第125回(2017.06.20) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その125
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(39)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(27)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月号でIさんは日本的ムラ社会の住人に、各位の重要なご意見を出す書類作成方法を伝授し、町行政公園関係者に説明したと聞いたが、町からの返答は来月号のお楽しみという話だった。今月はぜひ、その結果を聞きたいね。

I.それでは「答えはCM Bの後で」的にお答えします。町の公園担当課長を招き、ワークショップの話、それ以降改修したい案件を2つの都市公園で実施してみたい旨の話をしました。
町の課長から「半年前に、当方の将来構想をお話しした。その後検討部会から、何ら話がなかったので、気になっていた。我々も計画はあるが、良い提案を受け、それが予算内で処理できるものは検討したい」という好意的な発言がありました。

まず当方のスピーカーの説明内容を披露します。
@ 町の基本方針を拝聴し、理解したこと
A 我々は町の方針の範囲内でできることできることをまとめる。このため
B ワークショップを実施したこと、
C ワークショップは『町に遊具の追加を求めるという単なるハード志向の検討ではなく、子供向けの公園という発想から抜け出し、住民の各世代が自分たちを活性化するために公園をどのように使うかという新しい発想を求める』ことをテーマとしたこと。
D ワークショップの結果は、主催者が望んだとおり、「単なる遊具の提案ではなく、住民の年齢別の大まかな要求を得る」ことができたこと
E しかし、具体的には公園別にヒアリングをする必要があり、このためにはあ公園別の再度のワークショップの必要がありそうだということ、
F そのワークショップをする前に、ワークショップのファシリテーターに公園活用に関する他市町村での具体的事例を提案してもらったこと
G これらを踏まえて、公園の持つ特徴を踏まえた提案をするため、公園別に担当者を定め、地域住民の大枠の要求をききながら具体的案を出してきたこと
H その結果都市公園は2か所にしぼり、典型的な改修案を提案し、採用されたらこれを実施し、成功の暁には各都市公園で普及させる、という方針をかため、本日その提案をすること
の経緯を話し、この提案に価値があれば他の公園に波及させる考えである旨の説明をしました。

A.町の反応はどうだったかね。

I.住民が求める公園の新しい使い方に対する改修案を出したところ、次の回答がありました。 
「これまでの住民からの要求は自分が欲しいものを、当然の権利のように要求してきた。いまでも住民の要求は変わっていない。これに比べ公園部会の提案はレベルが高く、町で実施したい内容でもあり、心強く思っている。そこで改修に掛かる費用について質問をしたが、皆さんの見積もり額に対し、町が実施する額は1桁多くなる。それは安全に関する考慮が異なるからである。地震の基準、その他保障費の積み上げ等で値段が違う点が問題だとおもう。しかし、本件は検討する価値があるので、1か月後には回答する」というものでした。しかし、まだ町からの回答は得ていません。

A.考えられることだな。だが、Iさんの話を聞いて気になる点があるんだな。いま、公園部会が検討している内容は、町がこれまで実施してきた領域と同じ領域で、住民が改修を求めている。それだと専門家と素人の戦いで、勝ち目はない気がする。町がこれまで実施してこなかった新しいビジョンの中で、このように改修したいという発想はできないのかな。

I.大変痛いところのご指摘恐れ入ります。そのため私は町全体のビジョンを固めて、そのビジョンに向かって、新しく何をするかを考え、その中で、すぐできるものから実施していくべきだと感じていました。言い訳になりますが、日本的ムラ社会の住人の行動を見ていますと、ビジョンを立てることが苦手です。しかし、他者の提案したビジョンをみて、自己の経験の範囲を越えると不安になり、このビジョンがなぜ必要かと考える代わりに、無謀だと抗議します。
この抗議は多数派の意見で、無視することはできません。しかし、本当はビジョンが出されると、公園の活性化より、重要な課題が浮かび上がります。しかし、現状の進め方で、公園部会の提案が採用されないことが起こるかもしれません。それは失敗ではなく、逆に素晴らしい転機を迎えることになるかもしれません。

A.コトを成就する戦略はビジネス世界と違い、壁にぶつかり、反省し、方向修正するという根気強さが必要ということだな。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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