第104回(2015.09.18) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その104
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(18)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(6)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月はYさんからデビット・アトキンソン氏(A氏)の観光立国のまとめの話をした。今月は寺島実郎(T氏)の新・観光立国論の説明と、両者の相違を説明してもらう。

Y.今月は寺島氏の内容を短文でまとめるため、私なりの要約をお許しください。

U.寺島実郎著「新・観光立国論」の内容
1.T氏の日本の観光政策の問題点の指摘
@ 日本の人口構造の成熟化と産業構造の行きづまりで、脱工業化モデルとして観光でGDPを増やす必要がある
A A氏のいう「観光後進国」に対し、T氏は『創造的観光』を提案:
・日本人はマーケティングに欠けていた。日本人は自ら考えた魅力を、すべての外国人が理解すると考えて行動してきた。以後、相手に合わせた創造的観光を構築する
『移動と交流』という行動が人間を賢くする。観光は来訪者、提供者それぞれが自らを鍛える効果があるという発想で、オープンマインドな交流で、長期的に関係性を向上させる。

2.T氏の日本観光立国としての提案:
2.1 モノづくり日本からの脱皮と、それに伴うドラスティックな発想転換をする
@官の閉鎖的な発想が観光立国を阻害ししている。

A観光マーケティングへの本格的な参入への覚悟:かっての家電はマーケティングのない戦略立案で、韓国に敗退した。観光客の利便性を考えた総合交通システムの再構築
 (空港と新幹線との接続、ハブ空港とローカル空港との効率化)を進める。

2.2 創造的観光立国戦略として視点:世界の事例に学び統合型観光ビジネス提案
@アジアダイナミズムの理解と対応(アジアにおける日本の創造的位置づけの確立)
・Industry4.0のプラットフォーム的役割開発
・國際観光客対応と訪日ビジネス系外国人への異なる対応とその成功事例の強化
・変わりゆく顧客のニーズ研究と創造的提案
A総合交通体系の進展
・進む交通ネットワークの高速化と高度化:リニア中央新幹線・整備新幹線・首都圏3環状道路・航空ネットワーク
・『スーパートランジットハブ』へと進化する相模原(リニアで発展する新都市構想化)
B 移動と交流という思想:
・「移動と交流」による人の心の交流の進展
・「移動と交流(観光)」による経済の活性化
 訪日外人(1340万人2.0兆円)と海外出国者(1840万人・3.3兆円)
・二地域居住政策(都会と田舎):発想が日常性を求める家庭的なモノから、グローバルに発展する内容に変わる

2.3 脱工業化生産力の先行事例の研究と戦略のスピード(電子・空間的スピード)化対応
@シンガポール・モデル:
・アジア最大のMICE(会議・研修旅行・国際会議・イベント)先進国
・最先端かつ高度医療を提供する医療先進国
・高度人材育成を目指す高度教育先進国
Aデンマーク・モデル
・高生産性と高付加価値化により國際競争力を保持する農業大国
・自国の特性を生かした再生可能エネルギー推進国
・次世代社会システムを構築するICT先進国
Bオランダ・モデル:フードバレーとスマートアグリを駆使した農業大国
Cパリ/ジュネーブ・モデル:パリ4.5万ドル、ジュネーブ8.7万ドルGDP/人
 ビジネスツーリストを引き付けるビジネス拠点都市

2.4 統合型リゾートモデルの構築(モデルの研究とその後の展開への研究)
@ディズニー・ワールド・リゾート・モデル
Aラスベガス・モデル:カジノ産業基盤からスポーツイベント、ファミリーターゲット
戦略、ハイエンドな顧客のコンベンションとアフターコンベンション戦略を進める
Bシンガポール・モデル
C世界のカジノ:マカオ、アトランティックシティー、バーデン・バーデン

2.5 多様なツーリズムによる地域創出の実現
@幸福探求ツーリズムの研究
A日本各地域を対象とした多様化したツーリズム事例

2.6 T氏の提案とはあたかもA氏の提案を日本的にアレンジした創造的案が提案を提示されている。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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