第139回(2018.08.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その139
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(53)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(41)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.最近何か変化があったかな。

I.再生協議会1次計画は本年度末で終了します。町は再生協議会の継続を求めて、「空き家対策案」を国に申請し、採用されました。

A.それはよかったな。

I.町は更に第二次計画案を要請してきました。協議会幹部は傘下の部会長に「これまでの実績、継続する内容、継続を取りやめる内容をまとめて提案することを」指示してきました。また、協議会以外の団体に新提案を提出するよう要請しました。

A.それはよかったな。だが、協議会以外で1か月内に新提案ができるとは思わないが。

I.これはセレモニーだと思います。空き家対策案を提出した際、出席者は、意見を出してほしいと要請されました。しかし、意見を述べるとそれはだめだとにべもない答えが返ってきました。この協議会は民主的手法として、住民の意見を聞いた証拠が欲しいだけだとわかりました。一生懸命にやったやつが、この社会では阿呆の典型として軽蔑されています。

A.それはよくある話だ。これに怒りを覚えるようでは日本的ムラ社会の一員にはなれない。しらけるけれど黙認しよう。

I.しかし、第一次計画のテーマはほぼ終了しましたが、“アベノミックス”の予算を使っ切って終了しました。現実問題として、この一次計画を継続するには持続可能な維持管理が求められますが、すべてのテーマは維持管理の予算がありません。民間の企業であれば、施設がつくり出す生産物を売り、その収益の一部を運用費として使うので、持続可能性は達成されます。しかし、協議会はそのテーマで収益を出すという発想を持っていないので、予算が無いと運用できません。この視点で第一次計画を眺めると、収益を出せるテーマはないことがわかりました。これでは来年度以降の運営がはばかられます。

A.町が運営してきたものはすべて年次予算が付くが、再生協議会が運用しているものは予算が付かない。このままでは協議会が関与したものは、さびれていくだろうな。

I.その通りです。このままでは協議会の製品は長続きしないまま埋もれていきますが、協議会という事業は、期間内限定の運用ができれば実績を残したと評価されて終了し、2度と使われないという運命になると危惧しています。

A.住民が危惧しても町は何の痛みも感じない。町の職員は私の代で解決できなくても仕方がないという空気があり、日本の行政は次第に組織がむしばまれている。それでも官僚組織は崩壊しないので、余計なことをしなくなった。お上が力を入れないものに全力を尽くしても仕方がないというのが今の風だな。

I.私は民間人として、この壁を破りたいと考え、町の総合戦略の達成のために、プロジェクトマネジメントのために、技術を使いたいと考えていました。そこで採用の可否に関係なく、提案をしたいと考えていますが、日本の社会はこの風が吹いているときは、逆らっても無駄骨を折ることがわかっています。わかっているが、この風を打ち壊したいのです。

A.それには理屈ではない。仲間が必要だ。仲間が増えると、無視しきれなくなる。風が変わると、すぐ実現できるようになる。風の勉強をしたまえ。

I.わかりました。これから戦うか、一時後退するか決める前に、われわれPM推進者は正当派の進め方として、町の総合戦略に示された各テーマの実現性についてのアイデアを出します。そしてどのように創出した価値を生み出すか、そしてそれらの価値の組み合わせで、成功に導ける答えを創り上げます。そしてその成果を分かりやすく一覧表にまとめておきます。ただ、今の状況で風が吹かないのであるなら、提案をしばらく延期し、提案書を保持し、次の機会を待ちたいと思います。

A.それは弱気とは違うな。私も、良いものには必ず機会が訪れてくると確信している。頑張ってください。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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