第4回(2006.04.07) 「プロジェクト パフォーマンス マネジメント」 その4
PPMシステムの組み立て方と使い方
城戸 俊二
 kido@dem.co.jp
(有)デム研究所 http://www.dem.co.jp


パフォーマンス管理技術とパフォーマンスデータの流れ】プロジェクト情報処理の最終目的はプロジェクトのPDCA:Plan、Do、Check Actionに必要な情報を適時適切に管理者と作業実施者間で共有することである。この中で最も重要な情報がパフォーマンス管理に関わる情報である。これは図−1(PPMS:Project Performance Management System、内容の詳細は本シリーズH18年2月号をご参照)に示すように論理的に裏付けられたものであるため、目的に適う情報が得られるように、予め管理のしくみを作業の進め方の中に埋め込んで置かねばならない。










プロジェクトパフォーマンスマネジメントプロセス(PPMP:Project Performance Management Process、本シリーズH18年1月号ご参照)及び上記PPMSを踏まえて、本稿ではこのシステムを組み立て、運用する手順を紹介する。




 パフォーマンスマネジメントの作業は大略図−2の左下から右上へと段階を追って進行する。図−2の左下で@WBSの枠組みを踏まえて、プロジェクト進捗状況や成果を把握するためのWP:Work PackageとそのA担当者を決め、その作業内容と実行管理担当者を明確にする(役割分担表)。並行してWPにB予算額を割り付け(WBS vs CBS)、次いでこのWPとC作業スケジュール(CPMネットワーク)のリンクを明確にする。これによりD管理ベースラインが得られる。これまでが実行計画段階である。これまでの手順を図―1で見ると、雲形吹き出し“管理の枠組み”の部分と同“時系列展開”の部分である。
実行管理段階を図の中央から右上隅の部分に示す。作業が進むに従い実績スケジュールが逐次更新されるが、このとき計画の消化率を算出して出来高が得られる。更に予算消費実績も得られるので、予算消費額と出来高、及び計画の累積カーブE(3本線)を総合的に比較して作業成果を評価し、必要に応じてF対策を講じる。実績把握と成果評価については後日詳述ことでご容赦願う。

【パフォーマンスマネジメントシステムは管理要素をコンカレントに組み立てていく】
PPMPにも示すようにパフォーマンス管理システムは核となる管理要素をコンカレントに組み立てていかねばならない。WBSを完成した後、スケジュールを作る(或いはその逆)要領で進めると、良いシステムは出来ない。それぞれの構築作業をコンカレントに進め、全部が出来上がったところで集約し、相互の整合性を整える。これがプロジェクトコントロールベースラインである。


プロジェクト パフォーマンス マネジメント バックナンバー
第1回 プロジェクト パフォーマンス マネジメントとは何か
第2回 プロジェクト パフォーマンス マネジメントプロセスの全貌
第3回 プロジェクト パフォーマンス マネジメント ストラクチャー
第4回 PPMシステムの組み立て方と使い方

第5回 PPMの要はWBS/WP
第6回 パフォーマンス トレードオフの要 WE/WP
第7回 マネジメントフレーム間のパフォーマンス情報フロー

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