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第31回(2007.02.02)
リスク・マネジメント計画
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 |
前回は、人的資源知識エリアのプロジェクト・チーム育成プロセスのツールと技法を取り上げました。
◆リスク・マネジメント計画
今回は、リスク知識エリアの計画プロセス群のリスク・マネジメント計画プロセスを取り上げます。
リスク知識エリアは、プロジェクトに関するリスクをマネジメントするための計画、リスクの識別・分析、対応、監視コントロールの実施に関するプロセスから構成されています。
そもそもPMBOKでは、リスクは発生すれば、時間、コスト、スコープ、品質などのプロジェクト目標(つまり計画のこと)に対してプラス・マイナスの影響を与える不確実な事象と定義しています。
リスク・マネジメント計画書は、プロジェクトマネジメント計画書の一構成要素であり、次の項目を含みます。
・方法論:リスク・マネジメントを行うためのツール、取り組み方を定義
・役割と責任:リスク・マネジメントを行うリーダー、支援者、メンバーを定め、役割と責任を明確化
・予算化:リスク・マネジメントに必要な資源を見積り、予算を割り当てる
・タイミング:リスク・マネジメントを実行する時期と頻度
・リスク区分:体系的にリスクを識別するために効果的な構造を定義
例えば、リスクは技術要因と外部要因と組織要因とプロジェクトマネジメント要因に分類され、プロジェクトマネジメントは見積り、計画、コントロール、コミュニケーションに関する要因に分類されるという分類の区分のこと
・リスクの発生確率と影響度の定義:リスク分析でリスクの大きさを判断するための判断基準
・発生確率・影響度マトリックス:リスクの優先順位をつけるための発生確率と影響度を横軸と縦軸において、各リスクをその中にプロットするマトリックス
・ステークホルダーのリスク許容度の改訂:個々のプロジェクトに摘要するためにリスク・マネジメント計画でリスク許容度を改訂します
・報告書式:リスク・マネジメントに使用するリスク登録簿の内容と形式
・追跡調査:リスクのすべての局面を記録する方法について文書化
リスク知識エリアでは、このリスク・マネジメント計画書で決めた内容がすべてのプロセスのインプット、指針になり、この後のプロセスであるリスク識別、定性的リスク分析、定量的リスク分析、リスク対応計画へと進みます。
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PMBOKは、米国PMIの商標(R)です。
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