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第27回(2006.12.01)
根本原因の識別
プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代 |
前回は、品質計画のツールと技法である費用便益分析を取り上げました。
今回は、リスク知識エリアのリスク識別プロセスのツールと技法を取り上げます。
リスク識別プロセスは、どのリスクがプロジェクトに影響するかを見定め、その特性を文書化するプロセスです。
ツールと技法には
文書レビュー:プロジェクト文書(計画書)の体系的なレビュー
情報収集技法:ブレーンストーミング、デルファイ法、インタビュー、根本原因の識別、SWOT分析
チェックリスト分析:過去の類似プロジェクトやその他の情報から蓄積した情報から作成したリスト
前提条件分析:前提条件の不確かさ、矛盾に基づきリスクを識別
図解の技法:特性要因図、フローチャート、インフルエンス・ダイアグラム
がありますが、根本原因の識別を取り上げます。
◆根本原因の識別
根本原因とは、本質的な原因のことで、リスク発生の本質的な原因を調べることです。
リスクとは、もし発生すれば、プロジェクト目標にプラスまたはマイナスの影響を与える不確実な事象や状態のことです。
この不確実な事象や状態はどんな原因から発生するかを調べ、その原因は何故発生するのかと次々の原因を調べ、最終的な原因のことを根本原因と呼びます。
そして、リスク識別では、リスクから根本原因を調べるとともに、リスク発生によってプロジェクトに与える影響(プロジェクトの結果)を挙げ、根本原因とリスクとプロジェクトの結果を並べて表現します。
この3つを並べてリスクを表現しますと、リスク発生の根本原因が複数あったり、1つの根本原因から複数のリスクが発生したりという関係が表現され、これらを整理することで、プロジェクト内のリスクを整理することができます。
つまり、根本原因を解決することで複数のリスクの発生を回避することができるというような原因別のリスクのグループが可能になり、効果的なリスク対策を生み出すことがででるようになります。
また、リスクを管理するとはリスク事象を発生させないようにして、マイナスの結果を起こさないようにすることですので、管理するものは根本原因でも結果でもなく、リスク事象であることを考えれば、リスクと考えていたことが、根本原因であったり、結果だったりしますので、リスクの管理対象を整理するためにも、根本原因とリスク事象とプロジェクトの結果を併記して整理することは有効なツールです。
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