―“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(2)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(3)
A.先月はゼロベース思考で「現場は散らかっているのが当然という発想を変えさせた。足場は工事業者に任せるより、元請けが提供しようと発想を変えた。これだけのことで大成功だった。さて、誰か次の提案者はないかな。
C.今回は“ゼロベースの発想”の定義から出発します。
“ゼロベース思考”は「既成概念を取り払い、一から最善の答えを見つけ出す」考え方です。常識で行動していたことや、過去の経験では解決しない問題に遭遇したら、常識そのものも白紙に返して考えます。
B.このような状況に遭遇すると多くの人はどのように考えますか。
C.多くの人は一瞬ひるみます。そして問題解決に情熱を燃やすより、失敗をさけるということを真っ先に考えます。
長年プロジェクトを実行していますと人の行動様式が気になります。ご質問に応えて、私自身の経験から社員の行動様式を調べてみました。パレートの法則をご存じだと思います。20%:80%の法則です。一般に集団があると管理職になれる人は全体の20%と考えてください。20%を細分化します。5%(エリート管理職):15%(並みの管理職)です。5%は1:4に分かれます。1%が度胸型管理職タイプA,4%は出世願望型管理職タイプB,15%は常識型管理職タイプCとなります。
では困難な問題に直面した時、人はどのように行動するか観察しました。好ましい問題解決型、最適ではないが世俗的な問題解決型、さらに問題不解決型があります。
B.面白そうですねご説明願います。
C.各タイプごとに共通した行動様式があり、その経験則を話します。
T.問題解決不可能提示の法則:タイプBが利用する手法
第一法則:「制約条件正当化の法則「
第二法則:「常識・決まり文句正当化の法則」
第三法則:「説得不可能の法則」
第四法則:「それらしさの法則」
・理路整然とあらゆる角度から説明し、本件は解決不可能ということを証明する型です
U.最適でないが世俗的問題解決の法則:タイプC.に見かける手法
このタイプは難問解決に向いていないので省略します。
V.:困難な問題を自己鼓舞で問題解決する法則:タイプAに見かける手法
第一法則:「自己暗示的問題解決の法則」
第一条:「解決可能自己暗示の手法」
第二条:「困難打破と山登りの手法」
第三条:「頭脳空白(ゼロベース)の手法」
第二法則:経験的問題解決の法則」
第一条:「解決できない問題はないという法則」
第二条:「人間にできる解決法には前例があるという法則
第三条:「問題の中に答えがあるという法則」
第四条:「根本的解決は不可能という法則」
第五条:「答えは新たな問題をつくるという法則」
・タイプBの行動:
人は誰も難しい問題に直面すると一瞬ひるみます。タイプBは優秀なため、上司や部下の前で逃げるわけにいきません。いかに困難であるかを強調し、周囲を不安にさせ、自己の立場を正当化する手法です。
説明を聞くとなるほど、なるほどと、つい頷いてしまいます。しかし、よく考えてみると、どうすればできるかということを全く考えていないことがわかります。
・タイプAの行動:
タイプA.も問題に遭遇すると一瞬ひるみます。しかし、できる、できないは別にして問題の本質追及をします。しかし、上司に信頼されている優秀な管理職がだめといっています。まず、自分を鼓舞するセレモニーが必要です。それが自己暗示の法則です。経験的問題解決は解決の過程で私に勇気を与えてくれます。V.の法則集は問題解決の直接の手法ではなく、自己鼓舞のための法則集です。ここで勇気をもらって、ゼロベース発想で問題解決します。内容の説明は次回にします。
以上
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