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第47回(2010.12.07) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その47
「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(12)
〜「How toの時代からWhat toへの転換」
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
−「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に消火活動チームの設置」 10年01月号
−「働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!」 10年02月号
−「アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる」− 10年03月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年04月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年05月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年06月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年07月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年08月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年09月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年10月号
−How to の時代からWhat toへの転換−10年11月号
−How toの時代からWhat toへの転換−
B.先生、年の暮れになりました。1年間お世話になりました。相変わらず景気がよくありませんね。今回はアイデアを出してください。
A.私が考えても仕方がないから、アイデアの出し方を教えてあげるよ。日本の新聞は、日本の悪いところばかり見て悲観している。新聞を見て私達も悲観して、財布の紐を硬く締めるから益々不景気になるよね。国債を発行するとその金が銀行に行くね。銀行は借り手がいないとその金を使えないので結局国債を買うことになる。これでは景気がよくなるわけはない。大きな声では云えないが、資本主義は便利にできていて、どういうわけか、大きな不景気になると、戦争が勃発して、不景気が解消されてきた。最近は出回っている金が実貿易額の100倍もの金が動いている、小さな戦争では間に合わないことが問題なようだ。君はこんなことを考えては駄目だよ。しかし、結局は何か無駄をしないと景気は回復しないね。君だったらどんな無駄をしたいかね。
B.難しいですね。どうせ無駄をするなら役に立つ無駄がいいですね。でも公共投資は減らされていますよね。研究開発などはどうですか。
A.それはいいね。でも、ここでは極端なことを考えてみよう。資源のない日本では資源開発はどうだろうか。日本で一番必要な資源は何だろうか
B.エネルギー資源ですかね。
A.人的資源はどうかね。今日本は人材開発で韓国に負けている。特に語学力だよね。中学卒の20%を、英語しか使わない全寮制の語学と情操教育をするエリート育成型1年間の学校をつくる。高校進学が1年遅れてもかまわない。2、3兆円程度あれば240万人の人的資源が生まれる。卒業生は留学の便宜を図る等のことをしないと日本は確実に駄目になるよね。
B.人的資源開発とは面白いですね。少子化対策として、少ない人材に付加価値をつけるアイデアは、不要なダムより価値はあります。
A.では、日本の強みは何だろうか?
世界一立派な鉄道網があることなんだ。自動車がなくても生活できる国は高度経済社会として自慢ができる。東京首都圏から京都・大阪・神戸の関西圏までは日本の人口の50%が住んでいる。都市化が進むと生産性が上がることがわかっているから、この利点を活用しよう。JRが各駅に保育園をつくれば女性が働ける。日本のコンビには全く便利だ。徹底したIT化で経費節減を図り、ATMによる銀行の代行、公共料金の納入代行、チケット販売、宅配便、買い物代金の決済等の代行サービス、その他多くの提携サービスがある。最近はある地域のヘルスケアサービスが加わっている。店が500メーター以内に存在しているから出来るサービスがこれからもたくさん出てくる。
B.ネットワークという機能を持つと発展性がありますね。
A.地方自治は今金がなく破産寸前だよね。君、何かアイデアがない。
B.コンビニのIT化能力を向上すれば、地方自治のサービスの大半はコンビニでできるかもしれませんね。
A.考えてみると面白いだろ。だが問題がないわけではない。都会は便利だが、少子高齢化現代社会が必ずしも面白くない。面白いコミュニティーがあれば、少子化の問題も解決できる。新しいコミュニティといえば、過疎無医村の独居(夫婦)老人を地域ごとまとめて都市に移動させる。これには3つの利点がある。@老人の健康の問題、A不在農地の企業化への対応ができる。住みなれた土地を離れる人々の寂しさはわかるが、これを決断した人には生活の安心感を与える必要がある。ここで三番目の問題が浮上している。君も知っているように、今韓国はグローバル社会に向けて目覚しい活躍を始めている。韓国と米国が自由貿易協定(FTA)を結んだ。日本は250万所帯の農家への対策で、自動車産業を含めた製造業が不利な立場に立たされている。FTA問題を解決しないと、益々不況が加速する。過疎無医村老人問題の解決は有効な公共投資の代行ではないかね。
B.でも、簡単ではなさそうですね。
A.そうだよな。日本人はどれだけメリット(利点)があり、どれだけデメリットがあるかという損得勘定より、デメリットのあるものはすべて駄目だと決めてしまう。結果的に社会が変化しているのに、何もしないで、韓国の後塵を拝している。残念だね。
B.ではどうしたらよいのでしょうか。
A.これは大きな問題だね。しかし、不景気では無駄をしてもよいということの発見は大きいと思わないか。これは無駄ではなく数年で回収できる投資なんだ。
新年になったらアイデアの出る人も、出ない人の話をしよう。
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
(5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)
第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
(3) (4) (5) (6) (7)
第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
(2) (3) (4) (5)
第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)―
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第87回 “想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12)
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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