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第97回(2015.02.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その97
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」
−アベノミクスを成功させるためにー
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(11)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(2)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(3)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(4)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(5)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(6)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(7)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(8)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(9)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(10)
―“想定外”と“ゼロベース発想”−(11)
A.先月はDさんからグローバリゼーションの本質は何かという話があった。グローバリゼーションの本質的発想は“ゼロベース発想”5.0だという。これは國際金融資本が考えた近代まれなすごいアイデアだ。世界経済は実質的な金が流れている実質経済がある。そして金の多くは先進国中心に流れている。だが、先進国は成長が望めない。これでは國際金融資本は商売あがったりだ。新興国に資本を提供したい。しかし、その場合は先進国に投資した金を新興国に振り替えないといけない。するとどうなる?そうだ、先進国が破産してしまう。ユダヤの人は頭がいい。新興国への新しい投資証券を開発した。$100投資すると$10,000をレバレッジとして國際金融資本が貸してやるという提案だ。
B.誰が貸すのですか。
D.米国のFRB(米国中央銀行)です。FRBはドル紙幣を印刷する権限を持っています。中国、台湾その他新興国が潜在成長率も満たすに必要な資金が新興国に流れました。これは偉大なる“ゼロベース発想”5.0です。この結果世界経済が数倍の規模に拡大したわけです。金本位制ではできなかったものが、ドルが金の保有の裏付けなしで発行できたという米国の事情をうまく活用した戦略で、国際金融資本、米国政府のビジネス規模が大きく伸びる結果となりました。次が韓国です。韓国はこのグローバリゼーションの本質を捉えて、増えたドルを自国に集める戦略を立てました。これが5.1戦略で、オリジナルは松下幸之助流2番手商法でモノづくり以上に顧客を優先する発想です。韓国の成功はグローバルの本質を捉えて、新興国との関係性樹立を実施し、日本が開発した商品群をリバースエンジニアリングすることで新興国向けに値ごろ感のある商品を提供し、日本企業が開発した成果を根こそぎ韓国に移管してしまいました。
そこで本日は“ゼロベース発想”6.0という魔術の話をします。
A.6.0とはどのような発想なのかね。日本の官僚組織が考えて発想だというが。
D.日本の現状をお話しします。国には税収があり、その金を使って(歳出といいます)国を運営します。
年度 |
90 |
95 |
00 |
05 |
10 |
14 |
税収兆円 |
60 |
52 |
50 |
50 |
38 |
50 |
歳出兆円 |
70 |
75 |
95 |
83 |
95 |
98 |
差額 |
10 |
23 |
45 |
33 |
57 |
48 |
国債発行兆円 |
8 |
18 |
35 |
35 |
40 |
40 |
表を見てください。日本国の税収のピークは1990年60兆円です。その時の歳出が70兆円です。10兆円過剰ですが、健全なものです。2000年は不動産バブルの処理がありました。米国常識とは違い、日本政府は公的資金で銀行をはじめ多くのお抱え企業の救済をしました。このため国債を発行しましたが、民間救済を実績としてバブル予算を日本国の官は実績予算と認知し、それ以降前年度予算を下げることを死守してきました。小泉改革で予算は少し下がりましたが、民主党政権となり、国の借金は国民が返せと大きな呼びかけがあり、消費増税が決まり、歳出も増えました。
ここで日本国の有能な官の論理“ゼロベース発想”6.0をお話しします。
日本経済は1990年をピークに税収が減っています。そこで景気回復を名目に国債を発行しています。1990年代の不動産バブルで懲りた財務省、日銀は国債をそして買わない方針を決めました。国債は民間銀行が購入し、官が国債を自由に使える方式にしました。国債は公共投資その他弱者への補助等が多く使われました。その結果国家資産が世界一になりましたが、税収は減る一方です。そこで財務省は国家の借金は消費税で払わないと国が破産すると宣言し、民主党が同調しました。国民も納得しました。ここで財務省“ゼロベース発想”6.0とアベノミクス“ゼロベース発想”6.1を解説します。
@ 6.0方式:国債を発行しました。民間銀行が国民の貯金から国債を購入しました。国は国債を官が管理できるところに使い国有財産が増えました。ここで国民は債権者です。国は債務者です。しかし、財務省は『国は国民のために使ったのだから税金で返せ』と言っています。
A アベノミクスの時代になりました。国債を発行しました。日銀は前回までのルールを変えて、国債を買いました。其のため民間に金が回るようになり、景気が回復され税収も増えました。これが“ゼロベース発想”6.1アベノミクス方式です。
結論:国は膨大な金を使ったが、グローバリゼーションに対応するハブ空港やハブ港湾をつくっていない。諸外国が行っている通関手続きの簡素化もしていない。韓国と雲泥の差ができている。よく調べると、未来ビジネスに投資をせずに、弱者救済の名で予算の拡大化に貢献しているだけ。40兆円の国債を使いながら税収も上げられない。国債を回収する方法を考えないで20年間金を使い続けて、返済義務は国民だといっている。国民は金を貸して、責任はお前だから税金払えは“オレオレ詐欺よりひどいと思いませんか。このままでは日本は破産します。これが最大の課題です。これではアベノミクスの成長路線が成功しても40兆円の税収を挙げるまでビジネスを拡大することはできません。さて皆さんなら何をしますか考えてください。
A.誰か、回答者がいるかな。
Z.正解はありませんが、小笠原 泰著『没落する日本、強くなる日本人』という本に回答があります。その説明をします。
以上
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