第111回(2016.04.19) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その111
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(25)
−アベノミクスを成功させるためにー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(13)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月は各位からいろいろと意見を出していただいた。何か中身が見えてきた感じがする。最初無理かと思ったが素晴らしいと思い始めた。皆さんありがとう。
今月も続けてほしい。

H.私は少し視点を変えて、目先の問題だけでなく、先に先の視点とは何かということを議論すると、精神的に鋭いものが生まれると感じています。

  例えば空白の20年という言い方をしましたが、この20年はよくよく考えてみますとクールジャパンというB級グルメが生まれ、日本人の生活が世界中に評価され始めています。フランスの高級料理は毎日食べたら飽きがきますが、B級グルメは飽きがこないという特徴があります。これは文化の移動でもあります。このことは大変重要です。日本の庶民が世界に通用していることです。
日本では高偏差値エリートが国内で幅を利かせていますが、海外では小さくなって発言しません。そのことを私たちは理解する必要があります。海外のエリートと戦うには高偏差値・高IQ者でも戦えません。困難な現場実務経験とトラブル処理のゼロベース思考経験者(コンピテンシー保持者)が求められています。この20年間の日本の敗因はすべてエリートのひ弱さが関与しています。

私はX町の企画をグローバル社会の国々の高齢化対策の模範になる考えを取り入れました。私がこれまで経験したプログラムは「人間如何に仕事をするべきか」言葉を替えると「如何に生きるべきか」という課題に向って仕事をしてきました。老人会に入り、現状を見つめると、独居、在宅介護、買い物・通院難民、孤独死、等の大きな課題があり、幸せとは反対の方向に社会は動き出しています。そこで気が付いたことは『人間を如何に幸福な状況で死を迎えることができるか』ということでした。このための方式として個人的には『小さな幸福論』を実感する。コミュニティ的には江戸時代に実績のある『向こう三軒両隣』方式が達成できれば世界に文化輸出できるものと思っています。

冷戦終了後の資本主義は、金が金を生む経済に切り替わり、金持ちだけが豊かになり、税金も払わず、労働者の収入を減らす方向を当然のこととしています。金持ちは多くの人々に小さな豊かさを与えて、持続可能性ある社会をつくる発想を持っていません。この世界は決して長続きしません。EUも組織形態に無理があり、ドイツが競争に勝っても、マルク高にならないため、一人勝ちで推移し、EUはいずれ崩壊するでしょう。これに対し、日本は欧米方式に追従せず、『小さな幸福論』で、アジア中心に各国が豊かになる方式を採用していけば、平和が続きます。『小さな幸福論』はロングテイル方式で長続きします。恐竜の頭を狙わず、多くの国との付き合いで細長い尻尾の部分で満足します。このコミュニティはケンカしない、戦争しない、大きな金儲けなしで、楽しい生活ができます。私たちはこの全世界の人々に役に立つB級コミュニティを提案しようではありませんか。そのために自信を持って、更につっこんだ議論を進めたいと思います。

A.Hさん素晴らしい考えだ。日本は悲観論者が多いが、日本は素晴らしいと本に書いてくれる外人が増えている。自信を持って発言してほしい。

H.Aさんのお言葉に励まされて、私の戦略論を提供します。日本の知識人は米国の知識に無抵抗的によわい。特に戦略論がないのではと思います。

グローバリゼーション以降、戦略が大いに変わりました。地政学的に云いますと、船や飛行機、ロケットで戦うスピードより速い、電子空間を利用する戦略が主流になっています。2015年11月号でXさんが21世紀の戦略は地政学的に【電子空間活用】の戦略です。4つのアイテムの戦略方程式をつくりました。今回は

  21世紀【電子・コミュニティ活動空間活用(バーチャル企画→リアル実現)】型戦略
  を使って、自分たちが最も優れているものは何かを提案したいと思います。
  この戦略を使うには日本人が自分たちの価値が高いことをつくりあげないといけません。私は私なりに自ら感じている日本の長所を全面的に出した提案をP2M学会の春季研究発表会にて提案しました。
しかし、この提案をX町の協議会で提案するわけにはいきません。協議会の大多数はグローバル社会の情勢や、何が日本人の優れたところか考えたこともないからです。

A.言われてみるとその通りだな。では、どのようにするつもりかな。

H.この討論会にご参加の各位からX地区に限定せず、少子高齢化での共通課題を提案してもらいます。共通課題がまとまったら、皆で課題解決のためのビジョンを考えてもらいます。ビジョンに沿って大きな課題、小さな課題、どこかの課題に吸収される課題を整理します。これで概念設計案に近いものができます。次に本プログラムの『使命・目的・目標』をまとめていみます。この予行演習をして、協議会に臨みます。

A.承知しました。ご参加の各位は来月号で少子高齢化での課題をできるだけ多く提案して頂きたい。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転

  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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