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第130回(2017.11.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その130
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(44)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(32)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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A.先月はIさんの公園活性化プロジェクトの成果を説明させてもらった。その後の経過を話してくれないか。
I.わかりました。まず、公園の花壇化という改修工事が11月18日に750本の花の苗を植え付ける作業を完了しました。この作業で住民側は公園プロジェクト関係者、公園愛護会のメンバーの外に住民ボランティアが集まり、総数50人弱町から提供された花の苗の植え付けを完了しました。
殺風景だった公園に花壇ができることで、近所の人々も集まって楽しそうに作業を進めてくれ、住民による将来の花づくりにプロジェクトに大きなインパクトを与えたことで、一種の成功事例になりました。
一方この公園での花壇化は、“アベノミクス”からの予算で成り立っており、予算のなくなる2年後のサステーナビリティー(維持管理の可能性)が課題となっています。
計画時点では企画推進者は楽観的に考えていましたが、実際の作業を観察して自分の考えの甘さに気が付きました。花壇をつくる際に、ケヤキの大木の伐採、大きくなったサツキの根っこからの撤去作業を見ました。これらの作業を業者は中型建機を使って2週間程度で完了しましたが、建機を持たない自分たちで作業すると膨大な日数がかかり、ボランティア仕事でないことを実感しました。来年の6月には花の植え替えを行います。現状では住民による苗花の育成も困難です。自分たちでできることは苗花を花壇へ植え付けることしかできないと理解しました。そこで彼は苗花の提供を町にお願いし、植え込み作業と、毎月の雑草除去に専念することにしました。
A.住民側で業者に発注するという方法はないのかな。
I.その方法もあります。しかし、住民側で業者に発注する場合、作業の見落としや、予想以上の難工事に遭遇した時、町は他の予算からのやりくりで、難なく工事を終了させることができますが、住民側は追加予算を持っていません。担当者はこれらの費用を住民にお願いすることはできないので、住民からの発注は困難といえます。
A.この話は納得できる。素人の住民が正確に仕事の量を査定することは無理で、住民側からの反対意見が出ることは必須だな。
I.しかし、私は再生協議会の幹部に、町と住民が一体化した管理体制をつくらないと、2年後には、町が独自の路線で維持管理をおこない、その結果公園管理は「元の木阿弥」となり、われわれのこの活動は単に一時的なお祭り騒ぎになってしまうよと、現状を理解した幹部たちに警告をしました。
これらのプロジェクトを処理する時、欧米社会では、まず契約を結んでから実行します。リスクが判明しない中で契約するリスクのある仕事を彼らは背負って仕事を進めます。したがって欧米流の仕事のやり方は厳しい前提を最初に考え、後で後悔しないやり方に慣れています。一方日本ムラの住人は難しいことを先に考えることを嫌います。そして将来起こるリスクに対しては、関係者全員で集まり承認をする稟議方式を今でも採用することで誰もけがをしないという因習を今も続けています。
私はこの日本流のやり方の危険性を体験していただくために、小さな失敗を経験させる方法を提案し、採用してもらいました。しかし、私も自己の責任回避のために、事前に真の提案をし、彼らに拒否させました。そのうえで私は幹部が了承しそうな新たな提案をしました。新提案はこの業務を
STEP1(幹部からの指示による仕事の進め方を採用した)。
STEP2(来年の花の植え替え作業を、住民主導で実施する。もし、成功しなかったら、大切な経験をし、反省することで住民のレベルをあげる結果をだす)。
STEP3(住民が予算を増やさず、自分たちで考え、自分たちで実行し、小さな勝利をあげる手法の確立)。
STEP4(住民が自らの責任で業務をしているという住民に発想の転換をしてもらう作業の実施)
にわけて、このプロジェクトを企画しなおしました。
A.Iさんはそこまで考えてこの作業に取り組んでいるのかね。大したものだな。
I.人間は自ら経験しないと、正しく理解できない動物です。欧米人ができて日本人ができないのは、欧米人が契約で縛られているからです。ユダヤ教(キリスト教)は信者と神との契約で成り立っています。現在の日本企業は自己の責任を国債発行で逃れようとしています。これでは滅亡の道を歩いているにすぎません。
A.Iさんの意図はよくわかった。辛抱強くここまで持ってきたのには驚いた。これからを期待する。
I.これからの困難は簡単ではありません。失敗しても大きな金の損失なしに、住民側が経験できることが、私の提案の味噌です。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
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第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
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第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
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“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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