第117回(2016.10.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その117
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(31)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(19)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.このエッセイは現実に起きている問題を実況放送しているようなものだから面白い。先月の成果はどうだったかね。

I.今日は実際に動き出した案件の進行を紹介します。案件は町の特別区域の再生の課題検討です。町には古からこの町に貢献し、評価されている町の賢人グループに所属する人々がおります。
課題検討部会はマスコミ出身の賢人が部会長に任命されました。この部会第1回の会合でメンバーの自己紹介と簡単な意見の発表がありました。
私は“アベノミクス”の地方創生に関心があり、その研究を国際P2M学会で発表していた関係で、多少に意見を持っており、まとまった内容の提案をしました。

会合の最後に部会長から部会長補佐役募集があったため、立候補し、補佐役になりました。補佐役として、部会長あての提案書をつくりました。

@「町が進めている総合戦略、基本計画書」でプロジェクトが動いているため、これをベースに、役所だけでは実行できないもの取り上げ課題にした。
A4つの基本戦略を進めるには地元住民の協力が重要なカギとの観点で、戦略別に地元人財で構成するコミュニティをつくる提案をした。このことは8,9月号で記述しています。

A. では次の部会でどのような提案をしたのかね

I.提案書は「A町総合戦略」と課題の設定
(1)A町総合戦略
基本目標1.安心して、住み続けられる地域づくり:「産業、観光資源はないが、人財が資源だ」
基本目標2.新しい人の流れをつくる:「A町の強みを活かした魅力ある提案」
基本目標3.若い世代の子育て環境をつくる:
基本目標4.仕事を生み出す:

(2)課題設定
基本目標1.健康老人の活性化で町の総合戦略を実行できる住民(人財)コミュニティの創生
基本目標2.人の流れをつくる:公園の再活用(花壇化)で吾妻山と公園をつなぐトレッキングコースの開設(公園の再活性化)【知恵袋花咲ジジコミュニティ】
基本目標3.若い世代の子育て環境つくり:【知恵袋ババによる孫育てコミュニティ】
基本目標4.仕事を生み出す:小学校と中学校によるコミュニティスクール化:
      教育方針の変更(IQ主義から、社会で活躍できる実践力化へ課題)
内容的にグローバル社会でも通用するという発想で提案書作成し、部会長と事前協議

A.グローバル社会で通用する人材育成はその通りだが、受け取ったかね。

I.部会長からの回答:
2回目の会合は
@ グローバルは町の住人にはなじみがないので、この強調はやめよう。提案書は出すが説明しない。
A課題に関してはすでに住宅供給公社が考えている話を専務理事の話をきく
B各位の提案を聞く
3回目の会合はA町の総合計画策定者の一人の都市開発専門家の話を聞く
4回目の会合は部会メンバーから追加の提案を聞く

A.5回目の会合はどうだったのかね。

I.5回目には出されたテーマを3つに絞り、3つのワークショップを開く。
@山里遊歩道整備 「健康ウオーク」マップつくり
Aコミュニティスクール地域交流拠点化
B魅力ある地域公園つくり
追加として都市開発専門家の提案を追加する

A.このまとめ方に何か問題はあるかね。

I.部会長は私との初回の打ち合わせで、この部会は欧米的、PM的手法を知らない人々が集まっているわけで、グローバルに関する発想を彼らは受け入れないだろう(部会員は単なる素人ですから部会長の考えも一理あります)という理由で勉強会も提案も却下されてしいました。
勉強会の目的は『地方自治の危機的状況からつくられた戦略』を学ぶことで、部会員の理解が進展すると考えた私の計画は粉砕されました。結果は深みのない提案となってしまいました。
テーマを3つに絞ってワークショップを実施すること、専門の業者を加え、新しいビジネスを起こすという内容になりました。これらの手法は典型的な日本的村社会の手法と多少は違いますが、日本的村社会的評価では平均点以上です。しかし、欧米的、PM的手法で言えば不合格点ですが、現実は町の住民のレベル以上のことはできません。
新しい展開を考えることも必要です。今後の展開も読んでください。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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