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第151回(2019.08.23) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その151
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(65)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(53)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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A.7月号では、日本の技術力、企業の競争力が低下している。それにもかかわらず、国民は危機意識がない。地域再生活動を通じて、日本の組織の弱点に気が付いたという。私もそのことが気になっていた。8月号からは日本の危機についてIさんから説明してもらうことにした。
I.わかりました。問題点を列記します。
@)米国:経営のグローバル化
2000年以降の米国企業はインターネットの発達で、経営のグローバル化の重要性を認識した。グローバル化の大きな課題は「国境を越えた複数の企業が連携して効率化を図るため【ITを活用したデジタル経営】である。例えば『(複雑系科学と制約理論を取り入れたサプライチェイン・マネジメント手法』の採用は企業収益をより高める。さらに、AI活動を強化すると多方面の経営強化が図れる。
A)日本:バブル崩壊後の日本の投資は国内向きで「日本的ムラ社会の拡大」
1990年以降の好景気をバブルと認識することなく、「猫も杓子も財テク(土地投資)に走り」、多くの大企業が倒産の憂き目をみた。特にゼネコンは建設用地等の先もの買いに走り、莫大な赤字が出した。ところが日本の企業群はライバル同士でも同じ経営連合会に属し、いわば【日本的ムラ社会】を形成している仲間である。米国では行わない国の救済が行われた。しかし、この方式に対する海外からクレームがでなかったことに気をよくして、官だけが利用できる国債発行を積極的に行い、健全時代の税収入60兆円に対し10兆円の国債発行が、今は税収入より過大の50兆円まで増加した。
1990年での国債発行額は10兆円、一般会計税収60兆円
2000年 38兆円、 48兆円
2009年 50兆円、 40兆円
それらは公共投資であるより、官の天下り先や、族議員への予算配布に活用し、投資利益を生まない駄目息子への無駄金が多い投資ともいえる。
2013年以降は民間が活用できる資金として日銀から民への配分が行われた。いわゆる
“アベノミックス”である。しかしこの借金の返済は誰がするの?
B)米国最大の中国への製造設備への投資化
日本は国内向け政策重視に対し、この間米国はドル国債を100倍デリバティブ方式(資本金1億円なら100億円融資される)を利用し、米国のある投資家は、中国を世界一の製造業国に仕立て上げた。米国債利子は7%と割高であるが、製造設備は合弁会社(過半数米国)で、すべて中国に建設した。合弁会社(米国)は米国で企画、設計を実施し、製造は合弁相手の中国企業が生産することを決めた。合弁会社の粗利益は独占的な製造業であるため、ドル国債の利息7%軽く凌駕し、莫大な収益を合弁会社と中国にもたらした。(このため先の大統領選挙で怒りを発した米国白人労働者(民主党支持者)はクリントン女史を寝返ってトランプに投票し、今日に至っている。
C)日本の円国債発行は何に使われているか
官が自らの天下り組織構築費として200兆円がつかわれている。ここでは細かいことを説明できる紙面がないが、興味のある方は元大蔵官僚志賀桜氏の「タックス・イーター」、元大蔵官僚高橋洋一氏「日本は世界第一位の政府資産大国」を参照されたい。
D)米国の発想と日本国の発想
米国はドル国債で中国の製造業を企画し、莫大な富を生み出している。日本では円国債の使い道を、厚生費や年金の強化に使うため、消費税増額を主張してきたが、現実は福利厚生には使っておらず、200兆円で天下り用組織の確立や各省庁の族議員への配布が行われている。国も会計監査は行っているが、同じ役人が自らの利益を阻害する報告書は書かないが掟である。
ただ、ここで言いたいことは「米国は国外からの儲けを重視し、日本の官はタコの足を食べて生きることに主眼を置いている」相違である。
このため、日本全体の国際競争力が落ちてきたこと。それに対する政治の在り方が憲法改正だけに絞られている点でいいのかという課題がある。
今月号は問題の在り方への記事を書いたが、真の狙いは救世主としてのプログラム・マネジメントが現実に社会で活用されていない点を指摘し、今後の対応を提案してみたい。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
(5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)
第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
(3) (4) (5) (6) (7)
第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
(2) (3) (4) (5)
第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)―
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(13)―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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