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第29回(2007.01.29)
戦略的PMOのPM改善への取り組み(7)〜Right Projects Done Right |
◆Right Projects Done Right
PMIのポートフォリオマネジメントのガイドブックに以下のような記述がある。
Doing the right work(正しい仕事をする)
Doing work right(正しく仕事をする)
何を言っているかお分かりになるだろうか?
Doing the right work=ポートフォリオマネジメント
Doing work right=プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメント
である。正しい仕事をするとは、戦略を具現化するプロジェクトを実施することであり、正しく仕事をするとは、そのようなプロジェクトを正しい方法で実行することだ。つまり、プロジェクトをマネジメントを正しく行うことだ。
これまで、(正しく仕事をする)ことにばかり焦点が当たっていたが、(正しい仕事をする)ことに焦点が当たろうとしている。「プロジェクトマネジメントを成功させる方法は失敗するようなプロジェクトをしないことだ」ということがジョークだと思われてきたが、いよいよ、ジョークではなくなる。これもPM改善の一環ということになる。
◆プロジェクトの評価視点
さて、正しい仕事をするにはどうすればよいか?正しくプロジェクトを評価すること
である。
プロジェクトの評価にはいろいろな視点があるが、ここでは、
(1)ビジネスの視点
(2)財務の視点
(3)実行の視点
の3つを考えてみる。
ビジネスの視点には、
・プロジェクトコスト
・製品とサービスの品質
・顧客満足
・ビジネス上のメリット
・新技術/新製品
の5つの評価視点があると思われる。詳細は後に述べる。また、財務の視点としては
、
・投資に対するコミットメント
・投資の回収
・投資の期間
・投資の配分
といった評価視点がある。これらはプロジェクト評価の中で取り上げられることが多い。これらは事業戦略、マーケティング戦略、財務戦略などの戦略に即して、正しい仕事とは何かという視点である。
◆実行性の視点が大切
しかし、いくら戦略に照らして正しい場合でも、そのプロジェクトが実行できなければ正しいとはいえない。そこで、3番目の実行の視点が必要になってくる。実行の視点には、
・コンピテンシー
・ケイパビリティ
・リスクの程度
・リソースの利用可能性
といった評価視点が考えられる。
このように正しい仕事の意味するもののひとつは正しく仕事ができるという仕事なのだ。つまり、
正しい仕事を正しく行う=Right Projects Done Right
が求められている。
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