第122回(2017.03.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その122
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(36)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(24)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月は町の課題解決のため3つのテーマに関し、町民を集めたワークショップをおこなった。その結果は上々であった、という話を聞いたが、その後は何をしたなかね。

I.先月はワークショップの成果物を整理し、成果物1、2をまとめ上げた話をしました。

1.模造紙上の成果物1、2をA4用紙でまとめた成果物1,2の作成
ワークショップではポストイットに書かれた参加者の発言を、模造紙上に分類して貼り付け成果物1としました。成果物1を課題の具体化、その維持管理、新たな提案を模造紙上に作成した成果物2としました。成果物1がワークショップ参加者の提案のまとめで、提案を具体化した内容に整理したものを成果物2としました。成果物2で、これからの展開が見えるようになりました。次にワークショップの成果物はA4紙面の上半身に模造紙成果物の写真、下半分にポストイットによる提案をタイプ化した成果物1、2を作成しました。

2.A4成果物1,2の用途
1)都市開発コンサルタント
A4成果物1,2はワークショップご指導の都市開発コンサルタントに送りました。目的は成果物1,2から想定される事例を収集し、説明会を開くためです。
2)プロジェクトスタッフ
プロジェクトスタッフはこの成果物1,2を使って議論を進めることになりました。

3.プロジェクトスタッフの作業
プロジェクトは地域再生地区に存在する都市公園(比較的大型の公園)を対象に具体化作業に入ることにしました。
・作業1.地区別に募集したスタッフに地区の都市公園の特徴:広さ、遊具、
ユーティリティ、衛生関連、利用率等の基礎資料の作成をお願いした
・スタッフに担当した公園の基礎資料をベースに全員で都市公園巡りの実施

4.都市開発コンサルタントからのワークショップ類似案件の提案
1)コンサルタントの説明で、行政と住民が行う業務の進め方の相違を明示されました。
行政の計画手法:マスタープラン→実施計画→予算→委託→工事→完了→管理運営
コンサルの手法:ビジョン(目的)→現場で施工→運営→修復→運営→修復
ここでビジョンとは将来像を描くことではなく→“あの公園にはハーブの花壇をつくって、皆でお茶にしよう”というようなリアリティのある目的をさがす。
コンサルからのヒント:
2)魅力的な場所(空間)には理由がある
  @.住民はどのように使いたいか?
  A.複数の住人で楽しめる空間を考える
  B.“たねダンゴ”による花壇づくり(子供でもつくれる花壇づくり)
3)どうしたら場所(空間)を作りだすことができるか
コンサルタントが示したものイベント事例:
@.魅力あるイベントを定期的に行う
 A.定期的に公園にライブ付きカフェを開く
 B.移動マーケットを開催する等
4)誰がどのように整備、管理するのか?
 @.町から管理をまかされ、予算を確保しながら、材料費だけ使って、作業は自分たちで実施し、予算を他の費用に使う等

5.スタッフ各自の提案を年度内にまとめる
 これから1週間で最後のアンサーを出す

A.いよいよまとめに入ったね。何か問題はあるかね。

I.これは日本的ムラ社会の課題解決方式の一つです。しかし批判をしているのではありません。地域再生は困難な仕事です。失敗が付き物です。金をあまり使わないで素早く行動し、トライ&エラー方式で進めるのは賢い方法でしょう。ただ、半分釈然としない問題を抱えています。
 @地域開発の最大の目的は高齢化社会で、健康高齢者を多く育て、彼らを活性化させ、相互支援の体制をつくることだと思います。公園の活性化が主目的ではなく、住民の活性化が主目的なはずです
 Aどのような業務を実施しても、金がないと継続的な運営ができません。儲ける仕組みを作らないとこの事業は持続可能性のないものになる筈です。
  しかし、このような主張を、今すると折角まとまりかけた活動が壊れてしまいます。ここからが正念場ではないでしょうか。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
 
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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