどの程度か、どのように教育しグローバルビジネスを実施できるか教えてもらいたいのですが。

A.適切なご指摘だとおもう。次回までに誰か事例を示し、説明できないか。

K.グローバル競争の事例ではなく、私が考えた国内の高齢化対策事例を説明します。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
 
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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