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第170回(2021.03.23) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その170
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(84)
―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(12)
渡辺 貢成 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所 |
第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)
第160回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(74)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(2)
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第170回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(84)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(12)
A..先月号ではアベノミクスの第三の矢に多少の弱点があるという答えであったが、それはどのような意味かな?
I.コロナの問題がなければ、官僚批判や経団連批判はやめたいのですが、このままでは日本の危機を取り除くことができません。
コロナ問題が起きてから、各方面の日本の若手が立ち上がってきたことに私は大きな救いを感じています。平成時代にはなかった変化です。
@ まず、官僚の法令化能力です。官僚は国が必要と思われた問題を法令化します。関連する法令をしらべ、目的以外に他の法令に抵触するか検討することに長けています。東大の法科出身者が多いことも、大きな戦力となっています。国会での法令改正は拙速が求められており、東大法科の独壇場と言えます。敬意を払います。しかし、この改正は気が付いてみると官僚の権威を高める結果をもたらしました。東大出の目標の第一はエリート官僚の地位確保です。
A ここで日本国が実施している『三権分立』を覗いてみる。
時代が立つと、組織に変化が起きます。ここで日本的な3権分立を眺めてみます。3権とは国会「立法権」、内閣「行政権」、裁判「司法権」で、それぞれ独立した権限をもって、組織の独裁化を防いでいます。しかし3権の中での第一位は「立法権」です。何故かわかりますか?理由は国民の意思で選ばれた人材が議員となり、立法作業をしているからです。ところが「行政権」の長である内閣総理は国会議員でもあり、「立法権」の有力な一員です。ここで三権があいまいとなっています。
第二の曖昧さは官僚の位置づけです。米国では大統領が変わると、官僚も総辞職する決まりになっています。
ここでトランプ米大統領が職に就いたとき、実行した手法を覚えていますか?
トランプ大統領は国務省最有力職員を選んで仕事を実行させました。その結果、この候補者は私の方針と異なる意見だと簡単に罷免しました。同様な方法で次々と有力候補を役につけながら、90%罷免し、最後に自分好みの与党派職員のみ採用しました。このためヒラリークリントン大統領候補者が用意した国務省および他省の候補者はすべて血祭りの憂き目を見ました。
では日本国ではどのようになっているでしょうか?
日本の官僚機構は正に年功序列を伝統にその順位を変えることなく、職員の職場での順位で粛々と人事が組まれていきます。この順位決定方式は明治期から変わらず、建前として天皇陛下が任命した時代が不文律的に残されています。ところがこの順位を変えた人がいました。田中真紀子衆議院議員でした。しかし、しっぺ返しに本人が失職しました。この実績を踏まえて、日本官僚機構は更に強化されました。
B ここで日本官僚機構の実力を覗いてみましょう。
まず、鳴り物入りのアベノミクスの事例を眺めてみましょう。
@)安倍総理は総理着任後、野田前総理が実施を決めた消費税8%、続いて行う10%増税を当面取りやめ、新しくアベノミクスという緩やかなインフレ率2%方式を提案しました。
A)財務省はアベノミクス実施を拒否しました。理由は日本の国債を活用できる案件は日本銀行の規定があり、国家機関で活用される政策案件以外は国債の活用ができないと拒否されました。
B)安倍総理は現在のデフレ下で、更にデフレを強化する政策はおかしいと、米国在住のイエール大学浜田宏一名誉教授の来日をお願いし、新進気鋭のポール・クルーグマンの支援もあって、財務省のデフレ政策の無謀を止めることに成功した。
そこでアベノミクスが急遽採用されることになり、日銀の規則は民間でも採用されることになった。
C)これに対し財務省は長年野党であった野田政権の知識不足をよいことに、世界中が評価しないデフレ中のデフレ政策をおこなわせる予定でいたが、一時的に中止し、時の総理が決めたアベノミクスの実行を優先させた。
A. それから結果はどうなったのかな?
I. 残念ながらまだ途中経過なので次回にこの話をします。
私が最も心配していることは、日本国の官僚組織と、経団連の組織能力の評価が心配でなりません。理由は日本の製造業が中国はじめアジア諸国の競争力向上で危機に瀕していることです。この問題と日本官僚組織と経団連という業界組織の癒着という現象があります。実は官僚組織も、経団連も70%以上が東大卒です。成果を上げれば結構なのですが、1997年以降バブル崩壊後の立て直し作業で、身内意識で多くの破産候補組織が救われました。それは結構なことでもありますが、そのことで大企業がイノベーションをする努力なしに経営が安泰しため、経営の質がアジア諸国並み以下になってしまいました。この実態を4月号で徐々に明らかにしていきます。
A. 是非お願いしたい。
以上
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プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー |
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう (2) (3)
第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1) (2) (3)
第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
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第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
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(5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)
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第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managmentへの転換
(3) (4) (5) (6) (7)
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(2) (3) (4) (5)
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