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第172回(2021.05.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その172
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(86)
―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(14)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
第161回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(75)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(3)
第162回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(76)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(4)
第163回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(77)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(5)
第164回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(78)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(6)
第165回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(79)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(7)
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第169回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(83)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(11)
第170回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(84)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(12)
第171回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(85)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(13)
第172回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(86)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(14)
A.最近新聞や出版物で「ジョブ型雇用」というテーマが出始めている。なぜ、この案件が課題化されているのかな?
I. 日本の企業は高度成長時代をとおして、画期的な組織活動をおこない、生産性と品質の高度化で世界をリードしてきました。
しかし、1990年で製造業がピークに達しました。ピークということは他の先進国が勢力を広げ、自社の成長率が減っていることを意味します。さらに成長率が2%に達すると成長率の限度が来ます。代わりに成長率7,8%の中堅国が勢力をのばしてきます。
A.ピークが来た先進国は今後どのようにして成長率を高めるのだろうか。
I. 2000年以降米国の経営はインターネットの普及に応じてITを活用した経営に切り替え、生産性を高めていきました。残念ながら日本の経営者は視野が狭く、またインターネットを活用することでグローバリゼーションを促進させること力を入れませんでした。他方日本はバブル崩壊前の財テク時代で得たあぶく銭で、韓国に対する経済の優位感からの驕りが有り、サムスンへの技術支援を実施し、自社の製造ノウハウのすべてを提供しました。気がついたら韓国はイノベーションで半導体生産を世界一に伸ばした。一方経産省は日本企業10社をDRAMの生産企業に指定しました。経産省の思惑は10社で仲良く世界制覇させることでした。
ところが残念なことに、日本はサムスンに日本が開発したDRAM製造装置、DRAMの質をチェックする精密検査機の利用まで許したために、サムスンは韓国内で利用するDRAMを1社で独占し、更に世界中で使うDRAMの生産を独占する決断をしたことで、サムスンのDRAM製造単価は日本製DRAMより一桁安くなったため、日本が開発したDRAM搭載の製品の全部が価格競争に負け全滅しました。日本はこのダメージで、家電汎用機、続いて高級家電も奪われ、スマホまでが奪われてしまいました。
A.日本がサムスンを支援したのはインターネットが普及した1995年ころからであり、日本が負け始めたのがバブル崩壊後2005年ころだと思うが、この時期はバブル崩壊後の後始末の時代だった。そのため日本でもIT経営が叫ばれたが、製造業の不景気が災いし、経営者の視点がIT経営を真剣にとらえていなかったと思う。
I. 私の見解は少し違っています。日本の製造業は戦後幸運に恵まれました。戦後の日本に向けられた政策は5大改革と呼ばれるもので、GHQの対策は日本に戦争をさせないための政策で、社会主義的なものでした。ところが1948年に朝鮮戦争が勃発し、米国の政策は「日本を味方とする役割をになわせる政策に変わっていった」。そのため日本の企業は米国の「ジョブ型雇用方式」ではなく、経験のない従業員を2,3年間教育し、次に別の部署で必要な教育を受ける方式を認めました。幸か不幸か、日本は機械の高度化で生産をのばすことを考え成功しました。しかし、時代が変わり、その後急速に範囲を広げたグローバル化社会を活用し生産性を上げるという発想を持たなかった日本は競争力も極端に低下してしまった。
A.それは何故かな。
I. 日本の役所、大企業は誰が仕事をしているかというと、組織の持つ権威が仕事をしています。それは個人の権威ではなく、会社という権威、役所という権威が人を動かしています。しかし、相手がコロナであると会社・役所の権威は手も足もでません。ここで申し上げたいのは、多くの日本人は自分たちが大局観を持たないことに気が付いていません。
今のテレビ放送の大半はコロナ対策でふさがれています。1か月ごとに対策を変更しています。これに対し多くの素人が政権を非難していますが。本件に関しては専門家同士の討論で結論をまとめるべきと思います。
来月号では、「ジョブ型雇用」を掘り下げてみます。時間があれば、人財、人格の格付けを勉強しましょう。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
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第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
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第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
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(2) (3) (4) (5)
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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(13)―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
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第174回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(88)−再度「ジョブ型/雇用」と「メンバーシップ型/雇用」の相違とこれからの使い方
第175回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(89)
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第177回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(91)−日本人の奇妙な発想その3(ゾンビ企業の救済)
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