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第86回(2014.03.14) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その86
「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」
―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(12)―
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(1)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(2)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(3)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(4)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(5)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(6)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(7)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(8)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(9)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(10)
−勉強をしたバカとは何か勉強しよう−(11)
A.先月はDさんから「農水省には知恵者がいる」という話の途中で時間切れとなってしまった。今月も知恵者の話からスタートしてもらおう。
D.今日は基本的なことをお話しします。皆さん方はビジネス界の人ですから、日本が金もうけできて、ゆるぎない基盤を確立することを望んでいます。日本人はその大義名分に対し、国民は犠牲を払うことを美徳と考えてきました。そして公務員に対し、税金で食べているからなお、忠誠心が大切だと思っていませんか。
A.その通りではないのかね。今の公務員は天下りを何回もして結構裕福だ。それだったら、韓国が実施したように、ハブ空港、ハブ港湾をアジア地区につくるべきではなかったのかね。韓国のように国連事務総長の座をいとめることも。原発を真っ先に売りこむことに成功している。これではグローバリゼーションの中で、国のサポートがないのはおかしい。
D.いろいろとご不満はあると思いますが、日本の官庁は素晴らしい努力をしています。老害防止策です。
@組織としての老害防止策を実施しているのは官僚組織だけ
50歳台前半で官僚機構から出されてしまいます。これは素晴らしいことと思いませんか。民間は成績の上がらない社長を8年間も平気で継続させています。彼らがしっかりしていれば、グローバリゼーションでも勝てるはずです。若返りがないことが問題でしょう。
A戦前の官吏は十分な生涯恩給が付いていたので、天下り先を考える必要がなかった。戦後日本人は公務員の年金をケチることを国会で決議した。公務員の本分は議会で変更される法律改定の実作業で、本文の改定と、かつ他の法律との整合性を図り、速やかに法律の改定を実施してきました。このためにエリート大学の法科卒を必要とし、その役割を無事に果たしてきました。このような法律改正を主務とする人材が、定年後民間に職を求めても、生き馬の目を抜く社会で活躍できるはずはありません。現実的な問題として各省の人事担当は恩給に見合う働き場所を探すことになります。各省庁の傘下に財団法人をつくり、省庁の業務の一部を財団という金もうけをしない組織に下請けさせました。正しく言えば合法な組織といえませんが、そこで合法な組織らしくするために、財団には民間人も採用し、経費の中の1部で天下り人件費を捻出する方法を考えました。この方式で組織が暗黙の了解な中で運営ができるようになると、傘下に株式会社をつくり、独占的に仕事がいくようにしました。
さて、その結果どのようなことが起きているかわかりますか。
E. わかりました。財団法人の予算の10%が天下り費用だとすると、恩給を生涯払い続けても財団の1/10の費用で事足りるということですね。合法化するために10倍の費用を使うことになっている事実です。
B. 私もわかりました。傘下に株式会社を持つということは本庁の予算を増やすことで、合法的に天下り予算以外にも収益をもたらす打出の小槌をもったことになりますね。
C. 私もわかりました。官庁の予算の取り方です。それは危機意識を国民に植え付けることです。補助金の拡大、増税の必要性を正当化することです。逆な言い方をすると、国がうまく機能すると予算は減る方向に向かいます。省庁のかくれた仕事は成果をあげないことが自分たちを守るという官のビジネスモデルを定着させたことですね。
F. アベノミクス以前の財務省は景気対策としてゼロ金利政策を推し進めた。ゼロ金利なら民間が借り受けて景気回復はできると皆考えた。しかし、現実には景気回復ができなかった。次に国債を発行し、国が借金をすることで景気対策を実施した。財務省は国の借金が世界一で危険状態だから消費税増税しないとギリシャになるとマスコミを通じて宣伝し、民主党に増税案を飲ませてしまった。しかし景気は回復しない。
E. 国債の発行を増やしたが、景気回復しない。このままでは財政赤字が広がり、消費税値上げ以外に打つ手はないと、国民への負担を増やす政策をしてきた。そのとき海の向こうの浜田宏一イエール大学名誉教授から待ったがかかった。日銀は発行した国債を市中銀行に引き取らせていた、銀行に国債があるということは、銀行には現金がないということで、景気対策になっていない。教授は日銀に国債を銀行から買い上げろという政策を提案した。その結果がアベノミクスとなり、金が回るようになった。
A.前回まで「勉強したバカ」は高偏差値エリートである官僚ではないかという方向でまとまっていたが、どっこい。高偏差値エリートをバカにするなよというのが、今日の結論のようだね。少し古くなったが今風に言えば、国民は“恩給廃止の10倍返し”を受けていることになるな。しかし官僚の目標がダメ日本というのは困ったことだ。来月は一から出直しだな。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
(5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)
第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
(3) (4) (5) (6) (7)
第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
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第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)―
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
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第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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