第176回(2021.09.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その176
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(90)
−日本人の奇妙な発想その2
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1) 
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
第161回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(75)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(3)
第162回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(76)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(4)
第163回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(77)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(5)
第164回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(78)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(6)
第165回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(79)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(7)
第166回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(80)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(8)
第167回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(81)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(9)
第168回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(82)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(10)
第169回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(83)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(11)
第170回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(84)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(12)
第171回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(85)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(13)
第172回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(86)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(14)
第173回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(87)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(15)
第174回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(88)−再度「ジョブ型/雇用」と「メンバーシップ型/雇用」の相違とこれからの使い方
第175回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)
第176回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(90)−日本人の奇妙な発想その2

A. 8月号では、財務省から「日本国の経営について借金が1100兆円あり、この金額は国民の貯蓄総額である。これからの正しい日本国経営については消費税定期的増税である」
というB案が提案された。
◎B案とは小泉政権時代に小泉内閣経済、金融責任者、財務省が中心となって作り上げた原案であり、これを民主党時代に消費税増税案として採用された案である。
B案の内容は既に書籍2010年初版『絶対こうなる!日本経済」この国は破産などしない!』が市販されている。
ここでの答えは【日本は消費税方式を採用するが、スエーデン型かアメリカ型にするか、これから決めると言っている。しかし、将来は税率を20%〜25%にまで伸ばしたいという】回答であった。
 
I. 私から問題点を提起します。
 @)問題点は
@ 消費増税は安倍政権以前に決まっていたことで、5%を8%に増税、2年後に10%とする。(財務省)
A 安倍政権になってアベノミクスを決定した。決定後日銀からアベノミクス拒否の通達があった。理由は国債を使えるのは官の事業だけという日銀法がある。
ここで第一の問題点が浮き彫りされた。
B 安倍政権は今までの政権が提案しなかった有効な3つの実践企画を策定し、イエール大学浜田宏一名誉教授を内閣官房参与とし、アベノミクス3つの矢を提案し、ノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンの協力を得て、以下の提案内容を説明した。

a.日銀の金融政策の枠組みを変更し、官でなくても国債活用ができる法案に変える
b.新しい金融緩和策で機動的に緩やかなインフレ戦略を実施する
c.日銀国債の買いオペの上限を成功するまで無限に買いオペを進める
具体的には以下である。
第一の矢:官でなくても国債発行ができる大胆な金融緩和(
大成功
第二の矢:「機動的な財政政策」で財務省のインフレ政策から緩やかなインフレの成功(
大成功
第三の矢:「民間投資を喚起する成長戦略」での成功(ケースバイケース)
     鍵は第三の矢になっている。

A)これまでの戦いの成果:
アベノミクスはこの時点で終わったわけではなく、次の政権がどの様なかじ取りをするかで問題解決になる。
これまでの成果は第一の矢を実施し、緩やかなインフレが達成された。これに対し消費増税派はインフレ目標に近づいた頃合いを見て増税を実施し、緩やかなインフレ効果を打ち消す方向で活動した。第二の矢の場合も同様な成果であった。これで帳消しとなると第三の矢が勝負となるが、まだ結論は出ていない。
第三の矢となると都道府県市町村の個別案件の成功で勝負がきまる。ただ、この個別案件はほぼ国が口出しする案件で、この案件で官や地方自治が規制を盾に妨害すると簡単に勝利を挙げることは難しい。

◎幸いなことが見つかった。
@
昭和で成果をあげていた日本が平成で成果を出せなくなった最大の理由は世界各国で行われている個人評価に対し、日本の個人評価は忖度評価で今のままでは国が亡びる(上司の顔色を見る人材が権力をにぎり、実力社員は困難な案件にだけよびだされ、初仕事で失敗すると責任を負わされている。誰も困難を征服しない組織になっている)

A
現在の官の在り方は1990年以降、一般会計税収と歳出総額が官僚の意向で自由に変えられている。この方式が許されると、社会主義国の予算と同じとなり、官僚は働くより、予算獲得競争になり、内向きの競争になる。そのため官僚は国を離れる不利に気が付き、国際機関への出向者がいなくなった。これではグローバリゼーション対応ができない

B コロナ対策で素晴らしいことがわかった。
【なぜデジタル政府は失敗し続けるのか】が2021年2月に出版された
・政府は2001年にIT(デジタル)基本法を施行した。電子政府の企画は整然と行われたが、この20年間目標見送りになっていた。この中で菅総理はデジタル庁が縦割り行政では日本の将来性はなくなると発言している。

C 「上級国民」「下級国民」やっぱり本当だった。みんな薄々気づいている「言ってはいけない」分断の正体
  初版2019.7月

読者のみなさん。できれば
【なぜデジタル政府は失敗し続けるのか】
「上級国民」 「下級国民」
を読んでください。日本の危機が実感できます。


以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)   (7)   (8)   (9)  (10)  (11)  (12) 

第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)
  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  
 
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(13)―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15) 

第174回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(88)−再度「ジョブ型/雇用」と「メンバーシップ型/雇用」の相違とこれからの使い方
第175回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)
第176回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(90)−日本人の奇妙な発想その2
第177回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(91)−日本人の奇妙な発想その3(ゾンビ企業の救済)
第178回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(92)
第179回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(93)
第180回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(94)
第181回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(95)−官僚という秀才集団の持つ素晴らしさと恐ろしさ
第182回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(96)
第183回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(97)−IT能力の差【米国の自信;日本「ホンネとタテマエ」という風習】
第184回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(98)
第185回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(99)−メルマガ  220618F3
第186回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(100)
第187回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(101)
第188回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(102)
第189回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(103)
第190回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(104)
第191回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(105)


 
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