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第30回(2007.01.27)
プロジェクト・チーム育成
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 |
前回は、人的資源知識エリアの人的資源計画プロセスのツールと技法を取り上げました。
◆一般的なマネジメント・スキル
今回は、人的資源知識エリアの実行プロセス群のプロジェクト・チーム育成のプロセスのツールと技法を取り上げます。
プロジェクト・チーム育成では、同じく実行プロセス群のプロジェクト・チーム編成プロセスで作成される次のアウトプットをインプットとして、チームのパフォーマンス評価をアウトプットとして作成しています。
○プロジェクト・チーム編成プロセスのアウトプット
(=プロジェクト・チーム育成のインプット)
・プロジェクト要員任命:プロジェクトへの要員配置
・要員マネジメント計画書:メンバーが必要な期間をスケジュールとともに文書化
・資源の可用性:メンバーがプロジェクトで作業できる期間を文書化
○プロジェクト・チーム育成プロセスのアウトプット
プロジェクト・チーム育成プロセスのアウトプットは、チームのパフォーマンス評価
であり、チーム育成の過程でのチームの有効性を評価します。
そして、その評価は、次の3点で行います。
・スキルが向上下かどうか:アクティビティをより効率よく実行できるかどうか
・チームの機能性の向上:機能性が向上するために、コンピテンシーが向上し感情面
の改善があるかどうか
・要員の離職率が低下したかどうか
それでは、プロジェクト・チーム育成プロセスのツールと技法は何かというと、次の通りです。
・一般的なマネジメント・スキル:人間関係のスキル(ソフトスキル)や共感・影響力・創造性・グループ円滑化等のスキル
・トレーニング:チームメンバーのコンピテンシーを高めるために行う
・チーム形成活動:チームの結束を高めるための行動
・行動規範:チームメンバーの行動について明確な期待を設定したもの
・コロケーション:チームとしての実行能力を高めるために物理的にメンバーを同じ場所に集まること
・表彰と報奨:望ましい行動に対して表彰と報奨を行う
一般的なマネジメント・スキルとして、プロジェクト・チーム育成で最も重要なスキルは、ソフトスキルであり、PMBOKでは、次のスキルを挙げています。
・効果的なコミュニケーション
・組織への影響力
・リーダーシップ:ビジョンと戦略を作成し、メンバーに動機付けをしてそれを実現させる
・動機付け:メンバーを奨励し、高いレベルの成果を実現させる
・交渉及びコンフリクト・マネジメント:交渉し合意に達すること
・問題解決力:問題定義、代替案の識別と分析、意志決定
pmstyleでは、ソフトスキルとして次の手法を紹介しています。
・フィードバック:相手の行動に対して自分の意見を伝える指導法
・コーチング:相手のやる気を引き出し、目的を達成させる
・リテンション:メンバーについてよく知り、プロジェクトとメンバーの良好な関係をプロジェクト終了まで維持する
・パフォーマンスマネジメント:現状認識させ、パフォーマンスを改善させる
・ジョブディスクリプション:職責を明確にし、プロジェクトに対する貢献を認識させながらプロジェクトワークに取り組ませる
メンバーに対しての、動機付け、行動を正す、動機の維持、問題の解消、期待するなどの働きかけを上記の5つの手法を効果的に使い、メンバーを育成し、チームを育成することで、プロジェクトを効率的に進めていくていくことができます。
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PMBOKは、米国PMIの商標(R)です
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