第121回(2017.02.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その121
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(35)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(23)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月はIさんから日本的ムラ社会で活躍するための実践的な話を伺った。本に書かれた戦略をそのまま実行しても誰も動かない。最近やっと人々と話ができるようになったと聞いたが、それはどのようなことかね。

I.ごく当たり前のことを言っただけです。口先で素晴らしいことを言っても、その人の行動が、言っていることと合致していなければ信頼されません。これは人に信頼される第一関門です。第2関門は相手の発言を正しく理解し、評価することです。これは第1関門の裏返しです。当方も相手が言っていることと行動が一致しないと信頼しません。相手を正しく理解するということは、発言だけでなく、行動も含めて理解したという当方の安心感をそれとなく伝えることです。当方が相手を理解し始めたと相手が感じない限り、核心の話をしてくれません。

A.それはどうすることかね。

I.日本人的感覚でいえば、実質的な現場作業のような人の嫌がる仕事を丁寧に行うことなどで、当方の誠実さを相手に認めてもらうことです。「貴公はそこまでやるか!」というアピールへの信頼感です。ビジネスでないボランティア活動は無償の仕事です。無償の仕事で誠意を見せることが最高の信頼感になります。ボランティア活動はお互いに金で頬をひっぱたくことができないからです。

私たちの活動(課題検討協議会)は、この町の進歩のための課題を検討し、3つのテーマを選びました。検討会には町の行政の担当者も出席していますが、ほぼ意見を出していません。そこで課題検討会は「町民の希望や前向きな意見、発想を聞くため」にワークショップを実施しました。
検討協議会はワークショップ参加者を公募し、64名が参加しました。ワークショップを成功させるには、従来からの習慣である、住民が単に町に何かを要求をするだけでは困ります。町は今町民の減少で、縮小財政を検討している段階だからです。このワークショップの成功とは行政では考え出せない価値のあるアイデアを出してもらうことだからです。

A.ワークショップで行政に関与していない一般の住民がそのような高度な意見を出せるか疑問ではないか

I.的を得た、いい質問ですね。私たちはそれを恐れていました。一方私はこの町の住民の知的レベルが高いことを見てきました。その点はワークショップを実行してから考えることにしました。

A.結果はどうだったかね

I.思った以上に上出来でした。町に対する要求はやむを得ないものだけでした。若い人の入ったグループでは現実的な企画内容であり、次に理想的な内容が将来問題として取り上げられていました。若い女性の発言もしっかりしたものでした。
ワークショップは1テーブル10名としたので、6テーブルとなり、1テーマでA、B2グループに分かれて作業が行われました 各テーマの責任者はワークショップで作り上げた模造紙1(提案の分類),模造紙2(分類した提案の課題化と新テーマの整理)をA4用紙に記載することです。A4の上半分に模造紙の写真、下半分にポストイット記載の内容をすべて記載しました。理由はこれからのプロジェクトの作業と、参加者への感謝のために、彼らの成果物として配布ですためです。

公園活性化チームの作業は7名のメンバーで、この成果物を使ってアイデアを具体化することです。不思議なもので、具体的な問題に取り組むことになると、チーム全体が活性化してきました。

A.成功の見込みはあるのかね

I.現在の状況でもうしあげますと、人口縮減自治体は、企業と組んでビジネスで稼がないと予算の捻出が難しいことです。公園活性化の取り組みだけでは成功は難しいと思います。しかし、住民が町民化(住民が自主的にコミュニティをつくり)して、行政ができなかった内容を提案することで新しい価値を生み出すことが不可能ではありません。しかし。これから先の話をすると日本的ムラ社会では受け入れてもらえませんので、この話はやめます。まずは、ステップ1の現在の仕事に専念することだけを考えます。

A.Iさんとすると何かアイデアがありそうだな。

I.そのとおりですが、今回は提案しません。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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