第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
第161回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(75)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(3)
A.先月号はグローバル市場で勝ち抜くためには、現在の地域開発再生協議会から足を洗う、ことが第一とIさんは言ったが、理由は何かな?
I.今回の新型コロナウィルス対策で、対応の早い国、遅い国が歴然としてきた。台湾、韓国などの対応が早い。シンガポールも同様である。
このような緊急なテーマに対する各国の対応は、その政府の問題認識力、課題化力と、その解決力に優劣が見えた。日本は問題が発生すると、その解決に集中するが、その先に起こるであろう数種類の問題を整理し、順位を決めて適切に課題解決することが得意でない。
A.それはどんな課題かな。
I.具体的に話すと、今実行しているのは@感染防止対策です。次の課題は感染防止対策が長引くことにより発生する、A企業、個人の収入停止問題です。しかし@を長引かせるとAの被害が膨大になり、時には自殺者が発生します。
A.日本人は自殺者が出たりすると、@の意思決定者に非難が集中するから決断も大変だな。
I.おっしゃる通りです。難しい問題ですが、預貯金がない人々への緊急対策等は同時に考える必要がありそうです。
A.それもそうだな。
I.私が何故このような提案をするかというと、日本のお役所は物事の役割はよく心得ているが、行動が遅いのが特徴です。例えば景気対策です。2000年から景気対策を行っていますが、発行された国債は官しか利用していません。そこには二つの大きな問題がありました。バブル崩壊後の国内企業の整理です。次はバブル崩壊後の責任を負わされた大蔵省はそれがトラウマとなりデフレ政策を堅持してきたことです。官は日本の製造業の勢いを信じて、円高政策を継続しました。幸運なことにオイルショックが起こり円高政策は石油高騰対策として、輸出入バランを黒字にしてきました。
2013年になって安部政権となり”アベノミクス”が出現し、民間の活性化を含めた政策が提案されました。人口減少に伴うGDPの減少を補うためのものです。内閣として初めてインフレ政策に切り替える公約をしました。しかし、官は前政権が約束した消費増税を持ち出しこれに対抗しました。
●読者の皆さんへの第1質問です。
“アベノミクス”は消費増税を先延ばししましたが、一回8%増税を許しました。今回は他法案成立等の関係で10%増税を受け入れました。このため折角軌道に乗った景気がみごとに落ち込みました。“アベノミクス”(景気対策)開始後財務省は2回の消費増税(デフレ政策)を実行しました。財務省とマスコミは1,000兆円の国債発行が行われ国民の預金がすべて使われた。この国債は国のために使われたものだから、国民の税金で賄うべきと言っています。それに対し国民の50%は増税に賛成だと新聞は報じています。これは正しいでしょうか?ご意見ください。
●読者の皆様へ第2問
増税後の景気落ち込み時に、運悪く新型コロナウィルス問題が起こり、政府は感染防止緊急対策として、自宅待機政策、盛り場への足止め対策をしましたが、これらはすべて大規模な失業問題と業務の部分的停止命令で、倒産問題がおこりえます。
防止対策は当然ですが弱者への緊急支援対策に対するあなたのご意見は?
●読者の皆様への第3問
新型コロナ感染対策で、業務の在宅化も工夫次第では成果がでることに気がついた皆さん方が多いと聞きました。どのような方式が勤務の改善に役に立ちますか。提案できるものを書き上げてみてください。
●読書の皆さんへの第4問
新型コロナと関連なく、日本企業の業務遂行習慣が固定化されて生産性の向上に害を与えています。考えてみると戦後一貫して変わらないやり方をしているもの、現代では利用が薄くなった業務方式を残している企業もあります。それらの問題をこの機に改善したいと考えますか。どんなものがあるか教えてください。
●読者の皆さんへの第5問
多くの海外のプロジェクトを經驗して感じたことがあります。欧米は契約社会で、明快な規則の上に社会的に成立しています。第一は契約が発注者、受注者ともども平等な立場で結ばれていること、堂々と議論できることで、双方の信頼感が増しました。
日本の契約は発注者が甲、受注者が乙で、トラブル発生時は甲が判断するとある。
第三者が判定に立ち会い、公平に判断できる基準がないということです。ITビジネスに関し、日本での契約事例を見ると、「2・4・2・3方式」がある。乙は甲からの仕様で数量2の契約をした。業務が進み初期条件に不備を発見すると、甲から4の量の要求がある。無償である。乙は約束違いなので2で頑張る。最後は甲が3で折り合う。日本人は契約の概念が薄いため、契約の基本となる条件を大雑把な内容で決める。モノの購入が増えないから無償だという。モノより人のコストが高いことを知らない阿呆だ。
海外の顧客は基本を決めて契約し最後まで変わらない。
●読者の皆様への第6問
米国の企業では、今期の成果に関し目標値を示し、報酬を決めて仕事をします。彼らはPMを活用して成果をあげています。日本ではPMが活気的に使われていない気がします。日常業務にPMを使って仕事するにはどうすればいいでしょうか。
次回は企業のグローバリゼーションとは何か? “化け物”が潜んでいます。
学んでみませんか!
以上
以上
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