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第123回(2017.04.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その123
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(37)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(25)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
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A.先月はワークショップ成功の話を聞いた。Iさんの最近の戦略は日本的ムラ社会にどっぷり漬かって、従来からの町の路線に沿った進め方をしている。そしてワークショップに成功したという。その成功とは目先の成功で究極の成功ではない気がするがどうかね。
I.私の戦法は戦略ではありません。“郷に入っては郷に従え”という一時的な戦術にすぎません。町は小学校への新入生が激減したため、この小学校地区の再生を図る協議会を立ち上げ、6つの部会をつくりました。古民家活用部会、文化イベント振興部会、県住宅供給公社部会、地域福祉部会、友情の山部会、課題検討部会です。これらはいずれも人口減少緩和する事業を目指しています。
現在は5つの部会が運用段階に入っています。私が所属しているのは課題検討部会で、昨年度に3つのプロジェクトを立ち上げました。【魅力ある地域公園づくり】分科会、【里山健康ウォクマップ】分科会、【一色小地区交流拠点化】分科会です。
本年度になり一色小地区交流拠点化分科会は友情の山部会と合流し、残り2分科会は併合し「公園・散策路開発部会」として独立することになり、私が新部会の責任者になりました。
A.それはおめでとう。しかし部会としたから成功するとは限らない。わたしの勘では、究極の解決策が生まれるとは限らない。どうかな?
I.その通りです。私の経験した日本的ムラ社会はビジョンを出すことが嫌いです。ムラ社会の住人は「将来のリスクを検討しているより、できるところから始めよう。そこから出発して、正しい解を探り当てるほうが賢い」という発想法です。一理ある発想です。
しかし、大型案件はそのような試行錯誤的なやり方では経費や時間の浪費が多くなるということで、欧米的MBA論にムラ社会も押されて、MBA戦略を採用しました。これら案件はムラ社会の長の経験範囲外の案件が多く、新米のMBAは仕方なく、最初にリスク分析を行う方式を採用しました。
リスク分析の結果は、リスク度が高く、企業化しないという方向の結果を出しました。このため日本は大型案件で後れを取りました。欧米の経営者はリスク分析をし、業務の進行過程でリスクを一つづつ減らす方向にプロジェクトを進めてゆきました。結果、欧米企業は企業化に成功し、リスクを避けた日本の経営者は失敗せず任期を全うし、ムラ社会の長は権力維持に成功しました。
A. Iさんの話は理解できる。では、今の町の再生協議会の部会の成功はできるのかね。
I. 簡単な言い方をします。町の行政は縦割り組織です。今の組織で実施している政策は人口減で予算が不足し、すべてが縮小計画となります。これでは元気が出ない組織となります。ビジョンなどと大げさなことではなく、何をすれば、人口減少の速度を減らせるかという発想が必要かと思います。幸い私は町の総合戦略を読むと、町はこの戦略を採用して実行していると書いてありました。町の戦略の具現化をしました。
基本目標1.:安心な暮らしを守り、住み続けられる地域をつくる。
町には産業資産や観光資産が少なく、資産は人です。人と人との繋がりで、安心な暮らしを守り、住み続けられると書いてあります。この基本目標を具体化する私案を提案しました。これが私の戦略です。(紙面の関係で詳細説明省略)
私案1:働く女性が安心して働ける環境作りとして、仮称【“知恵袋ババ”町内の孫育てコミュニティ】の結成。地域の孫たちをコミュニティで面倒を見る
私案2:人口減で困る、幼稚園・保育園と連合で新規保育園の建設で保育園待ちの解消というキャンペインで近隣他市町村からの子育て家族の受け入れ対策
私案3:幼稚園児にペリー就学前(3~4歳児)教育の実施で、子供の能力開発というブランド化を売り物にした子育て世代へのアピール
私案4:在宅介護時代に備えた仮称【遠くの親戚より近くの隣人コミュニティ】
独居老人、車イス利用者、盲導犬活用者、買い物難民、緊急対応等の人材育成
基本目標2:町の強みを活かした魅力ある暮らしを提案し、新しい人の流れをつくる。
目標:この町に@住み続けたい、A町に戻ってきたい、Bこの町に住んでみたい人を増やす
私案5:町の公園、各個人の家の花壇化で新しい人の流れをつくる。
町の公園は子供の利用者がすくない。老人や観光客目当ての花壇づくりの実施
仮称【花咲ジジ公園・自宅花壇化コミュニティ】結成
基本目標3:若い世代の結婚、出産、子育ての希望を叶え、子育てをたのしめる環境
私案6:県住宅供給の【子育て世代のコミュニティつくりのためのリフォームによる】
まちへの移住者対策
事例:大島芳彦 リフォームスペシャリスト
アパートのリフォームは個々の住まいと、共通空間、庭の共通活用で住人の生活が活性化される仕組みづくりを含めたリフォーム様式の先駆者
A. これはなかなか活気のある提案だな。
I. 私も仲間が増えたので、これらを提案できる環境を整えるつもりです。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
(5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)
第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
(3) (4) (5) (6) (7)
第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
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第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)―
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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